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雨と紅葉とアイスクリームと。

先日、奥さんと紅葉を見に車で出かけた。

峠にあるその場所は、もう見頃との情報だ。忘れないうちにと途中のコンビニでサンドイッチを買った。(以前、同じ場所に行ったとき、昼食をしようにも店がまったくなくて苦労したのだ。)

車で山道を走っていると、さっそく紅葉がたくさん目に飛び込んできた。わぉ!きれいだ!もう我慢できなくて、途中のパーキングエリアに車をとめて、早速、写真に撮った。私はミラーレス一眼で。彼女はコンデジで。

でも、そのうちだんだん雲行きが怪しくなってきた。そして目的地に着いた頃には、ザーザーぶりの大雨になってしまったのだった。・・・なんてことだ。しょんぼりとした気持ちで、車の中でふたりしてサンドイッチを食べる。そして結局、帰ることに決めた。(紅葉はそこから20分ぐらい山道を歩かないと見られない。)

せっかく遠出をしたので、彼女の提案で途中の大きな神社でお参りをすることにした。

その神社にたどり着くと意外なことに、紅葉がとてもきれいだった。(つくづく人生って、悪いことがあればちゃんと同じだけのいいことも用意されているものなんだなぁって思う。)雨が降っていたけれども、カメラが濡れないように、傘を差しながらも写真に撮る。そのうち雨が本降りになってきて、二人はお土産屋さんに避難した。

早速、彼女はアイスクリームを買う。(彼女は土産物屋さんで、必ずその店しか売ってないようなアイスを買うのだ。)

彼女が「アイスクリーム下さい!」って元気よく言うと、「店内でお召し上がりですか?」と笑顔で尋ねられる。すると彼女は「いえ、店の外のベンチで食べます!」と元気よく答える。すると店員さんが一言、こうつぶやいた。「どうしよう・・・」(心の声が聞こえている。)慌てて彼女は「あぁそっか、消費税は10%でいいですよ!」と答える。すると店員さんが思いっきり安心したような表情になる。(そのへんの店の基準が曖昧だったのかな?)

つくづくうちの奥さんは、あまり空気を読まない人だ。なんでも正直に答えてしまう。あとで私が「アイスなんだから店内で食べるって言ってよかったんじゃない?」って聞くと彼女は威張ってこう言った。

「何言ってんのよ!外で雨の中の紅葉を眺めながら食べるのもいいでしょ!」

つくづく我が道を往くだなぁ。

帰ってから、互いに撮った写真を見せあいっこする。「あ、この写真いいね!」って言ってくれるのが密かにうれしい。それでも彼女が褒めてくれるのはほんの数枚なんだよな。だから、褒めてくれる写真はとても貴重なのだ。

彼女の撮った写真を見ると、意外ときれいに撮っている。そして気付いたのだけど、私の写真とどこか似ている。私の写真を見ているうちに似てしまったか・・・とちょっと笑った。

「なに笑ってんのよ!これなんかいいでしょ!」とちょっと怒る。でもそれはビミョーにピンボケ写真だ。それをやんわりと指摘すると、彼女は威張って私に言い切る。

「私はね、人に辛く、自分に甘くがモットーなの!」

いや、それが一番迷惑だから!

写真を撮るには、最悪な天気だったけれども
それなりに、楽しい一日になった。
(紅葉の写真は近いうちに投稿しますね!)

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一