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東京オリンピック2020感想 ~残念な点編~(特にアナウンサの実況)

「よかった点編」に続き、残念な点編について。

1.開会式・閉会式のコンセプトは?

開会式・閉会式で伝えたい事が分からなかった。ジャズ?タップダンス?DJ?日本には古代からある伝統、雅楽であるとか、もっとシンプルに歴史的な魅力を見せて欲しかった。ドローンの地球は素晴らしかったが、ハイテクの見せ方を東京らしくできなかったものか?

一方、パリの予告はコンセプトがしっかり感じられた。

2.「メダル獲得」指向偏重な実況中継に失望

某TV局の卓球女子3位決定戦で「メダル獲得」だけを最大限の価値として伝えようとして叫ぶ中継に大いに失望した。本気でTV局に苦情と、これ以降の中継にそのアナウンサを使わないで欲しい、と書こうと思ったぐらいだ。もちろん、アナウンサも仕事で実況しており、オリンピックという特別な舞台を、57年ぶりの東京開催での偉業を伝えたいという部分は理解はしている。

しかしアスリートの気持ちを考えたら、あのような表現にはならないはずだ。伊藤選手は金を狙っていて、それに値する実力がある選手。準決勝で負け、失意の中でプレイに臨んだ。

オリンピックで3位となれば史上初の女子シングル・メダルとなり画期的なことかも知れないが、あと何ポイントでメダルだ、歴史的な出来事だ、みたいなことを言うだけで伊藤選手やそのプレイに対しても、相手中国選手へもリスペクトがない。案の定、伊藤選手は勝っても笑顔がなかった。その後のインタビューでの涙は、嬉し涙ではなく悔し涙だった。勝てたことはよかったけど、嬉しさは全くなかったとの後日談。そういうアスリートの気持ちも分らず、メダルのために相手にミスして欲しいかのような実況は「日本が金メダルを取れなかった時代」に起こった奇跡を報道するようなに聞こえた。

もう強くなった日本としての、落ち着いた大人の実況をしてもらいたいものた。野球の優勝について別局の中継はそういった叫びやメダルについてどうこう言うことなく、これまでに取ろうとしてやっとこの東京で取れたことをしみじみ喜ぶいい解説だった。

3.メディアはオリンピック開催に賛成なのか反対なのか?

オリンピックが始まってからも、感染者増でこのまま続けてもいいのかというメディア。始まった時点で増えてるのは、既にオリンピック前に感染してから症状が出ている数であって、オリンピックは関係なくはないだろうか?開催決定したから気が緩んだから、と言うが、それは誰のせいなのだろうか?オリンピックを開催していない他国でも同じペースで増加しているのは、デルタ株の感染力が強いからではないか?

オリンピックを開催することに決めたのだから、メディアも含めてサポートすべきだと思った。そんなに反対するのなら、「メダルを取ったニュースを当局は報道しないことにします」ぐらいのことをして欲しいのだが。

それを、開催途中で「オリンピックを続けるのですか?」と首相に質問するのはどうかと思う。

そして、オリンピックが終り、どう考えても開催してよかったと思えるのに、メディアで「やってよかったのかオリンピック」みたいな議論をしているのはどうなっているのかと思う。

終わりに

こういう状況下で、開催を無観客でも決めたことはアスリートや、中継をTVでみることができた世界の人々にとってよかったと思うし、過去になかったトライアルとして課題含めて得るところは大きかったはずで、これを今後のオリンピックに生かして欲しいと願うばかりだ。

また、メダルは至上最高の数となったことと、日本人が活躍できる競技が増えている。日本は強くなっている前提での報道の在り方も考えて欲しい。TVを見ないで、ウェブで競技だけを見るようにしている人もいた。沈黙してただ競技を見ることで伝えられることがあることをアスリートの気持ちからくみ取れる報道を期待する。

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