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超大作アクション映画、前後編の前半戦 『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

7月21日(金)公開 全国ロードショー

■あらすじ

 ロシアの最新式ステルス潜水艦が、自ら発射した魚雷によって沈没した。何者かが艦の基幹システムに侵入し、外部からの攻撃を偽装したのだ。現場からは基幹システムを封印する2本のカギが持ち去られた。

 2本のカギは組み合わせて1本のカギとして機能するが、現在は別々の手に渡って国際的な闇ブローカーたちが血まなこになって追いかけている。IMFのエージェント、イーサン・ハントと彼のチームの新しい任務は、このカギを奪い取ることだった。

 カギの1本を持っているのは、イーサンのかつての仲間イルサ・ファウスト。賞金稼ぎたちに狙われていた彼女は、イーサンに救出されて再びチームに合流する。

 このカギの役目や目的を知るためには、カギを一度買い手に引き渡して、その正体を探らねばならない。イーサンたちは買い手と接触するため、アブダビ国際空港に向かう。だがそこに現れたのは、イーサンにとって忘れられない意外な人物であった……。

■感想・レビュー

 トム・クルーズ製作・主演の、スパイアクション映画シリーズ第7弾。監督・脚本は前作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)と同じクリストファー・マッカリー。シリーズ映画なので以前からの話のつながりがなくもないのだが、5年ぶりなのでこちらもほとんど前の話を忘れているし、過去のいきさつを知らなくても特に困らない仕上がりになっている。

 前後編二部作の前半にあたる映画で、後半は来年同時期に公開されるとのこと。今から楽しみでしょうがない。

 上映時間2時間40分は、サスペンスとアクションの休むことなき連打。コミカルなシーンもあればシリアスなシーンもあるのだが、どこかでお腹いっぱいになってしまうでもなく、最後までワクワクドキドキ楽しめてしまうのはなぜだろう。

 コミカルなシーンと言えば、今回の映画には『ルパン三世』シリーズのファンなら手を叩いて大喜びするような場面が用意されている。イーサンが黄色のフィアット500で、ローマの街を爆走するのだ。きびきび走る軽量のフィアットとそれを追いかける無数の警察車両と重量級の大型車という絵は、まさに実写版『ルパン』だと思う。

 僕などはこれだけでも大満足なのだが、これは映画の中でも軽いサイドエピソードに過ぎない。次々に用意されている趣向をこらしたアクションシーンは、長編アクション映画4〜5本分のボリュームがあると思う。

 アクション映画というジャンルは映画の歴史とほぼ同じ長さの歴史を持っているわけで、もはやどんな作り手も「観たことのないようなアクションシーン」を作れなくなりつつあると思う。でもそれに果敢に挑んでいく、トム・クルーズという映画スターの素晴らしさ。

 1961年生まれのクルーズは既に還暦過ぎだが、観客に対するサービス精神には頭が下がる。昨年の『トップガン マーヴェリック』に続き、彼のことが大好きになってしまう映画だ。続編も楽しみ!

(原題:Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One)

ユナイテッド・シネマ豊洲(8スクリーン)にて 
配給:東和ピクチャーズ 
2023年|2時間43分|アメリカ|カラー 
公式HP: https://missionimpossible.jp/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt9603212/

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