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九州のおかしな歩き方

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九州の郷土菓子、ご当地スイーツ・パン、銘菓本店を巡る旅
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2018年8月の記事一覧

17_エトワール・ホリエの伊万里焼饅頭【佐賀】

昭和26年に誕生した伊万里を代表する銘菓。 黄身餡をカステラ生地で包んだ洋風お饅頭。 表面のひび割れは、陶器のひび焼きをイメージ。 伊万里焼饅頭本舗エトワール・ホリエ 佐賀県伊万里市伊万里町甲585 伊万里饅頭 108円 (2018.6.2) 焼き物に興味あるなら、アリタセラはおすすめ。 陶磁器のお店や飲食店22軒が軒をつらねる。 2時間ほど足早に見て回ったけど、1日かけてじっくり見たかった。 セール品の籠の中から、波佐見焼の小皿を350円で購入。 4、5枚欲しかっ

018_ 正観寺丸宝の松風【熊本】

熊本県菊池の銘菓、松風。 南北朝時代に菊池一族が京から持ち帰ったと言われる。 日本一薄い和菓子。 中でも正観寺丸宝の松風は、厚さ1.2m。 薄くてパリパリ。 1枚で食べてみたり、2枚重ねてみたり、3枚重ねてみたり、4枚・・・ 食感が変わるのが楽しい。 あぁ、ホント、この薄さのパリパリ感、一度食べてみて欲しいよ。 松風本家 正観寺丸宝 熊本県菊池市隈府1097-2 松風 4包 280円 (2018/5/31)

019_梅月堂のシースクリーム【長崎】

長崎に行ったら絶対食べようと決めていたもの。 梅月堂のシースクリーム。 繊細なスポンジ生地でコクのあるカスタードをサンド。 シロップ漬けのパイナップルと黄桃がジューシーな甘酸っぱさと、軽めの生クリーム。 すべての相性、バランスが最高。 めちゃくちゃ気に入った。 昭和30年代初頭、梅月堂がなかなか手に入らない苺の代わりに手に入りやすいもので作ったのが始まりとされる。 その後、長崎市の他の店でも販売されるようになる。 なんでこれが全国展開せずに長崎市の中だけで人気なのかわか

020_道の駅ながゆ温泉のじり焼き【大分】

じり焼きは大分県の郷土菓子。 「小麦粉を水で溶いた生地を焼き、黒砂糖や芋餡を巻いて食べる和風クレープ」らしい。 出会うたびにちがう姿形をしている。 家庭や地域によって個性があるのかな。 これは道の駅ながゆ温泉(竹田市)で見つけたじり焼き。 2つはいってはいって150円。 生地はクレープにしては厚くてやわらかくて、どら焼きにしては固い。 素朴な生地に黒砂糖ときな粉の餡がよく合う。

021_道の駅みえのじり焼き【大分】

大分の郷土菓子、じり焼き。 道の駅みえ(豊後大野市)で出会ったじり焼きは、わたしの想像を大きく超えた厚さだった。 2個 220円

022_いもの力屋のじり焼き【大分】

こちらのじり焼は、さつまいものおかし専門店だけあって、じり焼きにまかれているのもさつまいもの餡。 さつまいも好きとしては他に気になるものが多々あったのだけど、1パックに8つも入っているので、ぐっとこらえてじり焼きだけ購入。 いもの力屋 大分県豊後大野市三重町芦刈38-1 じり焼き  400円

郷土菓子を巡る冒険

ここでしか食べられないお菓子が食べたい。 もともと甘いものは好きだったけど、最初から郷土菓子に興味があったわけではない。 どちらかというとケーキや菓子系デニッシュなどを好む洋菓子派だった。 大阪、埼玉、東京、長く故郷を離れ、大きな街の近くに住んでいたこともあり、食べてみたいケーキや話題のパンケーキ、お気に入りの店にはことかかなかった。 久しぶりに故郷に帰ったものの、思うように気に入ったケーキやパンのお店が見つからない。 美味しいものを求めるとフラストレーションがたまる。 そ

