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インセルとラブ・ジハードにみる「女性の性選択」への絶望

前回のラブ・ジハードを調べていて気づいたが、世界ではおそらく、女性の自由にたいする絶望が静かに広がっているのかもしれない。

わたしが動画で取り上げている「インセル(性の格差を半ばまじめに半ば自虐して語る、欧米のネットのミーム群)」でも、女性の性選択にたいするhopelessな分析がよく語られる。

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↑ 女性に危害を加える粗野な男はつぎつぎに女性を獲得するが、
女性をたすけるナイトはむなしくネットで女性への恨み言をつづる。

いわく、女性は暴力的で品のない男を好んでセックスという報酬をあたえる。白人もしくは白人っぽい容姿の男をえり好みする。歳をとって自分の性的魅力がなくなってから、凡庸な男と結婚して寄生したがる…

これは女性に男を選ぶ自由を与えたがゆえの“ バグ“ であり、男が女を選ぶ自由、すなわち女がどの男を愛するべきかを男が決めれば愛の格差が是正される、というのがインセルの本音である。

ラブ・ジハード(イスラム教徒が自由恋愛の枠組みで異教徒の女性を組織的に略奪しているという陰謀論)にも、同胞の女性に自由恋愛をあきらめて伝統的な見合い婚に留まるよう勧めるプロパガンダの一面がある。

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後進国で因習にひしがれる女性の話を聞けば、可愛そうだ、助けてあげたい、女性の自由が保証されている先進国の文化を輸出してあげたいという気持ちになるが、じっさいに女性を伝統の軛から解き放って牢固たる自尊心にもとづく自由をあたえれば、一部のスポーツができる少年とのみ交際したい、男は従順なATMでいてほしい、男性が背負っている義務を肩代わりしないままで男の椅子を横取りしたい、結婚も出産もしたくない。
これでは、社会が女性を解放する意義がない。

この矛盾を解消するために、将来的に「ネオ家父長制」とでも呼ぶべきものがあらわれて先進国の性文化が実質として先祖がえりをするのではないか。そんなことをふと思いついた。

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