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第10回・あなたと動物の色彩の世界


出典:freepic

海から空へと続く色のグラデーション
その隙間をうめる雲
風に揺れる樹々
手で扇ぐ君の横顔
夏の日差しが見せるちょっとした贈り物

夏の日差しは厳しいですが、その時にしか見られない映えた色彩も良いものですね。
その景色を見た瞬間、暑さを忘れます。


さて、そんな色に溢れた世界ですが、ワンちゃん、猫ちゃんも人間と同じ色彩で見えているのでしょうか?


答えは NO です


人間は緑、赤、青の3色のバランスでこの世界を見ていますが、ワンちゃんや猫ちゃんは赤が見えにくいと言われています。
視力も0.3程で決して良いとは言えませんが、その代わりに動くものを的確に捕らえる動体視力が高く、人の4~6倍と言われています。
元々は暗闇で狩りをする動物達なので、色彩よりも、動体視力を優先し、視覚よりも聴覚や嗅覚を重要視したのでしょうね。


それでは、赤が見えない世界はどの様に見えるでしょうか?
こちらが比較した写真です

引用:水野麻里のデイリーブログ



意外にちゃんと見えていますよね。
個人的には肉食獣は赤色が見えている方が良いのではと思いますが、食の色彩よりも、まずは捕食する事が重要という事なんでしょうか・・
生き物により見ている色彩が違うのはとても興味深いです。
例えば、魚は青と赤の2色で、鳥は青、赤、緑、紫外線の4色も見る事ができます。
紫外線は人間は見る事が出来ない色なので、鳥は人間では感じる事すらできない色を見ているという事になります。

ちなみに鳥が見ている世界はこの様になっていると考えられています。

引用:logmiBiz

神々しさまで感じますね。
雄鳥は羽の色彩が鮮やかな事が多いですが、雌鳥の目線で見ると更に綺麗なのかと思うと、生き物の神秘を感じずにはいられません。

ちなみにカラスは人の目線で見ると、雄も雌も真っ黒ですが、鳥目線で見ると雄カラスは鮮やかな紫色、雌カラスは薄い紫色と言われています。
毎日の様に見ている真っ黒なカラスですが、実はただの黒色ではないと知ると見え方が変わります。

自分が見ているものだけが真実ではない
大切なものは見えていないだけで、案外目の前にあるのかもしれないですね。

まだまだ日差しが強い日が続きますが、そんな時はうな垂れずにぜひ顔をあげてみて下さい。
きっと鮮やかな強い日差しを感じ、暑さと眩しさで色彩どころではないでしょう。
色彩が、、とか言ってないで、早く涼しい所に避難する事をお勧めします
では皆さん、熱中症には気をつけて下さいね。

  

獣医師 野田

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