マガジンのカバー画像

授業のヒント

58
今日から授業で使えるアイデアやSmall Talkの実践例を紹介しています。
運営しているクリエイター

#スモールトーク

小・中#16-2: “What do you do in your free time?” 「時間があるとき、何をしますか?」(後)

前回から、「時間があるとき、何をしますか?」に関連する表現を用いたやり取りを考えています。 英語で自己紹介に取り組むとき、“What’s your hobby?” 「趣味は何ですか?」という表現を覚えて言ったりすることがあります。 自分自身で “My hobby is reading books.” と言うのとは異なり、「趣味は何ですか?」とたずねられたときに、これまで趣味と明確に意識して続けてきたものがない場合もあるのではないでしょうか。 そして、“Well, I don

小・中#16-1: “What do you do in your free time?” 「時間があるとき、何をしますか?」(前)

「暇なとき、なにしてる?」 こうたずねるのは、時間があるときに相手がどのように過ごすのだろうと知りたくなった場合や、暇なときの過ごし方のヒントが欲しい場合などでしょうか。 "What do you do in your free time?" や "What do you like to do when you have time?" それぞれの返答となる "I read books in my free time." や "I like to read books whe

小・中#15-2: “What subject do you like?” 「好きな科目は何ですか?」(後)

前回は、「科目」というトピックについて、指導者のモデル発話に続く「児童への最初の問いかけ」について考えました。 実際の授業でもよく使われる “How about you?” というフレーズでは、特に直前の指導者の発話が長い場合など、児童が何についてたずねられているのか分からないことがあります。 “How about you?” は「あなたはどうですか?」と問いかける時に便利なフレーズである一方で、状況によって具体的な問いを添えるなどの配慮が必要であることに触れました。 今

小・中#15-1: “What subject do you like?” 「好きな科目は何ですか?」(前)

時間割は学校に通う児童生徒であれば、一日に何度も目にするもの。「次は何の時間かな」と、何度もそこに書かれている科目名を見て、次第に暗記してしまったりします。好きな科目のある曜日は心がウキウキしたり、逆に苦手な科目のある曜日はドンヨリしたり・・・。科目の好き嫌いが、曜日の好き嫌いに影響することもあったり・・・。 今回は、その「科目」についてのやり取りを考えます。 いつものように指導者が、既習の表現をうまく盛り込みながら、科目について自分の思いや考えを語ります。 T: Lo

小・中#14-2: It’s “Milk Chocolate Day!” 「ミルクチョコレートの日です」(後)

前回、“Milk Chocolate Day” をきっかけに、「チョコレートの種類」や「チョコレートが好きかどうか」、「夏でもチョコレートを食べるかどうか」を聞いたり、チョコレートが苦手な児童のことも考えて「どのようなお菓子(おやつ)を食べるか」を尋ねたりする、簡単な Small Talk を考えました。 What で始まる疑問文や、Yes / No で答える疑問文だけでは、せっかくの Small Talk が機械的な「質問と答え」の繰り返しになってしまいます。何か「特定の

小・中#14-1: It’s “Milk Chocolate Day!” 「ミルクチョコレートの日です」(前)

今年度、学校の夏休み期間は全国さまざま。 まだ学校が続いている地域では、外国語の授業で次のような Small Talk が聞けるかもしれません。 T: What’s the date today? Ss: It’s July 28! T: Yes, it’s July 28. And what day is it today? Ss: It’s Tuesday! T: Yes, it’s Tuesday today. Then, what day is to

小・中#13-2: It’s “Save the Koala Day!” 「コアラの日です」(後)

前回、「動物」を大きなテーマに、「既習表現を使ってこれだけのことが話せるよ」というモデルを指導者が示した後、以下①または②の問いかけで始める Small Talk のはじめの部分を考えてみました。 ① (I like animals.) Do you like animals? ② (I like dogs.) Do you like dogs? 問いかけに答えた後で、児童が自由に「プラスワン」で、何かさらに自分に関わる詳細を伝えやすい環境を整えるには、最初の