023_南風屋の杉ようかん【熊本】

2018年6月30日、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産が世界文化遺産に登録された。 天草の崎津集落はこのひとつである。 そしてここには、ここにしかないお菓子があるのである。 それが、杉ようかん。 200年以上も前に琉球の使節団から伝授されたこのお菓子、ピンクのラインと杉の葉の緑がなんともお洒落。 このビジュアルに惚れて崎津に行ったのだけど、まさか世界遺産になるとは。 一度は途絶えたのだけど、復活した幻のようかん。 南風屋(はいや) 熊本県天草市河浦町﨑津454

024_三角の郷土菓子まくらぎ【熊本】

黒糖とピーナッツを使った熊本県宇城市三角町の郷土菓子。 たまたまネットで見つけて買いに行った。 自分でもよう見つけたなぁ、と思いながら探していたのだけど、三角駅前のお土産屋さんで置いてないか聞くと、おじさんはまくらぎすら知らなかった。 だけど、数日前にも同じようにまくらぎを求めて来た人がいたと言っていた。 知らないどこかで、同じように郷土菓子に心ひかれて彷徨っている人がいるのね。 ちなみにおじさんは三角の人ではない。 みすみフィッシャーマンズワーフ ラ・ガールにて発見。

025_徳永飴【佐賀】

元祖 徳永飴総本舗、創業200有余年、江戸後期より受け継がれるあめがたの製法を守り続ける。 あめがたは、もち米を原料に麦芽と水でできた水飴を、練って引きのばして空気を含ませて作られる。 暖かいとやわらかく、寒いところだと固くなる。 砂糖を使わない、懐かしいような優しい自然の甘さがくせになる。 一口食べてリピ決定のお気に入り。 今度見つけたら買いだめしておかねば。 元祖 徳永飴総本舗 佐賀市金立町大字薬師丸1865-1 徳永飴(8枚)  432円 (2018/2/28

026_富久屋のけせん団子と海軍タルト【鹿児島】

けせん団子は鹿児島の郷土菓子。 小豆の団子をけせん(ニッキ)の葉ではさむ。 鹿児島に行くと、スーパーでもよく見かける。 富久屋は天保年間1860年から続く菓子処。 子供の頃あまり好きでなかった軽羹。 久しぶりに食べたのがここの軽羹で、なにコレ美味しいじゃん!てなって、お気に入りの店に。 ここのけせん団子は、よもぎと黒糖入り。 天然山芋や天然温泉水もはいったこだわりの団子。 甘さ控えめのやわらかくもっちりとした団子に、ニッキの独特の香りがついて、それがとてもいいのです。

027_松翁軒のカステラ【長崎】

ポルトガルから伝わった南蛮菓子の日本バージョン。 砂糖が入ってきた出島のある長崎市にはカステラで有名な名店がたくさん。 松翁軒は江戸の中期(1681年)創業、以後カステラを作り続ける。 せっかくなので本店2F喫茶室セヴィリアで五三焼を。 五三焼は、砂糖、卵黄を増やし卵白を減らした濃厚贅沢カステラ。 松翁軒 本店 長崎県長崎市魚の町3-19 五三焼セット(2切&ドリンク) 1000円 (2018.3.6)

028_渓月堂の柿巻【大分】

中津、耶馬渓地域の江戸時代から続く名物、柿巻。 昔は渋柿を重ねて藁で巻き、天井につるして保存していた。 スライスした切り口がバラの花のようで美しい。 砂糖もない大昔、果物や木の実が菓子として食べられていた。 そんなことに思いを馳せる。 子供の頃食べた干し柿の懐かしい甘さが口一杯に広がる。 戦後甘いお菓子が人々の口に入りにくかった時、なんとか甘いものをと作り始めた。 お店には柿を使ったお菓子がたくさん並ぶ。 渓月堂 本店 大分県中津市仲町795 柿巻 1200円 (2

029_山田饅頭本舗の山田まんじゅう【福岡】

カステラ饅頭の一種、丸ボーロの生地に白餡。 焼きたては生地の香ばしさと餡の甘さのハーモニーがたまりません。 焼きたて最高。 1個じゃ足りない、もう1個!てなる。 翌日になるとよりしっとり。 形はボタ山、石炭などの採掘に伴い発生する捨石(ボタ)の集積場をイメージ。 戦前、福岡県筑豊地方は国内最大の炭鉱地帯だった。 この地域は炭鉱で栄えていた時に鉱員たちの腹を満たしていたもの、炭鉱をイメージしたもの、炭鉱の発展を背景に菓子業界も栄えていたことがうかがえ、非常におもしろい。 1