SSS(全国大学生満足度調査®)コラムVol.3「在学生満足度の“基準”とは?」
SSS(全国大学生満足度調査®)とは
弊社では2023年3月に、全国の大学生13,081人に対し、通学中の大学の満足度及びその満足度に影響している“こと”を把握するために全27問の SSS(全国大学生満足度調査®)を実施いたしました。
本調査で得られたことについて詳しく知りたいという声を多くいただき、
定期的に調査トピックスのコラムを弊社ホームページで配信しています。
そのコラムを再掲します。
※本調査結果データの二次利用は全て禁止とさせていただきます。
二次利用ご希望の際は、株式会社マインドシェア(edu-info@mindshare.co.jp)までお問合せください。
Vol.1「満足度調査の重要性」
Vol.2「居場所の存在」
というテーマでした。
実際に、満足度調査を実施・分析する際、「結果をどう捉えたらよいのか」とお悩みの声を頂くことがあります。以前から調査を実施している大学の場合、「過去からの時系列比較」との手法がありますが、別途「他大学との比較」の視点もあります。後者の場合、全国の大学の在学生満足度の平均が1つの基準になります。
今回は、「満足度の基準」をテーマにお話しします。
“満足度の基準”は?
満足度調査を実施しており、自学の学生の大まかな傾向は把握しているものの、「他大学との比較ができていない」「高い・低い、の評価がしづらい」とのお悩みの声をいただくことがあります。マインドシェアでは全国を対象にした大規模調査(有効回答:13,081名)の結果を踏まえ、学生の“在学生満足度の基準“を明らかにしました。
通っている大学に対する総合満足度は?
その結果、自学に対する総合的な満足度は「満足・やや満足」を合わせると、74%。一方、「不満・やや不満」を合わせると、9%になりました。
4人中3人が満足という結果です。これまで多くの大学に対して在学生満足度調査のサポートをさせていただき、多くの関係者のお話を伺ってきた経験を踏まえると、この結果は弊社の実績及び感覚値と一致した数値といえます。
では、各大学が「74%を満足度の目安」として考えればよいか?とのご質問に対しては、一概にYESとはいえません。それは、74%という数値の背景には、様々な属性・立場の学生の意見が含有されているからです。
各大学の「属性」や「環境」を踏まえた現状把握が不可欠
在学生満足度の評価・分析には、様々な変数を考慮する必要があります。
満足度を左右する変数(例)
大学規模
大学の所在地
他者推奨(自学を高校生に薦めたいか)
学年
学部系統
偏差値
上のような変数が総合満足度と一定の関係性の傾向がみられる結果となりました。
本日は、その一部をご紹介します。
大学入学前の「志望意識の強さ」と「総合満足度」
大学入学前(受験期)の志望意識の強さを「A:志望大学に絶対行きたかった」~「B:どんな大学・学部学科でもよかった」の5つの選択肢から近いものを1つ選ぶ形式を採用。中間の回答を除外し、「志望意識が強い」「志望意識が弱い」に分け分析を行いました。
「今通う大学へ入学前の志望順位」と「総合満足度」
志望順位を「第1志望」「第2志望以下」の2つの選択肢から1つ選ぶ形式を採用。それぞれに分け分析を行いました。
上下2つのグラフを見比べると、満足度との関係は、「志望順位」以上に「志望意識の強さ」が強い結果となりました。学生の“入学前志望意識をいかに高めるか“が重要であるといえます。志望意識の高い学生をどのように増やし、入学まで導くか、という具体的なアプローチは決して簡単ではありませんが、(たとえ第一志望でなくても)入学前の段階から志望意識を高める大学の取り組み自体が、将来入学する可能性のある学生の今後4年間の満足度向上にも繋がります。
弊社では、他にも、大学規模・学年・学校区分など、様々な変数や変数の掛け合わせでの満足度の分析もしております。
「自学外」においても定点的な満足度の把握を
満足度は外部環境の変化(コロナ等)や大学側の各種取り組み等によって変化します。また、定点的に調査を実施し、客観的かつ専門的な分析を加えることで、大学運営に関する様々なヒントが得られます。個別の聴取項目は、社会トレンドや大学側の変化(ハード・ソフト両面)によって、追加・変更することが多々ありますが、総合的な満足度は、毎年同時期に同様の形式で調査をすることで、貴学の現状把握のベースになります。
加えて、自学と同環境(競合)大学の学生のデータとの比較・分析によって、客観的な自学の立ち位置を把握できます。
“他大学との比較も踏まえて自学の満足度・立ち位置を把握し、アクションプランを最適化することで、具体的な成果創出に繋げる。”
このような取り組みに関心がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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