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退けないこともある「英語のそこのところ」第66回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2015年3月5日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 以前いた会社では、たくさんのNative English Speakerの講師がいましてねぇ。彼らとの交渉は、ええ、そりゃ大変でした(笑)(著者)

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【本文】

 このあいだ、異業種交流会なるものに行ってきました。わたしの会社(生意気!)の税務・経理を頼んでいる税理士さんの主宰の勉強会で、テーマは人材と採用、わたしにはあまり関係ない話題だったのですが、今年はいろいろ動くことにしているので、ちょっと見学気分で参加です。

 いろいろなレクチャーがあって、そのあとお決まりの懇親会になる。結局ここが目当てでみなさん来られていて、手っ取り早く言えば営業をお互いにするわけです。
 こういうのはあまり得意ではないので、名刺交換させていただいて、英会話を教えていたり、Native English Speakerをマネージメントしてきた出来事をエッセイにして発表してたりします、という話をするぐらい。まあ、積極的な営業には至りません。ご興味があれば、どうぞというぐらい。でも、この前は驚きました。「英語のそこのところ」を講読していただいている方がいて、ああ、あなたが徳田さんですか、って変な感心のされ方をする。
「外国人のマネージメントなんて、大変だったでしょう。笑いながら読んでるけど、理屈理屈で、説明しないといけないなんて、とてもじゃないです」
 とのこと。
 まあ、大変は大変でしたけど、わたし自身が理屈っぽいですからね。驚くことは多かったですが、そんなに大変だと感じたことはありませんでした。むしろ面白がってたくらいで。
 いけませんねぇ、生来の面白がり屋なんです。なんでも、巫山戯たり面白い方向に考えちゃう。たまに場所をわきまえずに、不謹慎この上ない発言をして、相手から睨まれたりします。水戸で「斉彬公は、地方の……」。おっと、これ以上はやめておきましょう。この手のタブーに触れる発言は、呑みながらでも(笑)

 でも、なかには面白がれない、むっと来ることもある。
「英そこ」で書いてきたような性質(たち)のいい「論理的」な主張をするNative English Speakerばかりではないんです。自分の主張を、自分の正しさを通すためにいろいろな詐術を使うNative English Speakerもいる。一番性質の悪いのは、論理的なようでいて、論理的でないことを言って主張を通そうとする輩。まったく面白がれません。日本人の議論する力が弱いことに付け入っているとしか思えない。
 幸いわたしは大学で現代哲学を修めましたので、相手の主張が論理的でないことを指摘してやり合えましたが、普通、大学ではそんなことは教えません。そろそろこういう戦いを知っていただくのも良いかと思いまして、これからは、そういうお話もご披露したいと思います。
 たとえば、こんなことがありました。

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