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読んでよかった2021ランキング

【読んでよかった2021】
 今年は200冊くらい読書したので、読んでよかった本を紹介して1年を振り返る。1冊1冊で感想を述べると長文になってしまうので、印象に残った一説を掲載。なお、読書対象は主にkindle unlimited、kindleセールで小説・ビジネス系が多い。2022年からはnoteに読書感想をアウトプットしていこうと思う。できる範囲で。


1位 『蒼穹の昴シリーズ(蒼穹の昴、珍妃の井戸、中原の虹、マンチュリアンリポート)』


堂々の一位。梁文秀・春児の出世道、李鴻章将軍のネゴ、張作霖の男気、宋教仁の演説、格好良すぎる。


1.1 王逸「不幸の原因は論語読みの論語知らずばかりが国を支配したから」
1.2 梁文秀「簡単なことを難しく述べるのは簡単だが、難しいことを簡単に言うのは難しい。まこと才子の芸だな。」
1.3 周老爺「汗水流して働く者は何を食べてもうまいのさ。その証拠に、万歳爺も老祖宗も、わしの出した料理をうまいとは言わなんだ。腹がへってないのだから仕方ない」
1.4 春児「富と豊かさとの何であるかを、つくづくと思い知らされました。 人間の幸福は決して金品では購えない。人を心から愛すること、そして人から真に愛されること、それこそが人間の人間たる幸福なのだと、慈禧様は御身を以て私に教えて下さいました。肌の色がちがう、ふしぎな風土と習慣で彩られたこの国の民を、同じ人間として、心の底から愛して下さい。それだけが──すべての人間に幸福をもたらす、唯一の方法なのですから。」
1.5 宋教仁「私は学問を修めた。少なくとも賢人と呼ばれる自負はある。しかし読み書きすらできぬ人が、さまざまの知恵を持っていることも知っている。だからこそ自分が賢人であると自負はしても、人民を愚民だなどとは考えない。」
1.6 張作霖「「孔子様はどういうおつもりか知らねえが、親の都合ばかり言いやがる。ところがどっこい、子分が忠義な分だけ親分は弱くなるもんだ。おかげで偉いやつほど偉くねえのが今の世の中さ」
1.7 宋教仁「賢人支配による専制は、愚民思想に基く。」
1.8 趙爾巽「おのが利を考えるは悪。他者の利を考えるは善。だが、さらなる上善がある。過去の歴史を鑑み、現在の状況を思料し、もって未来の他者に利をもたらすこと、それが人としての上善である。」
1.9 志津邦陽「軍人は忠義であるよりも、正義でなければならぬ。」


2位 『サピエンス全史シリーズ(サピエンス全史、ホモデウス、銃・病原菌・鉄)』


kindleセールに釣られる。以下、好きな一節記すが、サピエンス全史もホモデウスも、訳者あとがきが心のモヤモヤを認識・言語化するのに優秀すぎる内容。訳者・柴田裕之さん最高。


