映画史のレジュメ

 これは2007年頃に、映画学校の映画史の授業用に用意したレジュメ。実際にこれでテキストを作ろうとしたのだが、間に合わずに途中で放り出した。本文を少し書いている部分もあるのだが、今読むと小っ恥ずかしくて目も当てられない。

 映画についての概略は概ね網羅しているような気もするのだが、日本の正語映画史を黒澤明を通した紹介しようとしたのは僕の趣味。今ならまた別のやり方もあるような気がするけど、当時はこんなことも考えてました。出来事と人物の扱いがチグハグなので、項目だけ見てるとかなりとっちらかってます。

 映画の歴史というのはきれいに10年ごとに何かあるわけではないのだけれど、だいたいの区分として10年か20年ごとに区切っている。

前期

イントロダクション 映画史の全体像

映画史を学ぶ目的
映画史を学ぶことは何の役にたつか?
映画史の3つの要素 映画に関わる3つの業界 映画史の3つの時代区分

映画黎明期 19世紀末〜1910年代

映画の誕生 エジソンとリュミエール 1890年代

キネトスコープ シネマトグラフ 映画の誕生日
世界最初の映画スタジオ ブラックマリア/万国博覧会/キネトスコープパーラー/カラー写真から映画へ/世界初の有料映画上映会/ヴァイタスコープ

映画前史 洞窟壁画から動く写真まで 19世紀前半〜1890年代

写真術 マジックランタン 静止画を動かす
カメラオブスキュラ 写真術 乾板写真 連続写真 ロールフィルム/マジックランタン 幻灯機/ジオラマ パノラマ/パラパラ漫画 ミュートスコープ ゾエトロープ/テアトルオプティック

最初の映画監督 メリエスとポーター 1900年代

劇映画と撮影・編集技法の発達
魔術師メリエス 映画の長編化 カット割り シーン編集 カラー彩色映画 トリック撮影 ストップモーション 二重露光 スター映画社 「月世界旅行」 撮影された舞台劇/エドウィン・S・ポーター 「アメリカ消防士の生活」「大列車強盗」 映画独自の表現へ/イギリスの映画作家たち

オレンジ畑から映画帝国へ ハリウッド誕生 1910年代

MPPC ハリウッド誕生 メジャースタジオ
ハリウッドの立役者たち 5大メジャー 8大メジャー 分業化 プロデューサーシステム トーマス・H・インス 連続活劇 「怪盗ジゴマ」「ファントマ」「吸血ギャング団」「ポーリンの危機」

サイレント映画時代 1910年代〜1930年頃

ハリウッド・バビロン D. W. グリフィス 1910年代

短編から大長編へ 映画技法の完成 イントレランス
1巻ものから大長編へ クロースアップ カットバック オムニバス スペクタクル 移動撮影 クレーンショット/「國民の創世」 「イントレランス」/「グッドモーニング・バビロン」/第一次世界大戦

捏造される現実 アヴァンギャルドと映画理論 1920年代

アヴァンギャルド シュルレアリズム(超現実主義) モンタージュ理論
「ひとで」 「アンダルシアの犬」 「アッシャー家の末裔」 ハイスピード撮影 ゆがんだ現実 ドイツ表現主義 再構成される現実 モンタージュ理論 クレショフ効果 エイゼンシュテイン 「戦艦ポチョムキン」 プドフキン 「母」 ムルナウ フリッツ・ラング

スラップスティックス ハリウッドの喜劇人 1910年代〜1920年代

チャーリー・チャップリン バスター・キートン ハロルド・ロイド
ハリー・ラングトン ロスコー・ファッティ・アーバックル マック・セネット メーベル・ノーマンド エドナ・パーヴィアンス マックス・ランデ

銀幕のスターとスキャンダル アーバックル事件と倫理コード 1920年代

スキャンダルの都 アーバックル事件の衝撃 ヘイズオフィスとヘイズコード
ダグラス・フェアバンクス メアリー・ピックフォード ルドルフ・ヴァレンチノ グロリア・スワンソン リリアン・ギッシュ グレタ・ガルボ ルイーズ・ブルックス クララ・ボウ

トーキー登場 お楽しみはこれからだ! 1927年前後

サイレント映画と音 起死回生の見世物 ジャズ・シンガー
雨に唄えば アル・ジョルスン ブロードウェイからハリウッドへ 台詞が書ける脚本家 台詞が喋れる俳優 消えていったスター俳優たち 「パリの屋根の下」 「マダムと女房」 「三文オペラ」 トーキーが普及した理由

活弁時代 日本の無声映画黄金時代 1910年代〜1920年代

マキノ映画 チャンバラ映画 傾向映画
マキノ省三 日本のハリウッド=京都 剣劇映画時代 弁士という仕事 伊藤大輔と「忠次旅日記」 山中貞雄と嵐寛寿郎 時代劇と現代劇 傾向映画 日本のアヴァンギャルド 「マダムと女房」

