十把⑥　2021.2.19夜

街に出て映画を見終わった後、いい映画だったなと思いを馳せながら少し歩いて思い出して機内モードを解除したら、職場から電話の履歴が入っていて、3週間前のことを聞かれてなんかこれはただ事ではないなと思いつつそもそも今までそんなにやったことのない業務だったからいっぱいいっぱいで覚えていないし電話先の上司は怒りの口調を直接表現してないけど僕に何の説明もせずこちらの事実確認をひたすらするばかりだから何が聞きたいのかわからなくて混乱しながらそれでも頑張って答えてでも何だか解決はしなくてとりあえず職場に向かったけど電話しながら変な方に歩いていたみたいで駅までの道が分からなくなるし何も考えてなかったから反対方向の電車に乗ってしまうしやっとの思いで着いた頃にはその話は終わっていて状況を何も整理できなくて、そのまま一日が終わった。

せっかくだし本屋とか色々見て回ろうと思っていたのがつぶれて悲しいのがひとつあるけど、一番つらいのは「君は休みの日だから、ごめんね」とか言われて詳しくは教えてくれなかったからこのもやもやが月曜まで続くってこと。
なんだか最初は怒りだったんだけどだんだんそれが全部悲しみになっちゃったな。
昼のやつも映画が始まる前にほとんど書き終えててあとはぴゃっとやって投稿だけだったのに、そんな出来事を介してから投稿しないといけなくなったから、書かれていることの平穏さが、今の自分からしたら嘘でしかないことも悲しかったです。

仕方がないから、明日絶対に買い物に行きます。本屋に行って電気屋に行っておいしいものを食べます。

9首

旅をして仲間になった怪物の五年後に訊く昔の話

出生の問題だろう「頑張れ」の繊維を上手く消化できない

ライチョウが寂しい者の声で鳴く自由に空を飛ぶのはつらい

画面越しに始まる会議キーボードの＄の記号を育ててみよう

落書きのやけに黄色い太陽が昇竜拳のコマンドを打つ

倫理が近づいてくる君にも近づいてゆく　おかしい　そうか

四十五秒で出来ないこと全て分かった上で恋に落ちたい

風呂に入ってから風呂を出るためのモチベーションがずっと要らない

悲しみと怒りが同じ引き出しに収まっているそれを開ける

（1時間6分20秒）

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