2.1 サピエンス全史「新世代のサピエンスは、およそ七万年前に獲得した新しい言語技能のおかげで、何時間も続けて噂話ができるようになった。誰が信頼できるかについての確かな情報があれば、小さな集団は大きな集団へと拡張でき、サピエンスは、より緊密でより精緻な種類の協力関係を築き上げられた」
2.2 サピエンス全史「人類は農業革命によって、手に入る食糧の総量をたしかに増やすことはできたが、食糧の増加は、より良い食生活や、より長い余暇には結びつかなかった。むしろ、人口爆発と飽食のエリート層の誕生につながった。」
2.3 サピエンス全史「歴史上の戦争や革命の大半を引き起こしたのは食糧不足ではない。フランス革命の先頭に立ったのは、飢えた農民ではなく、豊かな法律家たちだった。」
2.4 サピエンス全史「神話は誰一人想像できなかったほど強力だったのだ。農業革命によって、混雑した都市や無敵の帝国を打ち立てる機会が開かれると、人々は偉大なる神々や母国、株式会社にまつわる物語を創作し、必要とされていた社会的つながりを提供した。」
2.5 サピエンス全史「『幸せは身の内より発する』お金や社会的地位、美容整形、壮麗な邸宅、権力の座などはどれも、あなたを幸せにすることはできない。永続する幸福感は、セロトニンやドーパミン、オキシトシンからのみ生じるのだ。」
2.6 サピエンス全史「読書の醍醐味の一つは、自分の先入観や固定観念、常識を覆され、視野が拡がり、新しい目で物事を眺められるようになること、いわゆる「目から鱗が落ちる」体験をすることだろう。」
2.7 ホモデウス「何でも好きなことができる──方法さえ見つけられれば。私たちを束縛するものは、自らの無知以外、何一つない。」
2.8 ホモデウス「飢饉と疫病を克服できたのは、資本主義が成長を熱烈に信奉していることに負うところが大きい。人間の暴力を減らし、寛容さを育み、協力を促進した手柄の一部さえ、資本主義に帰せられる。」
2.9 ホモデウス「矛盾するようだが、私たちは空想の物語のために犠牲を払えば払うほど執拗にその物語にしがみつく。その犠牲と自分が引き起こした苦しみに、ぜがひでも意味を与えたいからだ。」
2.10 ホモデウス「最も興味深い新興宗教はデータ至上主義で、この宗教は神も人間も崇めることはなく、データを崇拝する。」
2.11 ホモデウス「古代には、力があるというのはデータにアクセスできることを意味した。今日では、力があるというのは何を無視するかを知っていることを意味する。」
2.12 「科学は一つの包括的な教義に収斂しつつある。それは、生き物はアルゴリズムであり、生命はデータ処理であるという教義だ。」

3位 『貴志祐介シリーズ(黒い家、悪の教典、天使の囀り、クリムゾンの迷宮、ダークゾーン、青の炎、雀蜂、十三番目の人格…よかった順)』


サイコパス系読み物として秀逸。どの小説だったか忘れたけど、人類はサイコパスに進化する、というのがなぜか腑に落ちる。悪の教典で感じたのは、会社ではハスミンのように、IQが高く、コミュニケーション能力(?)が高く、感情の起伏が少ない(無い)人が理想のビジネスマンではなかろうか。サイコパスである必要はないが、求められる能力を足し合わせるとサイコパスになる。逆に、家庭教師の石田憂実や生徒の片桐怜花のようにEQが高い人は、現代で生きづらく、集団の中では心をすり減らされる。たとえIQが高くても、直線的に目的に向かうサイコパスにアドバンテージがある。


4位 『新訳 ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方 (角川書店単行本)』(ジェイ・エイブラハム著)


他のマーケティング本よりよっぽど本質的。個人事業主の友人にプレゼントしたい実践向き名著。良かった。


4.1 「マーケティングは問題解決」この人の理論でしたか。
4.2 「断ることができないオファー ──購入を妨げる最大の障害を取り除くリスクリバーサル」
4.3 「ビジネスを大きくする方法は、たった3つしかありません。 
1 クライアントの数を増やす 
2 クライアント1人あたりの平均販売額を増やす 
3 クライアントが購入する頻度を増やす」


5位 『ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(フレデリック・ラルー, 嘉村賢州, 鈴木立哉 著)


無駄に強いガバナンスやPDCAによる経営は社会主義的と言う意見がすごく刺さった。行政の起業者支援で感じていた違和感はこれによる。


5.1 「一国の経済はソビエト連邦スタイルの中央計画委員会の強権的手法によって運営されるのが最適だ、という発想への信頼はすでに地に落ちてしまっている。無数の参加者(略)注意を払い、意思決定をし、参加者同士で調整する自由市場というシステムの方がはるかによく機能する(略)」
5.2 「自転車の運転は事前に一度スイッチを押しておしまいではなく、常に追加的な運動を少しずつこなしていく継続的な作業です。目を開いて、さまざまな方法でデータを取り込みながら動き続けなければならない、意識的な動きなのです。」
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