見出し画像

立夏(蓬とノンアルコール日本酒)#二十四節気の手紙

一年を春夏秋冬の4つに分け、さらに約15日ごとに分けた二十四節気。農業の目安として季節の変化に対応するために中国より伝来したと言われています。

移ろう季節をより身近に感じることができたらと思い、ミックスドリンクスタイリストのemmyと、いけばな作家のMayu Araiによるドリンクとお花の交換会をはじめました。

二十四節気の時季に合わせ、お手紙のやりとりをしていきます。
今回は第九回目の『立夏』、emmyからのお手紙です。

-

Mayuさんこんにちは。

日中外へ出た瞬間、陽の光に思わず手を目の上にかざしてしまうほど日に日に夏の兆しを感じます。かと思えば過ぎて行くのを惜しむように、晩春の雨がしとしとと降り、春と夏が同居しているようなまさに季節の移ろいを実感するこの頃。いかがお過ごしでしょうか?

穀雨の折にいただいた「都忘れとナズナのいけばな」、愛らしさを感じつつも新緑の力強さがあって、、、とても素敵でした。器を変えるとずいぶん雰囲気が変わるのですね!表現の奥深さと春の恵みをいただきました。


今回の節気は夏のはじまり、立ち上がる夏と書く『立夏』。こどもの日である端午の節句と同じ時期ですね。

端午の節句はもとは厄払いとして中国から伝来され、ちまきや菖蒲などの薬草を口する習わしだったそうです。この時期ならではの縁起物の和菓子として食べられる柏餅や兜、男の子の成長を願う日となったのは意外と日本独自の文化とのこと。大陸からの文化に日本独自のセンスが肉付けされていて、とても興味深い行事です。ちなみにわたしはふわっと香るよもぎ餅と粒あんの柏餅が大好きでして・・・


今回はそんな蓬を主役にドリンクをつくりました。

キクの仲間である蓬は効能や使い方の万能さからハーブの女王とも言われています。香りがよく、ハーブティーにしても美味しくいただけます。

画像4


アク抜きをした蓬にくるみ、レモン果汁、ノンアルコール日本酒、ソーダを合わせました。さとうきびのシロップの少しだけ入れて味に深みを加えています。

仕上げには削ったレモンピールをぱらり。さわやかでビターな香りを加えてみました。

画像3

画像4

ゆらぎやすい季節の変わり目に染み渡る、そんなドリンクになったかと思います。

いくつかあるノンアルコール日本酒ですが、今回は日本酒テイスト飲料のものを使用しています。吟醸の香りにはリラックス効果があるみたいで、アルコールフリーですが口に含んだあとに華やかな吟醸香が鼻に抜け、ほぅっと穏やかな気持ちになります。


画像4


 Mayuさんがカメラを構えて感じてらっしゃる感覚、わたしも少し同じように思うことがあります。フィルターを通すと目には見えない、儚さや息づかいを妙に感じることがあり、たまにとてもびっくりしてシャッターを押せない時があります。。なんだか不思議ですね。

このお手紙のやりとりもなんともう9回目!どんな時でも時間は流れ、季節は巡っているのだということを今年はよりつよく思います。Mayuさんの夏のいけばなとお手紙もとても楽しみにしています!

それでは、また。


-


二十四節気に合わせ、季節に寄り添ったドリンクとお花の交換会をしていきます。
よければこちらもマガジンをフォローしてください◯


emmy(emiushijima)
MayuArai


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?