小・中#13-1: It’s “Save the Koala Day!” 「コアラの日です」(前)

小学校高学年では、今年度から教科になった「外国語」の学習を通して、児童は600~700語の英単語に触れることになっています。 まだ英語学習が始まって間もない時期に、こんなにたくさんの単語をどうやって導入するのだろう・・・と心配される方がおられるかもしれません。ですが、英語学習を始めた直後は、目の前にある「もの」を英語で表せることが楽しくてたまらない段階。そして、小学校高学年特有の興味・関心に沿って、児童には「英語で何と言うのか知りたいもの」がたくさんあるのです。 中学校英

小・中#12-2: What time is it? 「今何時ですか」(後)

前回から “What time is it?” 「時間を尋ねる」をテーマにSmall Talk の展開を考えています。 「時間を尋ねる」言い方として “What time is it?” という表現を導入する時には、「まとまりのある表現」に音声で慣れ親しみ、それを単語ごとに区切って構造を細かく気にすることなく、とにかくそのまま言ってみることを大切にします。すなわち「音のまとまり」として真似て発音しながら、いつのまにか自分で言えるようになっている。授業はじめに毎回、指導者が児

小・中#12-1: what time is it? 「今何時ですか」(前)

携帯、スマホ世代では、腕時計を持ち歩かない人々が増えてきたという話を聞きます。その中で、「今何時~?」と叫ぶことも、あまりなくなっているのかなと改めて気づく・・・今回はこの「時間を尋ねる」というテーマを扱います。 What time is it?これは毎回の授業のはじめに、ウォームアップも兼ねたやり取りの中で、指導者から児童に投げかけられることが多い「疑問文」です。例えば2時間目が午前10時35分からだとすれば、ほぼ毎回 T: What time is it? Ss:

小・中#11-2: It's hot today.「今日は暑いですね」(後)

前回から、“It’s hot today!” (今日は暑いですね)と指導者が発したことばから、Small Talk の展開を考えています。継続的に行う言語活動だからこそ、「今日はここがポイントだな」という、考えをまとめる視点を工夫することを大切にします。 キーワードが “hot” であれば、“Do you like hot weather?” と好き嫌いを児童に尋ねていくと、「暑さが得意or苦手」の二者択一で話が進んでしまいがちです。そこで前回は、指導者のモデルを次のように

小・中#11-1: It's hot today.「今日は暑いですね」(前)

7月になりました。学校現場でも「新しい生活様式」の中で、様々に工夫を凝らした「学び」が継続されています。Small Talk も「ペアやグループワーク」の一部と認識されて実施しづらい活動と伺っています。 そのような中でも、本記事をお読み下さっている先生方に、ふと授業の中で「児童生徒に問いかけるヒント」、「児童とのやり取りのヒント」となることがあれば・・・と願いつつ、今回も Small Talk の展開例について考えます。 【言語活動の始め方について・・・】 日々の授業に、「

小・中#10-2: Tell me about your town.「町には何がありますか」(後)

ell me about your town." 前回は、この問いかけに児童が英語で答えられるようになることを目指して、「町にあるもの」、「町にないから欲しいもの」などについて話すための基本的な語句や表現に親しむ場面を考えました。 前回までの展開例 〔概要〕まず施設や建物、町を説明するための英語表現に、音声から慣れしませるやり取りを行いました。最終的に児童が「自分の伝えたいこと」に照らし合わせて「選んで」使えるように、指導者が向き合う児童に合わせて用意した語句や表現を取り上

小・中#10-1: Tell me about your town.「町には何がありますか」(前)

小学校では社会の時間に自分たちが住む町(地域)について学習します。 そこで得た知識や情報を基に、英語の時間でも「自分の住む町」について伝える活動をしてみましょう。 今回は "Tell me about your town." という問いかけに英語で答えられるようになることを目指して、「町にあるもの」、「町にないから欲しいもの」などについてやり取りを考えてみます。 1.町(地域)について話すために必要な語彙を確認するまず「町について話す」ために、これから行うやり取りで児童が伝