05/09

本気でお菓子作りをした。本気の本気。手抜きは一切なし。いつもならこの辺でいいかなと思うところから、更にその倍くらいの手をかけた。今回作るのはクッキー。レシピは10年以上前から作っているもので、このレシピで作ると世界一美味しいクッキーが焼ける。お菓子屋さん、パン屋さん、市販品、手作り。いろんなクッキーを食べてきたが、どのクッキーよりもこのレシピが一番。大差を付けてランキングトップである。もう殿堂入り。大好物がゆえに食べすぎてしまうのでしばらく作るのを自粛していたほど。最後に作ったのが3年前くらいだろうか。もっとかも知れない。しばらく時間が空いたので、レシピを改めて読み込んでから作ることにした。なんとなくで作っていた工程を再確認したり、新しい発見があったりもした。今まで作っていた大きさは少し大きいことが判明した。だから目安の枚数より少なかったんだな。直径3センチを推奨されていたのに、5センチくらいで作っていた。食いしん坊かってな。大きいのも好きだけど今回はちゃんとレシピに即して作ることにした。今まで省いていた面倒な手順も、ひとつひとつ丁寧に。最近買ったエプロンをして、頭にはバンダナの代わりにタオルを巻き、マスクを付ける。手をしっかりと洗う。人にあげる予定なので衛生面に最大限の気を使う。最初にバターをなめらかにする作業。予め常温に戻しておくのが定説だが、さっき買ってきたばかりなので固い。これをクリーム状にしなきゃいけない。バターを入れたボウルを抱えて、体温で温めながら伸ばしていく。電子レンジを使うとバターの風味が飛び、生地がどろどろになるのでNGらしい。自分で食べる時は気にしないが、今回は本気なので手を抜かない。少しの塊もない、完全なクリーム状にした。そこに粉砂糖、卵黄、バニラエッセンス、小麦粉。それぞれの工程ごとに完璧に混ぜ合わせた。別でココア生地も作る。ココア生地は少し手を抜くと均一な茶色にならないので念入りに混ぜる。できた生地は棒状に成形して冷蔵庫に入れる。この工程を経るクッキーはアイスボックスクッキーと言うらしい。生地が固まったら包丁で切って天板に並べ、焼いていく。プレーン生地とココア生地の組み合わせと、型抜きクッキーも同時並行で作製。焼き上がり、少し冷めてからひとつ。最高に美味しい。マジでこれは世界一。続けて20個くらい食べた。幸せ。今日もなにもない一日だった。

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