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ルール? 気持?「英語のそこのところ」第134回


【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2017年5月11日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 今回はNative English Speakerの友人が車を運転していて、後ろの車からあおられたという話です。10年以上前の話ですが、いろいろムカつきますね。(著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

 2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

映画や小説の台詞を英語にして英語力を鍛える「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル17」発売中!

 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト(全10巻)で、英文法を網羅しましたので、「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル7」以降では、様々なコンテンツの名言、名台詞を英語するより実践的なトレーニングをやっています。
 この「ドリル17」ではロバート・A・ハインラインの「夏への扉」 を題材に英文を作っていきます。

わがピートは、人間用のドアをあけろとせがむ場合は、遠慮会釈なくぼくの手を煩わせたが、それ以外は、ふつうこの自分用のドアを用いた。
ただし、地上に雪の積もっているあいだは、絶対に自分のドアを使おうとはしなかった。
彼は、その人間用のドアの、少なくともどれかひとつが、夏に通じているという固い 信念を持っていたのである。
夏への扉を探すのを、決して諦めようとはしなかった。
そして一九七〇年十二月三日、かくいうぼくも夏への扉を探していた。

おい兄弟。そのホタテガイをおれに押しつけないと約束すれば、おまえにホタテガイ 分のチップをやろう。
おれのほしいのは注文したものだけだ。それと受け皿とだ。

英語でどう言うのでしょうか? 
このテキストを使えば、きっちり身に付きます。お試しください。

大好評! Kindle で一日500ページビュー 「English Sentence Maker」シリーズ

 English Sentence Maker は、あなたの感情や意見、思っていることを伝えるためにはどの時制や助動詞、文法事項を選ぶべきかがわかる実践英語・英会話力養成テキストです。

 著者の主宰する英会話スクール「英語・直観力」の企業向けテキストから、契約企業様向けの問題文などを差し替え、一般向けに手直ししました。

 7年間で100名以上のビジネスピープルを単独での海外出張や海外赴任ができるスキルを持った国際ビジネスピープルにした実績があります。

 ぜひ、この実績あるテキストを完全マスターしていただき、世界を相手にビックディールを成し遂げ、人生を愉しんでください。このテキストはその扉を開くカギになります。

 実践英語・英会話力養成テキストEnglish Sentence Maker は、3つの特色を持っています。

 ひとつ目は、能動的な学習だということ。
 English Sentence Maker は書き込み式のテキストです。各Lesson ごとの解説を読み、そのあとに掲載されている日本文をご自身のノートもしくはkindle のノートブックなどに英語にして書き入れてください。その際に、知らない単語は調べたりせずに、日本語のまま英語の文の位置においてください。そうすることで、知っている単語、知らない単語を区別し、身に着けるべき単語を浮かび上がらせることが出来ます。

 ふたつ目は、どの文法事項を使うかの判断基準を身に着けられるということ。
 小・中・高校と長い間英語を学ぶために、多くに人々は英語の現在形、過去形などの文法事項を知っています。しかし、残念ながら、その文法事項をどういう場合に使えばよいかという判断基準を身に着けていません。

 たとえば、ここ何ヶ月かフットボールに夢中になっているということを伝えたい場合に使うべき時制は、現在形でしょうか? それとも現在進行形でしょうか? 迷われると思います。
 この知ってはいるけれども使い方に迷ってしまう文法事項を使う判断基準を各Lesson ごとの解説でくわしく説明しています。それを理解することで、英語を使う際に十全にあなたの感情や意見、思っていることを伝えることが出来るようになります。

 みっつ目は、英語を英語で考えることが出来るようになるということ。
 English Sentence Maker は日本語を英語にしていくことで、英語を習得していくテキストです。しかも、どういうときに、どういうことを言いたいときに、どの文法事項を使えばよいかという判断基準が出来ていくために、日本語の文字面を英語に移していくのではなく、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを英語にするというスキルを身に着けることが出来ます。頭の中のイメージから英語を作ることが出来るということは、そこに日本語は介在しません。つまり、英語を英語で考えることが出来るようになるのです。

具体的には、

私は彼が来るだろうことを知っていた。

という日本語を英語にする際には、日本語の文字面を英語に移していくと、

I knew that he will come.

