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time? the time? (時の過ぎ行くままに? 改題) 「英語のそこのところ」第55回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2014年12月11日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 本当に冠詞は難しいですね。(著者)

【本文】

 もう今年もあと20日、なんだか時間が過ぎるのが速いですね。
 このまえ
「暑い、冷えた白ワインが美味い。夏のシャブリと生牡蠣は最高!」
なんて言っていたのに、もう
「寒い、ぬる熱燗が美味い。冬の高清水と生牡蠣は最高!」
なんて言い始めています。え?、どっちも牡蠣なんですか? なんて言われそうですが、好物でして。この頃は、海外産の夏に食べる牡蠣もメジャーになってきていて、年中食べられて嬉しいところです。昔は、海外の牡蠣は変に高級店でしか食べられませんでしたが、いまは大衆店でも美味しいところがあるんです。ウィスキーをちょっと垂らして食べたりして、これまた美味い。機会があれば、皆様とご一緒したいですね。

 でも、この時期はやはり鍋でしょうか。私は料理ができないので、コンビニのよせ鍋に牡蠣を放り込んでグツグツ煮て、はい出来上がり。それをつつきながら日本酒をちびちび。一緒に呑んでくれる人もいないので、テレビをつけて呑むわけですが、12月はBS放送はなんだか名画座化していて昔の有名な映画をどんどん放送してくれている。あまり映画を観ないほうの私も、さすがに懐かしい映画があって、思わずチャンネルを合わせてしまいます。

「時をかける少女」とか、
「トップ・ガン」とか、
「ブレードランナー」、
「2001年 宇宙の旅」、
「ブラック・レイン」、
「ノッティングヒルの恋人たち」、
「ローマの休日」、
こう並べてみると私の映画の好みが判りますね。恋愛ものかアクションものという気がします(あ、「2001年 宇宙の旅」は別格です。なにせアーサー・C・クラークですから)。
 そういう映画の中でも、アクションも恋愛も入っている映画と言えば、『カサブランカ』でしょうか。あまりに有名で、また、今から観るとちょっとメロドラマ過ぎるきらいはありますが、初めて見たものを親と思うひな鳥みたいなもので、
ハンフリー・ボガード、かっこいい!
イングリット・バーグマン、超綺麗!
と子供ながらに思って観ていた気持がよみがえる。

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 とくに、ハンフリー・ボガードの目立たないように人を助けてやる優しさ(カジノで困っている夫婦をわざと勝たせてあげるとか)は、こうありたいなぁと思うかっこ良さ。やってみたいところですが、ついついおれが助けてやったんだぞ、と相手に言ってしまって、全然かっこ良くない。押し付けがましい優しさになっちゃいます(笑)

 そういうわけで、このあいだ『カサブランカ』をやっているのを久しぶりに見たのですが、ん? っと思ってしまった。
 あの有名な主題歌の「時の過ぎ行くままに」が流れて来て、いい歌だなぁと思いながら聞いていたんですが、あれ? よく考えると意味が違うような気がする。歌詞の内容も、「時の過ぎ行くままに」という訳にはあわないし。
 ご存知の方も多いので、詳しくは話しませんが、私が英語・英会話ができるようになったのは、30代中盤からです。よく考えると英語ができるようになってから初めて『カサブランカ』を観たんですね。
 それで、気が付いたわけですが、具体的に何に気が付いたかというと、冠詞なんです。

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