映画史についてのメモ

 今から10年ぐらい前、映画専門学校で映画史を教えていた時期の前後に、授業用のテキストとして考えていた内容のメモが見つかったので覚え書きとして置いておく。

 今となっては「この項目で何を書こうととしていたのだろうか?」という部分もあるし、映画史の概略を知るためには必ずしも必要ない部分もあったりするのだが(個人的な趣味で項目に入れているもの)、大きな流れは今も変わっていないと思う。

 映画史の大きな流れとしては、映画が誕生した19世紀末から20世紀初頭が映画の黎明期。1910年代半ばから1940年代までが映画の黄金時代。1950年代から映画の衰退が始まって、1970年代に新世代が台頭。1980年代からは映画業界が再編されてビジネスとしての新時代を迎え、2000年代になってデジタル革命が起きる。

 映画通史を追いながら、主要な人物や事件をコラムとして配置し、各パートの最後に簡単な映画ガイドを配置する構成。

 このメモを作った時には2010年代以降の映画について「映画の終焉」という見出しを作っているのだが、この時点では「映画=film」の終わりという程度の意味だった。これがまさか、昨年のコロナ禍で文字通り終焉に向かうとは思わなかったけど……。

第1部 映画の黎明期

1890年代 動く写真の誕生
絵が動く仕組み
写真術
幻灯とパノラマ
エミール・レイノー
世界初のアニメーション
エジソンとウィリアム・ディクソン
リュミエール兄弟
1900年代 映画ビジネスの勃興
ジョルジュ・メリエスと世界初の映画スタジオ
実写から劇映画へ
さまざまな表現テクニック
一過性の娯楽からの進化
パテとゴーモン
ニッケルオデオン
MPPC
フィルムダール
映画は新時代の芸術
映画案内1
「月世界旅行」
「大列車強盗」

第2部 映画の黄金期

1910年代 映画の都ハリウッド
MPPCの追跡を逃れて
海賊業者が作った映画の都
メジャーVSインディーズ
インディーズの勝利
1920年代 サイレント映画黄金時代
ムービーパレス
映画理論
1930年代 映画の完成
メジャースタジオの完成
ビッグ5とリトル3
夢を生み出す工場
1940年代 第二次大戦とハリウッド
亡命者のハリウッド
フィルムノワール
テレビの発明
パラマウント訴訟
戦時体制
冷戦と赤狩り
ハリウッドの赤狩り開始
映画案内2
「イントレランス」
「キッド」「街の灯」
「戦艦ポチョムキン」
「風と共に去りぬ」

第3部 映画の衰退期

1950年代 テレビとワイドスクリーン
生ドラマからテレビ映画へ
ワイドスクリーンと立体映画
ヨーロッパの若い映画作家たち
ヌーヴェル・ヴァーグ
1960年代 メジャースタジオの衰退
ゴーストタウンになるハリウッド
インディペンデント映画
ロジャー・コーマン
アメリカン・ニューシネマ
1970年代 新しい作家たちの台頭
映画学校からハリウッドへ
ニューシネマの全盛時代
映画案内3
「ゴッドファーザー」
「ジョーズ」
「スター・ウォーズ」

第4部 映画ビジネスの再編 

1980年代 ビデオとシネコン
ハリウッドVSソニー
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
古典的な映画文法の復活
1990年代 新たなメジャースタジオ
メディア・コングロマリット
デジタル革命のはじまり
2000年代 デジタル革命
DLP
デジタル配信
デジタル
ODS
2010年代 映画の終焉
フィルム上映の消滅
コダックの倒産
映画案内4

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