と、しがちです。「知っていた」なのでknew、「来るだろう」なのでwill comeというわけです。
 しかし、よく考えてください。「彼が来るだろう」というのは、「私が知っていた」過去の時点のことです。であれば、「彼が来るだろう」と書いてあっても、過去から見た未来のwould を使って、would come としなければなりません。日本語をその字面のまま英語にしてはいけないのです。しかし、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを、判断基準をもって英語にすることが出来れば、問題はなくなります。頭の中に時の流れのイメージがあるために、

I knew that he would come.

という英文が難なく作れるようになります。 英文作成力や速読力を付けたいと思っておられる方ぜひ、手に取ってみてください。必ず、英語・英会話が出来るようになります。

☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。

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【本文】

 ゴールデンウィークが終わりましたね。今年のゴールデンウィークは2日間有休をとることができれば、4月の29日から5月7日までと9日間のお休みにできたので、みなさん、結構、遠出することもできたのではないでしょうか。9日あればヨーロッパにも行けますし、普段近場のアジアやハワイで我慢している方も愉しんで来られたことだと思います。
 そういう私はゴールデンウィークもヨーロッパも関係なしで、仕事していまして、今日は大森、明日は御茶ノ水、その次の日は市ヶ谷と都内でのお座敷にお呼ばれしては、英語のないことないこと、哲学のないことないことを話させていただいたりしています。そのほかの時間は部屋に篭ってもっぱら原稿書き。好きなことを仕事にさせていただいているんですから、休むだなんてちょっともったいないって思っちゃう。自分では怠け者のつもりなんですが、意外に働き者なのかも? なんて自己認識を改めた方がいいのかもしれません(笑) いや、単純に出不精(デブ性ではない)なだけなんですが。

 今ではそういうわけで、大型連休といえどもまるでイベントがない私ですが、さすがに社会人の初めの10年ぐらいはいろいろ出かけていました。しかも、車を使って観光したりする。ちょっとこう書いているとなんだかレジャー(笑)っぽくて恥かしくなってきちゃいますが、新幹線で三島まで行ってそこからレンタカーを借りて富士スピードウェイにカーレースを観に行ったり、中央線で山梨の小淵沢まで行ってレンタカーで温泉巡りなんてやり方で愉しんでました。東京にいると気がつかないですが、公共交通機関の網目が粗いところでは、やっぱり車があると便利なんですよね。で、レンタカーを借りてドライヴも愉しんじゃえというわけです。
 その頃は、プライヴェートや仕事がらみで月に10回ぐらいはステアリングを握っていて、免許もとってすぐでしたから自分で言うのもなんですが、結構車を動かせた方だと思います。縦列駐車なんかも、教習所で教わったリアウィンドウのどこに駐車スペースのどの角を持ってくればいいかなんていうマニュアルが頭に入っていて一発で決めてましたね。今はもうぜんぜんどこを見ればいいかもわからなくなってしまってますけど。というか、きちんと真っ直ぐ走らせるのも心許ない(笑)
 そういうわけで、やっぱり国内旅行・国内観光をする際にはやっぱり車があると便利なことは間違いなくて、それは日本に住んでいるNative English speaker にとっても一緒で、ちょっと長く日本にいるNative English speaker だと昔の私と同じようにレンタカーを借りて観光に繰り出す連中はけっこういたりします。今回は、そんなNative English speaker から聞いた話です。

