見出し画像

どうすれば独学で英会話が上達するか?グーグル翻訳を活用した1人でできる英会話学習法

英会話は当然ながら英語での会話の相手が必要です。英語ネイティブスピーカーと会話したからと言って劇的に英語リスニング力やスピーキング力が向上する訳でもなく、1人で取り組む基礎的な英会話学習も重要となります。
本稿では、AI機械翻訳アプリを活用した独学での英会話上達法について解説したいと思います。

英音研リスニング学習の詳細は英音研公式サイトご覧ください。
英語リスニング専門教材・オンライン学習『英音研』公式サイト (eionken.co.jp)

英会話力を上達させるオーソドックスな手段
伝統的な英会話力上達手段は、英会話スクールに通うことです。そこには英語ネイティブスピーカーの講師もいて日本にいながら本格的な英会話のレッスンを受けることができます。しかし、レッスン料金は非常に高額で月額数万円ほどかかるケースも多いようです。

昨今はインターネットの進化・普及によりオンライン英会話のサービスが提供され、安価に英語ネイティブスピーカーから英会話レッスンを受けられるようになりました。

しかし、英会話スクール・オンライン英会話レッスンとも、英語ネイティブスピーカーとの会話慣れをする機会としては非常に良いと評価できますが、英語ネイティブスピーカーと会話したからと言って劇的に英語リスニング力が向上する訳でもなく、英語スピーキングに関しても限られた表現方法の中で話をするだけでマンネリ化し、進歩が感じられないとする声もよく聞かれます。



独学で英会話力を上達させる学習方法
英会話スクールやオンライン英会話レッスンの受講機会を除いて、独学で英会話力を上達させるための学習項目としては以下のものが挙げられます。

・英会話における英語リスニングと英語スピーキング両方の共通基盤

  • 英単語・英熟語力

  • 英文法力

・英会話における英語リスニングから英語スピーキングへのプロセス遂行力

これらの項目を以下で解説します。


英会話における英単語・英熟語力
英語リスニングのための英単語・英熟語記憶学習
会話相手が英語ネイティブスピーカーだとすると、彼らは自分の英単語・英熟語力の範囲で話をしてくるので、それを聞き取れるようにするにはそこそこの単語・英熟語記憶学習量が必要となります。
ただし、専門科目の学習で忙しい大学生や大学院生が英単語・英熟語の記憶学習に多大な時間を投入することは難しいので、自分が英会話に必要な専門分野に絞って英単語・英熟語力をつけるということが現実的な英単語・英熟語記憶学習戦略として必要だと思います。そしてそれ以外はあきらめるという割り切りが必要です。
担当業務が多忙な社会人も同様で自分が英会話に必要な担当業務分野に絞って英単語・英熟語力をつけるということが現実的な英単語・英熟語記憶学習戦略として必要だと思います。
仕事や家事で忙しい人たちにとって、自分の趣味について英会話したい場合は、その趣味の分野に絞って英単語・英熟語力をつけるということが現実的な英単語・英熟語記憶学習戦略として必要だと思います。

英語スピーキングのための英単語・英熟語学習
英語スピーキングは自分が話をする立場なので、大量の英単語・英熟語記憶学習は必要はなく、自分が使える範囲の優しい英単語・英熟語を使えばよく、英単語・英熟語記憶学習の負荷は英語リスニングより楽になります。
この場合も専門科目の学習で忙しい大学生や大学院生は自分の専門分野の英単語・英熟語、担当業務で多忙な社会人は自分の担当業務分野の英単語・英熟語、仕事や家事で忙しいものの趣味を語りたい方は趣味の分野の英単語・英熟語に絞って記憶学習をすることが必要です。

英会話における英単語・英熟語力
このように英会話における英語リスニングと英語スピーキング両方の共通基盤としての英単語・英熟語力としては、専門科目の学習で忙しい大学生や大学院生は自分の専門分野の英単語・英熟語、担当業務で多忙な社会人は自分の担当業務分野の英単語・英熟語、仕事や家事で忙しいものの趣味を語りたい方は趣味の分野の英単語・英熟語に絞って記憶学習をすることがまずは必要です。さらに上を狙うなら、会話相手が英語ネイティブスピーカーの場合、彼らは自分の英単語・英熟語力の範囲で話してくるので、それを聞き取れるようにするにはそこそこの量の英単語・英熟語の記憶学習が必要となります。
なお、英会話における英語リスニングと英語スピーキング力の向上のみを考えた場合、英単語のスペリング記憶学習は不要となり、その面では非常に英単語記憶学習は楽になります。

