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英語で学ぶこと 英語で伝えること

英語ができるようになりたいと思って英語科の短大に進学したのですが、入学して最初にオリエンテーションで言われた事が私にとって結構な衝撃でした。

「英語を学ぶのではなく英語で学ぶことが大切。そして英語で何を伝えられるか。週末は何してたのという話をできるようになるのが目標ではありません。自衛隊の派遣についてどう思うかといったことについて、自分の意見を英語で伝えられるようになることを目指すのです。」

英語は目的なのではなく手段であるということを、その時に教えられたのでした。そしてその手段を手に入れるためにはもちろん英語を学ぶということが必要です。英語がわからなければ英語で文献を読むことはできません。自分の意見を英語で伝えることもできません。なのでまずは英語を学ぶ、ということが必要不可欠なプロセスです。でもそこを目標にするのではなくて、目標をその先に置く。英語を使って何をするのか、何ができるのか、何をしたいのか。

ただ英語を学ぶためだけの勉強であれば、きっとその勉強はあまり楽しくないのではないかという気がします。その先の目標があるからこそ英語学習が楽しくなるし、学習を継続していけるのだと思います。そして書かれている内容、話されている内容に関心があるからこそ、理解したいという気持ちが生まれるのだと思います。

短大での2年間、最初の1年で、英語の基礎をしっかりと叩き込まれ、2年目では色んなテーマについて英語で授業を受けたり、英語でディスカッションをするということを中心にしていきました。私の人生の中であの2年間が最もよく英語を勉強した時期であったと思います。その後もずっと英語学習は続けているのですが、それでもあれだけの時間をかけて集中して英語を学ぶということをしたのはあの時だけであったという気がします。でも、そのおかげで私の英語力は高められたのだと思います。あの2年間がなければきっと、「留学せずに英語を習得する」という私の目標は達成できなかったのではないかと思っています。

そしてまた、入学後にオリエンテーションで言われた、「英語で何を学ぶのか、英語で何を伝えるのか」ということがその後もずっと私の中でとても大切なものとして位置づけられています。今は、講師や翻訳といった英語力が物を言う仕事をしているので、高い英語力を持っているということは大切です。そして、そのためには英語を学び続けるということが大切だと思っています。それでもやはり、英語で学ぶ、英語で何かを伝えるということを忘れずにいたいと思うのです。それがあるからこそ、生徒さん達に英語を学ぶ楽しさを伝えられるのではないかと思います。それがあるからこそ、翻訳する時に読み手のことを考えた翻訳ができるのではないかと思います。

学びたい何かがある。伝えたい何かがある。そのことが英語を学ぶ原動力になるのだと思います。テストの点数だけにとらわれてはいけない。テストでは測れない大切なものがあると思うのです。

自分の話す英語、書く英語が、完璧である必要はない。間違いのない英語を話すことが大切なのではない。自分の思いを伝えることが大切なのです。そしてその思いを伝えるために英語を使うのです。間違えないことを目標にしない。気持ちを伝えることを目標にする。そして、相手が伝えようとしている思いを理解することを目標にする。そこにコミュニケーションが生まれるのだと思います。

英語を学ぶことを目標にしない。
英語で学ぶこと、英語で伝えること、相手を理解することを目標にして、そのために英語を学ぶことが大切なのだと私は思うのです。

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