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優しくなる方法。

まだ、私は優しくなれない。そう思う時がある。

言葉は相手を攻撃するばかり。心はどんどん冷たくなってゆく。

「あ、今、この人の心は、だんだんと私から離れてゆく」

そういうのが確かにわかる。次第に何も話さなくなって、そして、それが当たり前になって、取り返しのつかないことになるんだろうな。

わかっているのに、わかっていない。

どうすれば人は優しくなれるんだろう?そういえば、そんなこと、誰も教えてはくれないな。学校の先生も、親も兄弟も、何も教えてはくれない。

「やさしさっていうのはね・・」って、言うセリフ、そもそもそんなの、人間のいうセリフじゃないような気がする。自分に酔いしれているだけで、毒にもクスリにもなりゃしない。それでもそんなふうにして、教えてる人はいるんだろうか?でも、教えてるってことは確実に、優しくなれる術はあるってことになる。

下手な魔法じゃあるまいし、なんかイヤだな、そんなの。

優しくなれない、というのはたぶん、優しいという心が怪我したようなものだと思う。私は人は根本的に優しさで出来ているのだと思う。(私が思うのだからそれでいいのだろう。誰が何と言おうとも。)たぶん、その優しい心が何かで怪我して傷ついて、それを直すために歯医者が使うような、キーンという鋭い音の機械で直している最中なんだろう。そんなものだから、つい、心はいらだってしまう。たぶん、そういうものなんだ。

直るまでの時間は人それぞれ。無理に無理しないで、一生懸命、頑張らないで、歯医者のあの機械に対抗するには心の中で”ガァー”といっぱい力をこめて声を出すことなんだ。(私はそうしてるんだよね。心の中で。そうすると痛くないような気がする。たぶん。)

優しくなる方法を、誰も教えてくれないのは、もともと、そんなもの、最初から存在しないからなんだ。誰もが本当は優しいんだけれども、怪我してるほうの時間が長くて、それに気がつかないだけなんだ。

私ももっと、それに気づこう。
どんな小さなことも、すべて。

あの人も本当は優しいんだと。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一