英単語・英熟語記憶学習については、英語リスニングの観点からですが、別のブログ「英語リスニングにとって英単語学習はどう進めるべきか?」と「英語リスニングにとって英熟語学習はどう進めるべきか?」で解説していますので、そちらを参照してください。
英語リスニングにとって英単語学習はどう進めるべきか? 英単語記憶学習は地道にやるしかないです。 (eionken.co.jp)

英語リスニングにとって英熟語学習はどう進めるべきか? 記憶学習が必須だが、音声付きの良い英熟語教材が少ないと言う問題があります。 (eionken.co.jp)


英会話における英文法力
英語リスニングのための英文法学習
英語リスニングにおける英文法学習は相手が英語で話したことを理解できる範囲の知識でよいので、学習負荷としては楽なものとなります。会話相手がネイティブスピーカーの場合多様な表現をする可能性があるので、ある程度広い範囲の学習は必要ですが、細かに表現ルールを記憶する必要はありません。

英語スピーキングのための英文法学習
他方、英語スピーキングは自分で英文を組み立てる必要があるので、英文法学習は非常に重要なものとなります。しかし英語スピーキングは自分が話せる易しいレベルでの英文法でよいため、高度で複雑すぎたり、例外的な表現ルールまでを細かく学習することは不要となります。

英会話における英文法力
このように英会話における英語リスニングと英語スピーキング両方の共通基盤として英文法力としては、専門科目の学習で忙しい大学生や大学院生、担当業務で多忙な社会人、仕事や家事で忙しいものの趣味を語りたい方とも、実用英文法学習項目をある程度ざっと学習しつつ、自分が使うであろう基礎的な表現ルールはしっかりと身に着けるという学習戦略で良いと思います。
大学入試におけるあまりに細かな例外を記憶したりする英文法学習は不要です。

英文法学習については、英語リスニングの観点からですが、別のブログ「英語リスニングにとって英文法はどう必要なのか?」で解説していますので、そちらを参照してください。
英語リスニングにとって英文法はどう必要なのか?リスニングにとって英文法の比重はそれほど重くないですが、英語スピーキングには実用英文法は必須です。 (eionken.co.jp)



英語リスニングから英語スピーキングへの英会話プロセス
英会話は一般的には以下のようなプロセスと考えられます。

(1)会話相手の話を聞き取る
(2)聞き取った内容はどういうことか考察する
(3)考察した内容から自分が言いたいことを英語化する
(4)英語化した内容を発声する

上記の英語リスニングから英語スピーキングへの英会話プロセスごとに解説したいと思います。
相手の話を聞き取る
英会話にとって英語スピーキング力より英語リスニング力の方が重要となります。英会話は相手の話した内容が聞き取れないと返事のしようがありません。何とか相手の話を聞き取ることができればたどたどしい英語でも相手はこちらの話を理解してくれるからです。
英語リスニング力強化のための学習方法については別ブログで解説していますので、そちらを参照願います。
英語が聞き取れる:英語リスニングにおける「英音の認識」と「意味の理解」 (eionken.co.jp)

聞き取った内容はどういうことか考察
会議の場合、会話はいくつかのパターンがあります。
・相手の意見に対して質問する。
・相手の意見に対して意見を言う。
・相手の質問に対して回答する。
・相手の質問に対して質問する。

どのような意見を言い、どのような質問をするかは、人の話を分析する技術、説明する技術や質問する技術がありますので、英語の学習とは別にそれらをまずは学習することが必要です。ビジネス関連書籍などで解説書が出版されていますので、そちらを参照して頂ければと思います。

