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050_美々津のお船出だんご【宮崎】

記念すべき50個目は、宮崎の神話にちなんだ郷土菓子。

宮崎県日向市美々津は、神武東征の際のお船出の地と言われている。
神武天皇は初代天皇とされ、浦島太郎と乙姫のモデル、山幸彦と豊玉姫の孫。
45歳の時に日向の国から天下統一を目指し東へ向かう。
そのお船出の地と言われている。
古事記や日本書記には日向のどこから出たのかは書かれていないらしいのだけど、神武天皇が腰掛けた岩とかある。

そのお舟出、風の影響で急遽出発が予定より一日早まる。
人々は大慌てで米と他の材料をまぜてついた餅を持たせた。
これがお船出だんご、つきいれ餅として伝わっている。

美々津まちなみセンターでは昔ながらの手法を再現したお船出だんごが購入できる。
材料は、米の粉、小豆、もち粉、食塩、雑穀酢。
砂糖入りのきな粉が付く。

まったくもって食欲をそそらないルックス。なんかナマコみたい。
温めた方が美味しいということなので温めたら、すんごいやわらかくてふにゃふにゃべとべとに。

糸をひとまきして結ぶように力を入れるとおもしろいようにすっと切れる。
甘くない。
うすい塩味で、米と小豆の味。
食べ慣れない甘くない団子、まずくはないが美味しくもない。
別袋のきな粉をまぶす。

うまーい!

きな粉に入っている黒砂糖がいい仕事する。
餅の塩気といい塩梅でひき立てあって。
小豆入りの餅の素朴さがたまらなく美味しい。


お土産用に砂糖も混ぜ込み個装したものもある。

これよりも、塊のやつを温めて食べるのが好き。


同じ神話に基づきお菓子屋さんで作られるつきいれ餅。
空港でも買える金城堂のつきいれ餅の方が本家より有名だけど、全く別もの。



江戸、明治時代、関西との交流の拠点として栄えた港町。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され白壁土蔵の町並みが残る。
歩く前にぜひ日向歴史民俗資料館で説明を聞くことをおすすめ。

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