04/15
母親の付き添いで病院へ。付き添いが必要なほどのおばあちゃんではないのだが、なんとなく暇だったから付いてきた。私が大学病院へ通っていたとき、一度だけ母親が付き添ってくれたことがあった。ただ荷物を持って隣に居てくれただけなのに、その安心感たるや。それを返せればと思った。親孝行のひとつとして。暇だったからと適当なことを言いつつ、そんな思いが秘められている。病院へ向かう。混み具合はどうだろう。それによっては車で待つことになる。診察室の前はやや混雑していたが、廊下の椅子は空いていた。私はここで待ってるね、と荷物を預かって母親を見送る。と思ったらすぐに戻ってきて、一緒に検査室へ向かう。検査室前の椅子で名前が呼ばれるのを待つ。水を買ってくると言うので代わりに買いに行った。近くの自動販売機はアルプスの天然水が準備中、少し離れた自動販売機まで探しに行く。買っている間に名前が呼ばれるのではと少し早歩きをした。そんな不安をよそに無事に手渡すことができた。名前が呼ばれる。そこからしばらくの待ち時間。母親を見送ると同時にトイレに立ったらさっきまで座っていた椅子が埋まった。患者ではないし椅子に座って待ってなくてもいいかと病院内をうろうろし、コンビニに入った。ここのコンビニに並んでいる美味しそうな大きい豆大福がずっと気になっている。私がここに通院していた2月の終わり頃から。2個買って母親と食べようかなと見ていたが、ランチを何にするか決めていなかったので一旦保留にした。うろうろとしてばかりも居られないので空いた椅子を見つけて座った。じっと待つ。こうゆう時にスマホを取り出してしまいがちだが、あえてスマホを見ない選択をする。最近、スマホばかり見てると自分の人生の主役がスマホになってしまうなと恐れ始めた。自分の人生の主役は自分でなければ。なので極力はスマホを見ないようにしている。ぼーっと待っていると母親が戻ってきた。鞄を渡して会計窓口へ。会計が出るまでの間に豆大福の話をしたら母親もずっと気になっていたようで、買って帰ることになった。ランチはどうしようかとなり、サラダバーがあるお店へ行くことになった。サラダバーなら豆大福は夕方に食べた方が良いなと思ったが、車に戻った途端その信念は崩れ、母親も同時に崩れ、すぐに開けて食べた。めちゃめちゃ美味しかった。これぞ最高のカロリーの取り方。今日もなにもない一日だった。
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