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光文社文庫本『小説あります』

『小説あります』は、『おさがしの本は』の姉妹編(?兄弟編)で、読み出して思い出した。・・・・
そういえば、『おさがしの本は』も読んでいたのだった。

これは、とても興味深い。
なぜ小説を読むのか?、人はどうして小説を読むのであろう?、そんな思いが、兄弟(そこに姉も加わってくるが)の間で議論されていく、そこにミステリーの要素も加わって、豪華お膳立てになっている。

そのミステリー要素というのは、徳丸敬生という作家の遺稿本に本人自筆のサインがあったことで、もしかして徳丸は死んでいないんじゃないか?
&その本にまつわる秘密が解き明かされていく構成にもなっていることだ。
そのサイン本を、たまたま見つけてしまった老松郁太が、市立文学館に勤務していて、
この文学館が経営的存続困難から廃館が決まっていて、その状況設定が、『お探しの本あります』の図書館存続状況やいかに?といったものと同様で、実際、『お探しの本あります』での主人公たる人物が、この『小説あります』にも出てくる。

著者、門井慶喜は2003年に『キッドナッパーズ』でオール読物推理小説新人賞受賞でデビュー、2018年『銀河鉄道の父』で第158回直木賞受賞。
私は、この『銀河鉄道の父』で初めて門井慶喜の小説を読んで、以来何冊かの本を読んでいた。さほど多くはない。

とにかく、
なぜ小説を読むのか?、これは私にとっても興味深い命題であり、門井慶喜の『小説あります』、とても面白く、読み終えた。

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