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第46回 「~について」の感覚 前置詞の使い分け

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2014年10月2日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。今回はなかなか突っ込んで解説する機会がない「前置詞」についてのお話です。有料ですが、"of, about, on, with, over" と言った前置詞のイメージを一つにまとめたイラスト付きです。どうぞご購入下さい。(著者)

【本文】

 私のレッスンを受けたり私の著書を読んだりしていただいている方は、よくご存じだと思いますが、私の英語・英会話の指導は「日本語を英語にする」というのが根幹にあります。
 いろんなところで書いちゃってますから、またその噺と飽きておられる方も多いと思いますが、これは結構重要なことで、製品の優位性で海外と闘えていた時代と違って、今は、優位性にプラスして製品の主張や物語も必要とされる時代です。英語で自分の主張や想いや物語を伝えられないと、上手く闘えないことになる。
 浅学の輩ではありますが、ちょっとでもアシストパスをフォワードの皆様におくることができればと思っています。

 と、まぁ、いまは図々しくもそんな大仰なことを考えたりもしていますが、若いころ進学塾の業務命令で英語を教えなくちゃならなくなった時は、それどころじゃない。生徒たちの成績をどうやってあげるかということを、根っこのところから考えて試行錯誤、苦心惨憺しました。おかげさまで、生徒たちの努力に支えられて結果を残せたのはよかったんですが、それでも、まだ足りないところはある。
 その一つが「前置詞」
 ちょっと重くて、レッスンの枝葉の部分で扱えないんです。

 どういうことかというと、たとえば、 40話のお題に
「先週君が注文した件についてちょっと話がしたいんだよ。たぶん、君にとっていい話だと思うんだけど、それも確かめたくてさ」
 というのがありましたが、選評をさせていただきながら、う~んとなったのが、
「注文した件について」
 投稿していただいた英文のほとんどは
about the order

with the order
になっていたんですが、選評の中で詳しく説明ができない。前置詞ってその説明を始めてしまうとそれだけで1回分のレッスンになってしまう可能性があって、誌面の関係上(レッスンでは時間配分の関係上)怖くて詳しく説明できないんですね。で、今回はそれを扱おうというわけです。
 ちょっと謎解き風に話を展開しますので、お付き合いください。

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