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『ゆれる』、と

『ゆれる』(2006.西川美和監督)と、『空中庭園』(2005.豊田利晃監督)を、続けてみた。

どちらもみ、家族に関するものだった。

『空中庭園』(2005)は、『家族とはなんなのか?それを知りたくてこの小説を書いた。書いてもみつけられなかった答えをこの映画はみせてくれた』 との角田光代のコメントがパッケージにあって、これに興味をひかれて(家族とは?僕も大いに疑問感あるし。)借りたのだったのだ、が、・・? ダメだった。
カメラが回転したり揺れてる映像がでてくるし、映像だけのシーンの間が長く感じられて、つい早回ししてしまった。 いったいに、その映像はなにゆえなのか?僕にはとても不快だった。

『空中庭園』は『家族とは?』とのモチーフらしいが、なんか深みがない。家族関係がなんかドロドロしてない感じ。

姉と弟の二人の子持ち夫婦の四人家族なんだけど。 高校生の姉は両親が仕込んだというラブホテルにボーイフレンドとしけこむし、中学生の弟は(実は父の遊び相手の)女性の家庭教師に無関心みたいだし(父とケンカしたりしないし)、父親は五年も妻に夜の相手してもらってないとかいって他の女性と遊んでる(プロの商売女性じゃなくて)し、妻の母親は出てくるが父側の縁者は出てこないし・・・
それでいて『我が家には隠し事はないの』とかいって食事だけはみんな揃って食べる。。
 原作者は、この映画の(映像の)どこにその答えをみつけられたというのだろうか??僕にはとても不思議に思えてしまう。
確かに、表面上は家族と(まるで学芸会のように)演じてる、ようにはみえる、だろう。 けど、こぉんな中学生の男の子いるかなぁ~~・・? もっとグレるとか白けるとか反発するとか、なんか違うような感じ。 よくわかんない。

妻の母親、つまりおばあさんも出てるんだけど、この母娘の関係も・・??

そういや、そのおばあさんの夫、つまり妻の父親がどこにもでてなかったと思う、おばあさんの夫の存在がどこにも感じられない。
シングルマザーで育てられたんなら育てられたでそれなりなシーンがあっていいはずだが・・

『ゆれる』、は、まいった。

『ゆれる』のカメラは、どっしりとしてた。 

映像だけのシーンもあるが、カメラはどっしりと演者をとらえ続ける。。静かにゆっくりと動いたりズームインしていくくらいはある。僕も見つめてしまう。
兄弟の関係に焦点があっているけれど、、まぁ、家族とは?に通じてると思う。 
腹違いの弟がいる僕としては、どうしてもこちらの映画により強くひかれる。 

『ゆれる』という題だけれど映像はどっしりしていて、対して『空中庭園』はなんか不快なカメラワーク映像だった。

 兄が香川照之、弟がオダギリジョー。この二人の(やりとりの)演技がみものだったし、、つまりはそれを引き出した監督のすごさ・才能の素晴らしさに、感じ入った。

香川照之は、もともとすごい役者だとは思ってた。(だから映画俳優を辞めて歌舞伎の世界に自分の息子(つまりは市川猿之助の孫)ともども入ってしまうのは実に惜しいと思っていた)
今回も、その素晴らしさをまざまざと見せられた。

 なんという表情ができる人なんだろう。

・・確か『SP革命編』だったか? 堤真一との絡みで、香川照之のが断然迫力あったね。(*^_^*) あ。『SP革命編』に真木よう子も出てる。『ゆれる』でも、か。

 香川照之、映画に出すぎなんじゃない?って程だけど、気にならないね(竹中直人に比べて(*^_^*)竹中直人はなぁ~~…) 

『ゆれる』。ひとつだけ。ひっかかったのは。蟹江敬三。二人の父親の兄、らしいのだけど、、始めの方の法事のシーンに出てなかった??。なんで?

・・・弟役のオダギリジョー。写真家という設定だからか?この二人が兄弟。てことなんだが。さて?このキヤスティングはいかに。?

西川美和、映画監督、、いいね。別のもみたくなりました。




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