同人誌を捨てた日
一つの節目かな、と思い、タイムスタンプ代わりに書きます。
誤解のないように言うなら「捨て始めた日」の方が正確。本棚に入れてある、手に取りやすい位置の同人誌から選別を始め、まだ持っておきたいもの以外を捨てた。
この本棚は縦2列、横6段。長さで言えば幅70cm、高さ180cmほどだ。今回整理したのは2区画。計ってはいないが、30分程度の作業だったと思う。ただ、我が家の同人誌はこの本棚以外にも、計2畳分くらいの押し入れを埋めている分と、腰くらいの高さがあるベッドの下を埋めている分と、それでも収まらなくてA4ケースに入れて積まれている分がある。今回捨てたのは全体量で言えばほんのわずかだ。
初めて同人誌を買ったのはいつだったか。多分、2006年前後辺りにコミケに行った時に、いとうのいぢさん(富士壺機械)に2時間ほど並んで買ったものが最初だと思う。当時はラノベが活況で、ハルヒやシャナを読んでいたし、原画担当されていたアダルトゲームもやっていた。初参加はもう数年前なのだけど、しばらくは企業ブースとコスプレエリアにしか行っていなかったから、コミケ参加歴と同人誌購買歴はイコールではない。学生の身分では使える軍資金にも限りがあっただろうから、物欲に任せて欲しいものをほしいままに買い始めたのはきっと就職してからなんだろう。
捨てるに至った理由はシンプルで、置く場所がないからだ。捨て始めたと言っている今現在も、昔ほどのペースではないが買っている。ふとした時に読みたいな、とも思うのだけど、収納してしまっては読めないし、出そうものなら部屋が埋まってしまう。本末転倒だな、と感じるようになったし、単純に勿体なかった。実際、もう読まないだろう、という同人誌もあるのに、それによって読みたい同人誌が読みにくいのは良くない。
捨てられなかった理由は、同人誌というものに何となく特別感を持っていたんだと思う。何となくだけど、同人誌からは「念」みたいなものを感じ取っている。では商業誌には「念」がないのか?と言われれば当然そんなことはないのだけど、あの薄い本から得られる「念」は独特のものだな、と思う。今でも、捨てたことに対して申し訳ない気持ちがある。ただ、いつかは捨てたり朽ちたりするものだ。ケジメみたいなものだろう。随分かかってしまった。
ただ、整理する際に自らの遍歴を辿っていく作業は、それはそれで面白いものだった。こんな事をしていると全く整理が進まないのだけど、これはこれで必要なことだと思う。ただモノを断捨離するというよりは、当時の自分の趣味を断捨離している気分だった。きちんと別れを告げると、思いの外清々しい。
今回捨てた分の数十倍は蔵書があるので、当面は週末の時間潰しに困らなさそうだ。
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