kuro.

読んだ本や考え事を備忘録がてら荒唐無稽に書いています。 読み物として楽しむ英単語帳マガ…

kuro.

読んだ本や考え事を備忘録がてら荒唐無稽に書いています。 読み物として楽しむ英単語帳マガジン『1日1語』もご笑覧ください。

最近の記事

翻訳研究:W. Whitman,"Song of Myself"の一節より

序:愛読書の話力強い文です。 この文の解釈1つを取っても英語力が問われます。 直訳すると「我々の世代は懐古的である」ですが、このままでは何を伝えたいのか分かりません。 この段落は、後続の文章において、この文と同じ内容を繰り返し言葉を変えながら述べています。 したがって「懐古的である」というのは「過去のことばかりを見ている」と、いうような皮肉を込めて訳したいところです。また、この「我々の世代」とは、大人を指しています。大胆に「子どもは過去を振り返らない」と捉えても差し支え

    • 俳句の英訳について模索する

      まえがき前回、上掲載の記事にて翻訳の可能性について思案しました。今回もそれに関連した翻訳の話です。 近年、英語学習に限らず、実利主義的な学習が目立つように感じています。実利とは、お金のために、出世のために、仕事を得るために、大学に合格するために、といった形が残る学習のことを指しています。 筆者は「これらの学習が悪だ」という主張をしているわけではありませんが、学習や教育の文脈において、詩や短歌といったものが軽視される傾向にある点にもったいなさを感じています。 ことばの学習

      • 英詩の翻訳から人工知能(情報)との付き合い方を思案する

        序人工知能は便利ですね。筆者も、WordPress で書いていた文章を「マークダウン記法」に変換してもらうために活用したことがあり、これが大幅な時短となって助かったことを思い出します。 一方で、注意を向けなければならないこともあると考えています。多くの方々が既に述べていますが、"hallucination (幻覚)" と呼ばれる「事実と異なる回答」との付き合い方です。 一般的に、人工知能(大規模言語モデル)の回答は、"collocation (連語、連結語)" に強く依存

        • Power Automate と Power Automate for desktop

          皆さま、JPPC2023の全日程お疲れさまでした。関係者の方々におかれましては改めて御礼を申し上げます。 ということで、過去、自分用の整理を目的に書いていた Power Automate と Power Automate for desktop の相違点を、大体 Word 1ページ分くらいの文量でまとめ、1日目のカレンダーの穴をひっそりと埋めておきます。 サムネイルに採用した、趣味で書き進めている Power Apps の教材にも一部収録しているもので短めにまとめてみまし

        翻訳研究:W. Whitman,"Song of Myself"の一節より

          趣味で書いているPower Apps教材の前書き

          本日は2023年12月8日。2023年 Qiita アドベントカレンダーの6日目に空きを見つけたので、趣味で書き進めている、出版の予定も公開の予定も決まっていない Power Apps の教材の内、前書き部分を抜粋して載せておきます。二重の意味で「穴があったら入りたい」ですね。恥ずかしいですが寂しいので。 以下、コピペPower Platformにようこそ。 その入口に本書を選んでいただきありがとうございます。 タイトルの通り、これから皆さんには Power Apps を起

          趣味で書いているPower Apps教材の前書き

          「よい教師」再考

          かつて、自分の恩師から「よい英語教師になってください」と言われたことがあります。当時は学部3年生頃のことで、半ば斜めに構えて世間を見ている私には、その含みのある言葉の意味がよく分かりませんでした。 きっと、当時の「今だって現職の教員以上の実力はある」という傲慢な態度から来る開き直りが、その真意を見えなくしていたのだと振り返ります。 それから5年後に英語教員として約5年、さらに1年を Power Platform や Microsoft 365 の講師として過ごしてきました

          「よい教師」再考

          社内研修向けのPower Appsの教材を作ってみました

          序Qiita アドベントカレンダーの記事として、先月「Power Apps の教材を作ってみた」という記事を投稿しました。  記事を要約すると「独習の環境は充分すぎるほど整っている一方、それでも学習に踏み込めない人たちの存在の方が世の中の大多数を占めている」というものでした。  それに対抗する策として「何から始めれば良いのかが分からない人々のために、学習の初期段階では、手取り足取り用意する」必要性を上のイベントでお話させてもらいました。  今回、その提案として作成してい

          社内研修向けのPower Appsの教材を作ってみました