ただ、英語スピーキングの観点からは、相手の発言内容を英語のまま分析できるか、日本語に置き換えて分析するかが大きな分岐点となります。
英語のまま相手の発言内容を分析できる人は、そのまま英語で意見や質問が考えられるので英語スピーキング力は非常に高いと言えます。
他方、大多数の日本人は相手の英語での発言内容を日本語に置き換えて分析するため、意見や質問も日本語で意見や質問を考えることになり、その日本語を頭の中で英作文すると言うプロセスが必要となるため、スピーディな発言が難しくなります。

考察した内容から自分が言いたいことを英語化
英語スピーキングの観点からは、どのような意見を言い、どのような質問をするかを、日本語で考えるか、英語で考えることができるのかが大きな分岐点となります。
英語で意見や質問が考えられるような人は、それをそのまま口に出せばよいので英語スピーキング力は非常に高いと言えます。
他方、大多数の日本人は日本語で意見や質問を考えるため、その日本語を頭の中で英作文すると言うプロセスが必要となり、スピーディな発言が難しくなります。
多くの日本人は発言コンテンツを日本語で考えるため、それを頭の中で日本語から英語に英作文することになりますが、日本語発言コンテンツを英語化する力不足のため、相手が発言を終えても、瞬発的に発言することが難しくなります。

日本語発言コンテンツを英語化する力不足の原因としては、英単語・英熟語力の不足、英文法力の不足、英語表現力の不足など考えられます。

世の中に出回っている英会話教材には、疑問文、現在完了、仮定法など英文法の学習項目ごと、喜怒哀楽などの感情や「~してくれますか?」「~にしましょう」などの英語表現パターンごと、海外旅行での入国手続きや売店での買い物などの英語活用シーンごとなどのパターンプラクティスで、発言コンテンツを英語化するスキルを身に着けさせようとするものが非常に多くあります。

筆者もそれらのパターンの英会話教材で学習しましたが、すらすらと英語化して話をすることはできませんでした。それらの学習パターンが十分に身についていないからだと言われればそれまでですが、学習パターンを現実の場面に適用し、適切な英単語・英熟語に入れ替えて適切に表現することが現実的には難しいからだと考えています。
それを克服するための学習方法を以下で説明したいと思います。

現実的な目標設定
母国語が日本語である日本人に「あなたは日本語の発言をどのようなメカニズムで発していますか?」と質問をしたら、多くの人が「思いついたことを口に出すだけ」と答えることでしょう。これが母国語というものです。

他方、これが日本人にとって外国語である英語でとなると、日本語で発言内容を考えて、頭の中で日本語から英語に英作文をして、それを口に出すというプロセスを経ることがとても多いと思います。この状態から英語が母国語の人たちのように「英語で思いついたことを口に出すだけ」という状態に至るのは相当困難な道のりだと考えられます。

経営学で「戦略」の定義の1つに「捨てること」というものがあります。人・物・金の経営資源が限られている中で、あれこれ広く浅く取り組んでは企業競争に負けることになるので、ある物事に経営資源を集中配分し、それ以外の分野はあきらめるという訳です。
英語スピーキング学習戦略も同様です。

専門科目の勉強で忙しい大学生や大学院生、担当業務で超多忙な社会人にとって英語スピーキングだけに多くの時間を割くことはできません。
そのためにはどんなことにでも「英語で思いついたことを口に出すだけ」という状況を目指すのはあきらめ、特定分野に絞ってスラスラ英語で話せるようにすることを目指す訳です。
大学生や大学院生だと専門分野、社会人だと担当分野、一般の人だと趣味などにフォーカスすることが考えられます。

特定分野に絞ってスラスラ英語で話せるようにするための学習方法
パターンプラクティスの英会話教材で英語スピーキング力が思ったように身につかない大きな原因は、英会話教材に記載されている英語会話例文が自分事ではなく、一般論や他人事であることだと考えています。銀行に勤めている人が、製造業の製品輸出交渉に関するビジネス英会話を学習しても使える機会はかなり少ないと考えられます。
それではどうすれば良いのでしょうか?

