清明(美生柑と菜花)#二十四節気の手紙
一年を春夏秋冬の4つに分け、さらに約15日ごとに分けた二十四節気。農業の目安として季節の変化に対応するために中国より伝来したと言われています。
移ろう季節をより身近に感じることができたらと思い、ミックスドリンクスタイリストのemmyと、いけばな作家のMayu Araiによるドリンクとお花の交換会をはじめました。
二十四節気の時季に合わせ、お手紙のやりとりをしていきます。
今回は第七回目の『清明』、emmyからのお手紙です。
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Mayuさん、こんにちは
光清らかな春、いかがお過ごしでしょうか。
春分にいただいたお手紙と水仙とキブシのいけばなもとても素敵でした。はずかしながらキブシ、はじめて知りました。ほろほろと宝石みたいに珠のお花が咲くのですね。個人的に知性を感じる水仙のスッとした立ち姿に憧れています。
今回の『清明』は『清浄名潔』という言葉を略した季語とのこと。
このごろは風がびゅうびゅうとつよく吹いたり、雨が地面を叩く音、木々や青果が色鮮やかに見えるようになり、春の息づかいをほどちかく感じます。
この二十四節気のお手紙の交換をはじめてからなのか、季節が深まってきたせいか、こんなに春って賑やかだったかな、とすこしおどろいています。
「和製グレープフルーツ」とも言われる美生柑と菜の花でドリンクをつくりました。
いつもはささっと時間をかけないでドリンクを作ってしまうことも多いのですが、すこし手間をかけて味の土台となるシロップづくりをしました。
美生柑のピールと薄皮を取った果肉を水ときび砂糖で煮ました。味の深みを出すためにほんの少しの白ワインとレモン果汁。種でとろみをつけて菜の花をさっと加えます。
美生柑の皮は洋もののグレープフルーツほど苦味はないと言われていますが、二回ほど煮こぼしして皮のエグみを抜いてから入れています。
ジューシーな柑橘の香りにほんのりビターな菜の花のシロップです。
お砂糖は水に対して1/5とだいぶ少なめ。
トニックウォーター、ジンジャエールと合わせてもベタつかずさっぱりと飲めます。
阿波番茶などの発酵茶と合わせてもとっても美味しいです。
おだやかな日陽ではあるけれど、いろいろな場面で『はじまり』の季節。そこまで大きいことではないけれどわたしもほんの少し心境の変化があり、気持ちにフィットする方法を楽しみながらも試行錯誤を繰り返しています。
Mayuさんはこの春あたらしく始めたことなどありますか?
今夜はしっとりとした春の雨ですね。しばし目を楽しませてくれた桜も散ってしまうのでしょうか。
春夏秋冬それぞれに美しさを感じますが、去りゆく春の潔さにどうしたって惹かれてしまうのです。
つぎはもう春の最後の節気となるのですね、、!これからの時季と、Mayuさんの紡がれるいけばなとお言葉をとても楽しみにしています。
それでは、また!
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二十四節気に合わせ、季節に寄り添ったドリンクとお花の交換会をしていきます。
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