「ねぇ、徳さん?」
「なにさ?」
 徳田の正面に座ったDidoが話しかけた。オフィスの近所のハワイアンレストランでのことだ。徳田はロコモコを口に運ぶ手を止めてDidoを見た。
「おれ、休みの間、車借りて下田に行ったんだけどね」
「ええ! Dido、そんな事するの?」
 徳田の隣に座っているりっちゃんが黄色い声を上げてDidoに食いつく。
「デート? デート?」
 りっちゃんのワクワク質問にDidoの頬がピンクから赤に染まる。大男で強面のDidoだがこういうところは可愛いのだ。
「で、車でデートしたわけだ。Didoは。ゴールデンウィークに下田で」
「いいすねっ。おれなんかずっと仕事っすよ」
「それはお前が自分でそうシフトを組んだんだろ?」
 口を挟んできたケンジに徳田が茶々を入れる。
「あっ、そうでした。でも、Dido、ちゃんと運転席に座れた?」
 ケンジはDidoの雄大な腹を見ていらぬことをいう。
 Didoはちょっとムッとした顔をしたが、冗談で返した。
「Kenji, Don’t take the piss!」
「え? なに?」
 意味の取れなかったケンジがDidoに訊き返す。Didoは紙ナプキンにそれを書いてケンジに渡した。
「え? これ、どういう意味?」
「自分で調べな」
 Didoに言われて、ケンジがスマホをとりだす。これでケンジから邪魔が入ることはなくなるわけだ。Didoがよく使うケンジ封じの手段だった。
 飼い犬よろしく遊び道具を与えられたケンジを苦笑しながら徳田はDidoに先を促す。
「で、下田のデートはどうだったの?」
「いや、それはどうでもいいんだよ」
「Didoの恋バナ、なかなか興味深いが」
「徳さんにもなにか遊び道具あげようか?」
「にゃあ」
 徳田はネコになって首を振った。
「東京から車借りて行ったんだけどさ、途中でよくわからないサインをよくもらったんだよね」
「にゃあ」
 それはもういい、という風にDidoが手を振った。
「サイン?」
 りっちゃんが首をかしげる。
「うん、ほら、首都高の合流って大変だろ?」
「うん。そう。あたしなんてペーパードライヴァだから、ほんと困っちゃう。この前なんて右から合流しなくちゃならなくて、大汗かいちゃった」
「そう、左から合流じゃないところがあるよなぁ、首都高」
 徳田もうなずく。
「だから、そういう時は止まってあげて、入れてあげてたんだよ」
「おや? いまさらいい人アピール?」
「やだ、徳さん。彼女が横にいるからですよ。そこは締めとかないとねぇ」
 りっちゃんの断定にDidoは苦笑する。
「で、いい人のふりしてなんかあったの?」
「それがさ、ほとんどの車がそのあとハザードランプを2、3回点滅させるんだ。でも、止まらずにそのまま走っていっちゃう」
「はぁ?」
 至極普通のことに徳田は首をかしげた。
「なんなんでしょうね? それ」
 りっちゃんの発言に徳田がえっと横を見る。
「りっちゃんも知らないの? それはありがとうってサインだよ。車線に入れてくれてありがとうってこと」
「あ、そういうことなのかぁ。それって、一般的なマナー?」
「そうだねぇ、どこまで浸透しているかはわからないけど、よく知られたマナーだと思うよ。りっちゃんは知らなかったみたいだけどさ」
「なるほど。それならわかる。でも、ハザードランプを点滅させるのって、アメリカでは純粋に止まりますの合図なんだよね。だから、始めはビビッてさ。前に入ったのにすぐ止まるのかって」
 徳田は笑った。Didoは進入してきた車が故障でもしたのかと思ったのだろう。
「そりゃ災難だったね。でも、アメリカではそういう時どうするの?」
「ああ、そういう時は、手を上げて振るぐらいだね。それで通じるよ」
「ふ~ん」

「そう考えると、あたしみたいなペーパードライヴァ、どこかでマナーを憶えないといけないんだなぁ。知らないうちに失礼なことしてるって怖い」
「そうなんだよ。おれも日本の教習所で免許取ったわけじゃないから、ちょっと困っちゃうな。徳さん、そういうことが書いてあるサイトってあるのかな?」
「どうだろうねぇ?」
 徳田も首をかしげる。マナーといっても地域性もあるし、一概にこれとは言えないのだ。徳田自身は東京で免許をとったので、福岡のマナーとなると自信がない。
「おれ、ほんとに困っててさ」
「はあ?」
 いつも強気のDidoがいつになく弱気なので徳田は首をかしげる。
「実は、おれが車線に入った時、後ろからすごいハイビームで煽られたんだよね。昼間なのにライトつけて変だなと思ってたら、そのうえすごい車間距離つめてきたりしてさ。人間同士なら大したことないけど、車同士だと事故につながるじゃん、しかも、おれ『外人』だから警察から良くは見られないだろうし」
「はぁぁ」
 Didoの懇願を聞いて徳田の口からさっきとは別種のため息が漏れた。一体全体どうなってるのかというため息だった。

 私のため息の理由、お判りになるでしょうか?
 なんと申しますか、完全にマナーとして確立していないかもしれない「ありがとうハザード」を出さないからって、ムカついて相手を攻撃するってどうなんでしょうかねぇ。

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