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発酵食品を食べよう!乳酸菌が免疫力を高める仕組みとは?

新型コロナウィルスの流行で、店頭から納豆が無くなったことはまだ記憶に新しい方も多いのではないのでしょうか?

なんで、みんな納豆を食べようとしたのか?いまだによくわかりません。

が、日々食べている発酵食品が免疫に少なからず影響を与えるということは科学的にも立証されつつあるようです。

日経サイエンス2020年8月号にこんな記事が載っていました。

産業技術研究所と名古屋大学の共同研究により、小腸に存在する乳酸菌が免疫力を高める仕組みをマウスで明らかになった。

腸内フローラの研究はちょっと興味があったので、腸内細菌と免疫とがどのようにつながっているのか?記事を読んでみたのでまとめておきます。

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腸内細菌とヒトの疾患との関わり

数年前から腸内フローラや脳-腸連関(多臓器連関)などが注目されていて、腸内の細菌とヒトの病気との関わりについて多くの研究がなされています。

ヒトの腸には1000種類、10の15乗(1000兆個)の細菌がいると言われています。

特に大腸に多く、腸内フローラの研究は主に大腸で行われていました。腸内フローラと認知症との関係などがよく研究されているそうです。

小腸は空気があるため住める細菌が限られています。その中で最も多く共生してるのが乳酸菌。

この乳酸菌が免疫力を高めるのに重要だということなのです。


小腸内の乳酸菌が免疫力を高める仕組み

では、小腸にある乳酸菌がどのように免疫力を高めるのでしょう?

小腸には樹状細胞やマクロファージなどの免疫細胞が存在します。今回の免疫力アップの主役は樹状細胞。

樹状細胞は抗原を取り込んでT細胞に抗原提示を行なったり、その後の免疫反応の強さや方向性などを決定する重要な細胞です。(参考文献

大きな流れはこんな感じ

小腸にある樹状細胞が乳酸菌を取り込む

乳酸菌から二本鎖RNAが漏れ出す

樹状細胞内のタンパク質に結合

インターフェロンβを産生し腸炎を防ぐ

樹状細胞が乳酸菌を取り込むことがヒトの血液中の免疫細胞でも確認されたので、マウスだけではなくヒトでも同じ仕組みがあることが予想されます。


普段の食生活でも効果がある?

どうやら、腸内の免疫細胞は食べ物に含まれる乳酸菌の死骸なども取り込むようです。死骸には効果がある二本鎖RNAが含まれているかどうかは疑問ですが...

そのため、発酵食品にも効果があるのではないかと期待を寄せているそうです。

死骸でも二本鎖RNAが分解されずに存在していて、免疫細胞のインターフェロンβの産生を促すのか確かめられていれば、すごいことです。(元の論文を辿っていないのでわかりません)


腸内フローラについてはズブの素人で、病気と細菌とのつながりはいまいちピンときていませんでした。今回、細菌は宿主の細胞に働きかけて、なんらか(免疫力を高めるなど)の影響を与えている一端を見られた気がします。

共生している細菌は自分が住んでいる場所が大変なことにならないように、自分の身を守るために宿主に働きかけているのかもしれませんね。

炎症はよく火事に例えられます。宿主がアパートの大家さん、細菌がアパートの住人だとします。アパートの住人にとって自分が住んでいる場所がいきなり火事になったら大変です。消化器などを準備しておいてよー、防災設備はきちんとしているのか?大家さんに働きかけて万が一、火事が起きても住み続けられるようにしているのかもしれません。

食生活に発酵食品を取り入れて免疫力をアップさせていこうと思います。

それでは、また!


参考文献


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