業務で作成・送信した日本語電子メールコンテンツ
社会人の場合、担当業務において自分で作成・送信した日本語電子メールのコンテンツが、一番有益な英語スピーキング教材になると考えています。担当業務で作成・送信した電子メールコンテンツは業務で誰かに何かを伝える必要性があり、リアリティに溢れたものがほとんどです。しかも、自分向けの英語スピーキング用のコンテンツを別途新たに時間と労力をかけて新作を作る必要はなく、すでにそこあるものです。

AI機械翻訳アプリの活用
一昔前だと、英語の電子メールを作成・送信するのに、自力で英作文をする必要があるため、かなり時間がかかりました。

しかし、現在はAI機械翻訳アプリが無料で簡単につかえるようになり、状況が一変しました。以前、機械翻訳アプリは翻訳精度が低く実用に耐えないものでしたが、昨今のGoogle翻訳やDeepLなどの人工知能を活用した機械翻訳アプリの翻訳精度はそこそこ高いものがあり、実用に耐えるものとなっています。

そこで、業務で作成・送信した日本語の電子メールコンテンツをGoogle翻訳やDeepLなどのAI機械翻訳アプリにインプットして英語に翻訳します。翻訳英語が気にいらないところは少し自分で修正します。そして電子メールの日本語文と翻訳した英語文をマイクロソフトExcelに1行ずつ左列に日本語、右列にその英語翻訳文を日英1文ずつインプットすると自分オリジナルの日英対訳英語スピーキング教材が出来上がります。

ちなみに機械翻訳アプリの翻訳精度を上げるプチ工夫としては、機械翻訳アプリにインプットする日本語文に主語や目的語などを追記したり、一文を長くしないで、短く区切って表現することが考えられます。日本人向けの電子メール表現の際に主語や目的語を補いすぎると不自然な日本語表現となってしまいますので、機械翻訳アプリにインプットする直前に少し補記するのが良いと思います。

これらに関しては、別のブログ「どうやれば1人で英語スピーキングを独学で伸ばすことができるのか? 多忙な大学生・社会人による英語スピーキング学習戦略とは」でも解説していますので、そちらを参照してください。
どうやれば1人で英語スピーキングを独学で伸ばすことができるのか? 多忙な大学生・社会人による英語スピーキング学習戦略とは (eionken.co.jp)

英語化した内容を発声
自分はちゃんとした英語で話しているつもりでも、会議に参加している英語ネイティブスピーカーに理解されず、聞き直された経験がある人も多いと思います。このような事が何回かあると自分の英語発音に自信をなくし、海外Web会議に参加しても積極的に発言したくないという事態に陥ることもあります。

英語発音力不足の原因としては、息の出し方などの英語発声の主な要因と、英単語1つ1つなど英語発音対象レベルにおいて、日本語発声特性を使ってしまい、英語発声特性で発音できていないことにあると考えています。

英語発声特性としては、下記のような「英語発声要素」「英語発音対象レベル」の2つのカテゴリーが複合的に組み合わされていて、英音発声をする必要があります。

英語発声の主な要素
・息の出し方・流し方
・声帯の使い方
・舌・歯・唇の使い方
・口の開き方・閉じ方

英語発音対象レベル
・アルファベット1文字1文字
・英単語1つ1つ
・英文1文

これらに関しては、別のブログ「どうすれば英語スピーキングでの発音が上達するのか?」で解説していますので、そちらを参照してください。
どうすれば英語スピーキングでの発音が上達するのか? (eionken.co.jp)



まとめ
英会話において、相手の話した内容がすっきり理解でき、それに対して自分の言いたいことがスラスラ話せることが理想ではありますが、日本育ちで母国語が日本語である日本人にとって外国語である英語でそのようなレベルまで達するのは非常に難しいものがあります。

専門科目の勉強で忙しい大学生や大学院生、担当業務で超多忙な社会人にとって英会話の学習ばかりに時間を割く訳にはいきません。

そのため英会話学習戦略としては、自分が必要とする専門科目や担当業務や話したい趣味などに分野を絞り込んで、英語スピーキング・リスニングに必要な範囲での英単語・英熟語記憶学習をし、英文法は基礎的な実用的な部分に絞って学習をすることが重要です。

英会話教材に関しては、一般的な市販の英会話教材では十分な表現力をつけることが難しいので、自分の担当業務等で生成した日本語コンテンツを機械翻訳にかけて英語化してそれに絞って学習することにより、限られた時間で英会話力を向上させることができると考えています。