05/19

星野源が結婚した。星野源が、結婚した。星野、源が、結婚、した。結婚。源さん、結婚したんだ。結婚、したんだ。そっか。そっかぁ。結婚かぁ。今日はとても喜ばしいニュースが飛び込んできた。でも、なんか、だめだ。最近の言葉で表すならば「ロス」になるわけだが、そんな2文字で表せるほど今の私の感情は簡単ではない。仕事の休憩時間、テレビのある部屋。入った瞬間、結婚のニュース。足が止まった。マスクの上から口を抑えた。絶叫。ちょうどそこにいた仕事仲間から心配される。言葉を失う私。涙目になる。本気で心配してくれる仕事仲間。手が震え始める。どうしよう、と右往左往し、早足で部屋を出た。スマホはロッカーに置いてある。後ろから「存分にスマホいじってきなよ〜!」と声。ちょうど居合わせた仕事仲間がこの人で良かった。ロッカー室でスマホを開き、ネットニュースとツイッターを確認。同じ気持ちの人が沢山いて救われた。少し落ち着いた。するとロッカー室の外から馴染みの先輩の声。「ガッキーが結婚したって!!」。ロッカー室から出てその声に向かって駆けていく。どうしよう、星野源結婚しちゃった。そう伝えると始めは笑ってくれたが、その後どうしようしか言わなくなった私を本気で心配してくれた。仲の良い先輩なので気が緩み、涙がこぼれそうになった。両手で顔を覆い、後ろを向いて涙を拭う。ロッカー室へ戻ったら先輩がミルク飴をくれた。甘くて美味しい。いくらか落ち着いて、LINEで来た安否確認を見て笑って、仕事に戻る。でも仕事なんて手につかない。事情を知っている仕事仲間とすれ違うたびに帰りたい、と呟いた。どうしよう私、明日来れないかもしれない、と。ラスト15分はやることもなく、じっと椅子に座っていた。後輩が心配して声をかけてくれた。星野源が結婚したんだってとさっき少しだけ話した。「まじでつらそうですね」。私が一点を見つめて重たいオーラを出していたらしい。ありがとう、と心なく笑う。重い足取りで退勤した。そっかぁ、と何度でも言ってしまう。もちろんとっても喜ばしいことなので祝福したい気持ちはある。でもなにか、心に大きな穴が開いたような。『推し、燃ゆ』でいうところの背骨を抜かれたような感じ。立ってられない。でもお祝いだし、お祝いだからとセブンでパフェを買った。星野源が結婚した世界線が始まる。私は生きていけるだろうか。今日は大好きな人が結婚した日。

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