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イクメンと呼ばないでください

シリコンバレーでは男性も育児に参加する。 私も掃除と洗濯の全てと平日の夕食の用意を担当し、可能な限り授乳以外は全てやる。 スケジュール変更はあるが、当然仕事量が減ることは一切ない。

ここまでやると、東京に住んでいたら「えらいねー。 イクメン!」とかレッテルを貼られていたのだろう。 この単純な一言が今の育児に対する考え方を象徴しているし、育児参加を阻害している。

親として当然の義務を全うするだけでレッテルを張るのはおかしい。 年老いた親の介護をする同僚に、「大変ですね。」と労うことはあっても「えらいねー。 カイゴメン!」と揶揄する人はいない。

そもそもイクメンという言葉自体が子育参加が任意であることを暗に示している。 むしろ、義務を果たさない輩にレッテルを張るべきではないだろうか。

以前、会議中にレバノン系の同僚がオムツ交換をしなことがバレ「え〜?」とブーイングされていた。 分担の仕方は各家庭の自由だし、法律で決まっているわけでもない。 必ずしも仕事には影響しないが、どうしても周囲の目は厳しくなる。 ちょうど喫煙者が肩身の狭い思いをするのと似ている。 こうした圧力は法律より効果絶大だ。

時間厳守や健康管理と同じで、子供を作ったからには責任を全うするのが一社会人として必要とされる。 家庭が円満でなければ仕事どころではなくなるのだから、何も新しいことではないはず。

対照的に、日本では早く帰宅することが無責任とされ、子供の面倒を見ない無責任さは許されてしまう。 法制度が変わっても、この状態が改善しないうちは日本のお父さんは肩身の狭い思いをするのだろう。

単身でも、子供のいない夫婦でも、親の介護と仕事を両立させるために周囲の助けを必要とする日がくる。

だから、イクメンとは呼ばないでほしい。 代わりに、父親として最低限の義務を果たせない輩にはるレッテルを考えましょう。

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