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アラヒフノウタ 〜団塊Jr.〜 #49

49  おなじみの耳鼻科


受付で健康診断の結果を言って
待合室で2時間近く順番を待って
診察室に呼ばれて入る

耳鼻科のお医者様に
経緯を話す

質問する耳鼻科医

日常会話問題ある?

応えるオイラ

あ、いいえ、日常会話は普通に。
普通に生活できているので

進める耳鼻科医

一応、聴力検査しようか

応じるオイラは電話BOXに入る
電話BOXとは電話BOXではなく
聴力を検査する小さな部屋のことで
聴力に問題ない人は
入った経験はないかも

耳鼻科によくお世話になる人は
おなじみの小部屋
懺悔しましょうか
そんな感じでもある

歯医者のレントゲン室に似ていて
マウスピース噛み締めて
歯型を診るあれ

機械が顔の周りを行ったりきたり
あんな小部屋

大きな黒い耳あてのヘッドフォン
頭に挟んで
耳に気持ちを集中

そして手にクイズの
早押しボタンのようなものを
握らされる

イントロクイズの如く
かすかな音の問題が出題され
聞こえたら押す
消えたら離す
それを繰り返す

何も言われなくても
目は閉じている

気持ちも暗闇の中
楽しい気持ちにはならない
耳から手が出て
何もないところから
何かをどかしながら
音を探す

耳から出る手の数は
2本とは限らない
調子が良い悪い関わらず
3本のときがあれば4本のときもある
場合によっては無数の手が
得体のしれないそこら中の
空間を掻き分けて探す

そして暗い空間の中から
黄色い光がピーッと
音と共に視界に入る
オイラはいつもそれを
ターゲットの音として認識している

その黄色い音が見えた瞬間
おいらの耳に届いたとして
手元の早押しボタンを強く握る


                      

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