啓蟄(蕾菜とうぐいす)移ろいゆく水と花
一年を春夏秋冬の4つに分け、さらに約15日ごとに分けた二十四節気。農業の目安として季節の変化に対応するために中国より伝来したと言われています。
移ろう季節をより身近に感じることができたらと思い、emmyと、Mayu Araiによるドリンクといけばなを二十四節気の時季に合わせ、お手紙のやりとりをしています。
今回は第二十九回目の『啓蟄』、emmyからのお手紙です。
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Mayuさんこんにちは。
すっかり春の陽気、『啓蟄』の節気となりました。
温かみを帯びた陽に誘われるように、巣ごもりの虫や草花が動き出す頃です。外に出ると、潤いのある風と陽の眩しさにそわそわと芽吹きの季節を感じます。
先日は桃の節句でしたね。Mayuさんのアイリスと桜のいけばな、やわらかで凛とした佇まいに春の知らせをいただきました。
梅は枝
桃は色
桜は花
春の花木をいける際のポイントも春の愛で方のようでとても素敵です。そういえば、桜やよもぎを使ったお菓子、雛祭りや花見などの季節行事など、季節を祝うような事柄が四季の中でもとりわけ春に多いような気がします。
新年度といった節目の時期でもありますが、春の芽吹きを感じられると厳しい寒さを超えたことを実感し、自然と祝福するような気持ちになります。
今回は春の野菜、蕾菜を主役に春を感じられるようなドリンクをつくりました。
透けるようなやわらかな葉が一枚一枚重なり、齧るとほろ苦く爽やかな辛味をふっと感じます。こりっとした食感が特徴的なので和物や炒め物によく使われますが、今回は旨味を活かしてドリンクにします。
すこし火を入れて香りを出した蕾菜に、うまみのある煎茶とうぐいすきな粉を加えます。まろやかな緑の味わいにえごま酢と甘夏で香りを整えて。
最後に炭酸を少量加え、細かく弾ける泡から立ち上がるような春の香りを感じられるようにしました。
今回はすこし実験的でしたが春の訪れを感じられる一杯になったように思います。
春の野菜はほのかな苦味とコク、みずみずしさを蓄えたものが多いようです。
冬眠から目覚めた動物達は冬を越すために溜め込んでいたものを身体からすっきりと出すべく、そういった栄養価の高い春野菜を口にするそうですね。
こちらは芽キャベツの葉。春野菜は「芽」や「新」と名前に付くものが多く、字面からも芽吹きが感じられてふっと心が温まります。
この春は積極的に季節を愛で、恵みに触れることで、寄り添うように過ごしていきたいと思います。そうする事で近頃ジリジリと感じる花粉の何やらも押し出せそうな気もいたします。。
そろそろ桜が各地でも見られる時期ですね。
今年の開花時期は平年並みのようですが、どうなのでしょうか。このまま暖かくなっていくと嬉しいです。
日中の暖かさとはうって変わり、夜はまだまだ寒さが続きます。
お身体にはどうかお気をつけて。
それでは!
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二十四節気に合わせ、季節に寄り添ったドリンクとお花の交換会をしていきます。
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