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これが僕のやり方

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中学2年生の段田太一は、エネルギー波を出すために悪戦苦闘する。が、ある日ヒントを掴む。
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2015年12月の記事一覧

小説『これが僕のやり方』――④弱者の妄想

小説『これが僕のやり方』――④弱者の妄想

(小説『これが僕のやり方』ーー③ 壊せ。)

 フローリングに落下したスプーンが割れた瞬間を見届けると、白い天井を見上げていた。どうやらベッドで寝ていたらしい。吸い込んだ空気の匂いでここが病院だとわかった。

「太一!」

 顔の膨れた化け物が僕の手を握ったと思ったらそれは僕の母だった。泣き腫らしたせいか顔はむくみメイクが崩れて目の周りは黒く染まっていた。
 やめてくれ。寝起きなんだ。その顔を見る

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小説『これが僕のやり方』ーー③ 壊せ。

小説『これが僕のやり方』ーー③ 壊せ。

 暗い部屋、スタンドが照らす机。僕の部屋。

 机の上にはスプーンとフォークが散乱している。持ち手は持ちにくく、そのためすくいにくく刺しにくくなった道具。もはや道具としての価値もない。
 フローリングの隙間や、カーペットには銀の粒が散乱し、スタンドから届くわずかな光も反射している。
 あれから5ヶ月が経っていた。

 ーー5ヶ月前。
 あの日から欠かさず出そうとはしているのだが、変わったのは傷口が

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小説『これが僕のやり方』ーー②革命はいびきの中で

小説『これが僕のやり方』ーー②革命はいびきの中で

 英語の予習が一段落した。まだ11時半。寝るにはちょっと早い。というかまだ眠くない。
 僕は自分の左の手のひらを見た。赤黒い点が選ばれし者の印のようだった。
 でもこれは印なんかではなく、エネルギー波を放出するための出口だ。昨日は痛くてテンション下がってさっさと寝てしまったけど、今日はチャレンジしてみよう。

 僕は立ち上がって机から離れた。スリッパを脱いでフローリングに裸足で立つ。12月ともなれ

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小説『これが僕のやり方』ーー①コンパスが刺す方へ

小説『これが僕のやり方』ーー①コンパスが刺す方へ

 疲れたと思ったら、もう日付が変わっていた。
 暗い部屋の隅でスタンドだけがこの世の唯一の灯りに思えてくる。一人の夜は痛いくらい感情を高ぶらせる。
 僕は数学の問題に行き詰まって、シャーペンを机に置いた。

 僕は中学2年生の段田太一。周りからは「ダンダ」「ダンダ君」「お前」なんて呼ばれているどこにでもいるヒエラルキー低下層の中学男子。

 最近(やっぱりそういう年頃なのかな)、エネルギー波を出し

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