運動しても全く引き締まらないのはなぜ?

30代女性クライアントさんからのお問い合わせがありました
「毎朝、ウォーキングを続けています。
運動しても全く引き締まらないのはなぜ?」

初回カウンセリングでご本人も運動不足を感じておられたので、朝の散歩をご提案しました
散歩は体に負担が少ないので運動習慣ない方にも始めやすく、お金もかからず、朝太陽を浴びると幸せホルモンの「セロトニン」が作られ、セロトニンは14-16時間後に眠りのホルモン「メラトニン」になって睡眠の質がアップという一石三鳥?四鳥?

このクライアントさんの食生活は
・朝 スムージー
・昼 サラダとパン1/4枚
・夜 ご飯、おかず(お肉かお魚と野菜)
という感じでした。
一見ヘルシーな女性的なお食事です。
ビタミンはたっぷりですが、摂取カロリーがとても低く、さらにたんぱく質がとっても少なく、炭水化物も少ないんです。
このような食生活が続くとどんなことが起こるでしょうか?

・やみくもなカロリー制限で体重増えちゃう上に体調不良
長ーい人類の歴史の中で、今のような飽食時代はほんの一瞬
人間の体は「飢餓」に対応する仕組みのまま変わっていないんですね
例えば、摂取カロリーを95%に減らすと体は「やばい飢餓だ!」と節約モードになって90%で稼働します
5%余剰が出てそれを備蓄するので5%太っちゃう
もっとダイエットしよう!と摂取カロリーを90%にすると、さらに節約モードになって85%で稼働になる
また5%余剰が出てそれを備蓄するので5%太っちゃう
だからカロリー制限だけではやせないんですね
しかも摂取カロリーを減らした分、使うエネルギーも節約モードに
体温を下げ、代謝を下げ、心拍数を下げ、血圧を下げ、体の末端への血流を減らし、集中力が落ち、爪が割れ、髪が抜ける…
いつも寒くてだるくて疲れやすくてやる気が起きない

更に問題なのが、食事を元に戻しても
体は節約モードのまま稼働してしまう傾向が強い
体重は増えるのに、消費カロリーは抑えられ、体温は下がり、血流は遅くなり、体の末端に酸素が届かず手足が冷えたり、日中眠気に襲われたり、息切れしたり、疲れやすくなったり…
いわゆる「低血糖」「副腎疲労」と呼ばれる症状ですね

・甲状腺機能が低下する
分子栄養学では「LowT3症候群」とも言います
簡単にいうと体が「冬眠モード」になっちゃってるんですね
体のエネルギー「ATP」を作るミトコンドリアがポンコツで、食べてもうまくエネルギーにできないので、甲状腺ホルモンの分泌を低下させ、わざと代謝を落としている状態です
健康診断でもよく見かける「中性脂肪」が低い場合、甲状腺機能低下の可能性が高いです
気になる方は病院で相談してみてください
分子栄養学的には「中性脂肪」の理想値は100くらい
70を下回ると低血糖や副腎疲労などがあるかもしれません
更に下回ると甲状腺機能低下になっているかもしれません

・タンパク質不足で食べすぎる
すべての動物は必要なたんぱく質を満たすまで食べる傾向があると言われています
皆さんも経験ありませんか?
ポテトチップスのようなカロリー高いのにタンパク質の少ない食べ物って食べだしたら止まらない!
学生時代のバイト先に、日本人ではなかなかお目にかかれない級の肥満の先輩がいて、毎晩寝る前にポテチを数袋食べてました。
しかも箸で(笑)
手が汚れるのが嫌だそうで、すごく上手に箸で食べてて感心しました
あれくらい食べないとあの体維持できないよなーって妙に納得した記憶が…

脱線しましたが、たんぱく質の1日の必要量は普通の人なら体重の1%
例えば体重50kgの人は50g
食品に含まれるたんぱく質は、ざっくり
・動物性のタンパク質 20%(肉、魚、卵など)
・植物性のタンパク質 10%(大豆、豆類など)
なのでお肉なら1日に250g
・朝食に卵かけごはん
・昼食に生姜焼き定食
・夜は焼き魚と納豆
くらいなイメージですね。
朝食はトーストとコーヒー、昼食はコンビニの総菜とおにぎり、夜はパスタとかだと全然足りなさそう
がっつり運動する人、肉体労働の人、筋肉を増やしたい人は必要量がさらに増えます(筋力アップ1.5g、アスリート2g)
私は農家なので繁忙期は1.5-2g食べてます!
アミノ酸スコアも大切なので、いろいろな食品からたんぱく質を摂るのが理想です

とはいえ、むやみに食べても消化吸収されないと意味がないどころか悪影響が出ます!
・しっかり噛む(最低30回)
・胃酸分泌を補助する酸っぱいものを食事中にとる(梅干し、レモン、酢など)
・消化酵素を含む食品をとる(大根おろし、生のパイナップルなど)
そして便の状態をチェックして!
匂いがきつい、色が黒っぽいなどは消化不良化かも?
理想はするっとバナナうんち1日1-2本が痛みなく出ること

では運動することに意味がないの?
結論から言うと運動では痩せないけど、健康維持にはめちゃくちゃ大事です

適度に運動するメリット
・ミトコンドリア活性化(数が増える)
・幸せ&やる気ホルモンのエンドルフィン、セロトニン、ドーパミンを作る
・免疫アップ
・脳の活性化
・骨が丈夫になる(適度な衝撃が必要)
・様々な病気のリスクの低下

ただし、激しい運動は「老化」「活性酸素」「疲労感」を作るので、何事も過ぎたるは…
翌日に疲れが残らない程度の運動がおすすめです!

このクライアントさん、お話を伺うと、ぷよぷよしているのが気になるそう
これはむくみの可能性もあります
むくみの原因と対策はまた別の機会に

朝の散歩で運動習慣が身についてきたクライアントさんには、簡単な筋トレをおススメしました
運動も散歩のような有酸素運動だけでなく、筋トレのような無酸素運動もどちらもバランスよくできるといいですね

運動量が多くて疲れが残りやすい方は、ストレッチポール、エプソムソルト入浴もおすすめです

今日のまとめ
・やみくもなカロリー制限は太るだけでなく体調不良の原因にも
・運動では痩せないけど、健康維持に必須

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e-koabe@silver.plala.or.jp







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