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【前編】「自立支援介護」導入から3年。そもそも自立支援介護とは

こんにちは、EIJUSOグループ代表の永嶋です。

EIJUSOグループでは、3年前から自立支援介護を導入しています。今回は、コーディネーターの新海さんに、自立支援介護について紹介してもらいます。

「自立支援介護」とは

こんにちは、新海です。私は介護職としてEIJUSOグループに入り、ユニットリーダー、主任を経て、課長に昇進しました。現場を積んだ後、現在は法人内での研修を担当しています。

新海さん

今回は、自立支援介護とは何かをご紹介したいと思います。

2000年の介護制度開始以来、介護保険法第一条には『尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう』支援する、といった内容が書かれています。

しかしながら、長らく、介護は利用者の全面的な介助を基本としていました。

本来あるべき姿として介護保険制度の第一条に則り、利用者の自立を促していく、利用者ができない部分を介助しながら訓練していく介護が「自立支援介護」です。

自立には、身体的自立・精神的自立・社会的自立という3つの側面がありますが、このうち、介護では特に身体的自立に焦点が当てられがちです。

身体的自立は精神的、社会的な自立にもつながっています。体力や筋力が衰え、身体的自立が叶わなくなると、心身の機能が低下し、さらに動けなくなります。また、精神的な健康も影響を受けることが多くあります。

たとえば、自分でトイレに行けなくなり、おむつ交換をしてもらう必要性が生じた場合、当たり前ですが、人にはプライドがありますから、おむつになることに抵抗感を抱く方ばかりです。

「嫌だ」という気持ちがある一方、慣れざるを得ない現実もあります。気持ちを保つために慣れようとした結果、受け身になってしまう。それが意欲の低下につながっていきます。

自立の3つの側面のうち、身体的な部分にアプローチするのは、身体的自立がプライドの維持、ひいては生きる意欲につながるためです。歳を取り、何もできなくなって誰かにお世話されるだけ、の生活を送るのではなく、人生の最後まで「自分でできるんだ」という気持ちを持って過ごしてもらいたい。ここから自立支援介護という話が出てきているのです。

自立支援のために必要な4つの要素

自立支援介護で大切なことは、以下の4つとされています。
・水分の摂取
・カロリーの摂取
・排泄
・運動

まずは水分摂取です。高齢者の方は、トイレの頻度を気にして水分摂取を控えがちですが、水分が不足するとぼーっとするなど軽い脱水状態に陥ってしまいます。適切な水分摂取によって、意識レベルが向上し、覚醒状態が改善します。

まずは1日1500ミリリットル(500ミリリットルペットボトル3本分)を、寝起きに200ミリリットル、午前のティータイムに200ミリリットル、食事(お味噌汁やスープなど)で600ミリリットル、3食の食事時のお茶で300ミリリットル。午後のティータイムに200ミリリットルと分けて取っていただき、覚醒状態を維持しましょう。

その次がカロリー摂取です。1日に必要な1500キロカロリーを、できるだけ常食で提供し、噛んで食べられるよう支援します。噛んで食べることで脳と胃腸の機能が良くなり、3つ目のポイントである良い排泄にもつながるのです。

排泄の状態が悪くなり便秘になってしまうと、精神的なストレスにつながります。イライラや不快感が強まるため、すっきり排泄できるようにしましょう。

そして、排便は腸を動かすことです。すっきりした排泄をするためにも運動が大切だという4つ目のポイントにつながるのです。

実は「自立支援介護」には否定的でした

ここまで、自立支援介護についてお話してきましたが、実を言うと、私が5,6年前に上司から始めて「自立支援介護を取り入れよう」と提案された際、私は一度「嫌です」と断ったことがあります。

それはなぜなのか。そして、現在EIJUSOグループではどのように自立支援介護を行っているのか。後編でお話いたします。


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