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「いつも忙しいあなたへ」

今年も夏がやってまいりました。
(だいぶ前から真夏なみの気温ですが。。。)
海、山、川、BBQや野外フェスとワクワクする季節です。
みなさん!夏の予定は決まっていますか?
私たちお坊さんは、毎年夏の予定が決まっています。
それは棚経(たなぎょう)という行事です。
ご存知の方も多いと思いますが、各ご家庭に伺い仏壇にお経をあげるお経回りの事です。

ジリジリと太陽が照らす灼熱の中、衣を重ね着して、自転車やバイクでお坊さんが疾走する姿を見かけた事はないでしょうか?
そう。それがお経回りです。
東京と地方ではお坊さんが疾走する時期が1ヶ月ずれますが、概ね7月から8月にかけてが一年で一番忙しい時期だと思います。
師走という言葉がありますが、12月よりも夏の方がよっぽど師走してます。

この時期についつい口走ってしまう言葉が「忙しい」です。
皆さんの中にも「忙しい忙しい」が口癖になっている人いませんか。
あれやこれやと仕事やタスクが重なってくると「あぁ忙しいな〜」とついつい。

でもちょっと待って下さい。
子供の頃を思い返してみましょう。

夏休み。
宿題をさっさと終わらせ、友達と海で泳いだりスイカ割りや花火など、かなり多忙な日々だったと思います。
でも忙しいと感じていましたか?
私は「充実していた」と記憶しています。
仕事と遊びは違うだろ!と怒られそうですが、私の知っているハイパフォーマー達は、皆さん遊ぶように仕事をしています。
私から見れば忙しすぎて目が回らないのかな?と不思議に思う程、様々な仕事をしていますが、遊ぶように仕事をしている人からすると「毎日が充実しているよ」と答えます。

頼まれた仕事に対して「他人の仕事をやるのに自分の時間を使っている」と思うと、自分の為の時間ではなく「他者の時間」を生きる事になります。
しかし、頼まれた仕事を「自分の糧にしよう」と転換して、やりたい事にしてしまえば、楽しむ事が出来ますし「自分の時間」を生きる事が出来ます。
「他者の時間を多く生きている」と忙しいという気持ちになり、「自分の時間を多く生きている」と充実しているという気持ちになるのだと思います。
「忙しい」とは「心を亡くす」と書きます。
忙しいと感じるのは、そこに心が無く、どこか遠くに行っているのかもしれません。
それでは、当然ながらパフォーマンスも落ちますよね。
遊ぶように、楽しく仕事をする人がハイパフォーマーなのも頷けます。

ブッダは「自分を大切にしなさい」と説きます。
これは「自分のやりたい事だけをやりなさい」という意味では決してありません。
この世はお互いに影響しながら、様々なモノゴトが生み出されています。
「自分を大切にしなさい」とは「自分の時間を生きなさい」という事です。
自分のやるべき仕事に心を込めて「自分ゴト」としていく事で、それは「自分の時間」となり日々の生活が充実していくからです。
それが幸せへの道だと教えてくれます。

怒られるかもしれませんが、今年は遊ぶように読経してみようと思います。
少し度胸が要りますが、それも愛嬌です。


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