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万博で世界各国に向けて「未来社会」を示せた時代は19世紀から20世紀半ばだけで、その時代ならではの背景があった

世界万博が「未来社会」を示して、世界各国の人々を虜にする事が出来た時代は19世紀から20世紀半ば過ぎ頃まで。

・19世紀から20世紀初頭のマスメディアは黎明期であり、極めて未発達。20世紀半ば過ぎ頃でさえも、テレビ・新聞・雑誌はあったものの、情報量も伝達スピードも今と比べて劣っていた。
・19世紀から20世紀にかけては「人類や技術が無制限にどんどん進化・発展する」という考え方が浸透しており、その発展や技術の負の面や悪用される可能性はあまり議論されていなかった。
・一般の人々が得られる情報は限られていて、最新技術が暮らしの身近になく、また今と比べて体験型の「未来館・科学館」のような施設もなかった。
・各国がソフトパワーを発揮出来るような機会が万博くらいしかなかった。

21世紀も四半世紀を迎えようとしている現代において、これらは全て破綻してしまっています。
したがって現代における万博自体もただの箱物大型イベントでしかなく、ましてや「万博で未来社会を示す」というのも50年から100年前の時代錯誤な考え方だと思います。

官僚や一部政治家が国家や産業のあり方について、万博全盛期の19世紀から20世紀半半ば頃までしか通じなかった事を21世紀にあてはめようとしています。

日本の国際的な競争力が下がっているのも、こうした考え方も一因ではないかと思いますね。


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