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第92回アカデミー賞

少し経ちましたが、映画「パラサイト」が監督賞、作品賞、脚本賞、国際長編映画賞と、なんと4冠もとりました。過去のアカデミー賞を振り返っても今までないことですし、とんでもない快挙です。同じアジア人として本当に嬉しいですし、刺激にもなりました。映画も好みはあれどとても素晴らしいことです。

さて映画の内容はここでは書かず別の視点で書いていこうかと思います。

今回の受賞で日本映画は他国と比べて遅れているとか、あとは予算が全然違うからとか、そんな内容のツイートをたくさん目にしました。すごく悔しいですし、事実な面もあります。ただ僕は実際にプロの商業の制作現場に行ったことはないですし、むしろわからないことの方が多いです。でも一つ言えることは日本の映画も素晴らしい作品はたくさんあるということ。それに国際的に活躍している監督もたくさんいる。その作品、監督に目を向けて、少しずつでもいいから映画の素晴らしさを広めていくことで、それが日本中に広がり、世界を狙った作品につながっていくのだと思う。

僕もその1人になりたいと思う。このまま燻ったまま終わりたくないというか、日本の映画界を変えたいというか。

「いやいや、お前みたいに名もない監督が何を言っとるんや。」と。

そりゃ、ポンジュノ監督と比べたら僕なんて何億光年も後ろの人間です。でもアカデミー賞がすべてではないにしても、こうやって世界と戦える映画を作りたい、そしてそれが世の中のためになる映画でありたい。

今回のアカデミー賞では、カズ・ヒロさんが、2019年公開の映画『スキャンダル』の特殊メイクを担当し、2度目のメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞されました。2019年3月に日本国籍を離れて、米国の市民権を取得。米国に帰化されています。「日本の経験が受賞に生きたか」と質問されると下記のように答えてます。

「こう言うのは申し訳ないのだが、私は日本を去って、米国人になった」「(日本の)文化が嫌になってしまったし、(日本で)夢をかなえるのが難しいからだ。それで(今は)ここに住んでいる。ごめんなさい」

これを聞いてなんかとても悲しくもなってしまった。これほど素晴らしい技術と知性、そして知名度のある方に、日本はそういうところだ、そしてそれをアカデミー賞の場で言われたこと。メッセージでもあるし、芸術家として、日本の社会での生きづらさをメディアを通して言われた。

それに対して、「そんなことない!日本でも夢は叶えられる!」と声を大にして言えず、自分もそのことに対して共感を感じているからこそ悲しい気持ちになったのだ。でも僕は日本は好きだし嫌なところも、良いところも引っくるめて素晴らしい国だと思ってる。

もっともっと世界に出て行く監督が増えていけば、日本の閉鎖的なところも変わっていくのではないかと思う。もっともっと世界に目を向けて、国境を越えていきたい。

僕もそんな作品をこれからも作っていきたい。

ぴあ

写真はフィルムSX-70


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