映画の黄金時代 1930年代〜1940年代

トーキー映画の発達 ジャンル映画の隆盛 1930年代

ミュージカル、ギャング、西部劇
ミュージカル映画、特撮映画、ギャング映画、西部劇映画、ホラー映画 すべての才能はハリウッドに通ず

タイクーンの時代 ハリウッド古典映画の完成 1930年代

スタジオシステム 夢の工場 カラー映画
アカデミー賞 革命児ディズニー 「ファンタジア」
映画の都の住人たち スター俳優とスター監督 1930年代
スタジオシステム 夢の工場 カラー映画
クラーク・ゲーブル/ジュディ・ガーランド/エルンスト・ルビッチ プレストン・スタージェス ジョン・フォード

奇跡の1939年と第二次世界大戦 夢の時代の終わり 1939年〜1940年代

風と共に去りぬ 駅馬車 オズの魔法使
第二次世界大戦で壊滅したヨーロッパ映画 生き残ったハリウッド 

後期

スタジオ崩壊 1950年代〜1960年代

第二次世界大戦終結とハリウッド 崩壊への序章 1940年代後半

パラマウント訴訟 テレビ放送 冷戦と赤狩り
壊滅したヨーロッパ映画界 ハリウッド映画の世界制覇

冷戦とマッカーシズム ハリウッドの赤狩り 1948年〜1950年代

マッカーシー上院議員 非米活動委員会 ハリウッドテン
エリア・カザン ダルトン・トランボ ラリー・パークス チャップリン 「ライムライト」 「ローマの休日」 「追憶」 「マジェスティック」 「運命の瞬間(とき)」 「グッドナイト&グッドラック」

大型スクリーンの光と陰 ハリウッドの空洞化 1950年代

テレビ放送とハリウッド ワイドスクリーン スペクタクル映画
シネラマ シネマスコープ ビスタビジョン トッドAO 70mm 画面のアスペクト比 「クレオパトラ」「聖衣」「80日間世界一周」「これがシネラマだ」 海外ロケ 国際的なキャスト ハリウッド撮影所の空洞化

映画の終焉とテレビドラマの黄金時代 1960年代

テレビ映画 観客の減少 映画の二極化
廃墟と化す撮影スタジオ テレビドラマの黄金時代 低予算のインディーズ映画 ポルノ映画 ドライブインシアター タイクーンの引退

日本映画の栄光と悲惨 黒澤明をめぐって 1950年代〜1980年代

羅生門 トラ・トラ・トラ 自殺未遂事件
戦後日本映画の海外受賞歴 戦後の日本映画界 天才・黒澤明 「羅生門」 「七人の侍」 海外からの監督オファー 「トラ・トラ・トラ」の挫折 ハリウッドと日本のシステムの違い 自殺未遂 「デルス・ウザーラ」

再建と再編 1970年代〜1980年代

映画市場の変化とハリウッド 1960年代

ドライブインシアター 若者文化 インディーズ映画
ロジャー・コーマン ラス・メイヤー ジョン・カサヴェテス/公民権運動

アメリカン・ニューシネマ 掟破りの映画たち 1967年〜1970年代

ヌーヴェル・ヴァーグ 若者文化 普通の人々
ブラック・エクスプロイテーション・ムービー 「俺たちに明日はない」 「タクシー・ドライバー」 レイティングとヘイズコード撤廃 性描写解禁 「ディープ・スロート」 ベトナム反戦運動

映画学校からハリウッドへ コッポラとルーカス 1970年代

コッポラ ルーカス スピルバーグ
ジョン・ミリアス ブライアン・デ・パルマ アメリカン・ゾエトロープ UCLA USC 「電子的迷宮/THX 1138:4EB」 「ジョーズ」 「キャリー」 「スター・ウォーズ」 「ビッグ・ウェンズデー」 「ファントム・オブ・パラダイス」

スター・ウォーズ 映画ビジネスの新しい鉱脈 1970年代

マーチャンタイジング SF 特撮
家電メーカー VS ハリウッド ホームビデオの登場 1975年〜1980年代
ソニーのベータマックス ビクターのVHS ハリウッドの反発 ビデオ市場の発生 レンタルビデオ セルビデオ ソニーのコロンビア映画買収 松下のMCA(ユニバーサル映画)買収

新生ハリウッド 1990年代〜現代

マードック旋風 メディアグループとハリウッド 1990年代

ルパート・マードック メディア・コングロマリット 映画会社の系列化
「映画化不可能」の消滅 新しい映像技術 1990年代
CG モーションキャプチャ デジタル俳優
「スター・ウォーズ」の進化 「ジュラシック・パーク」

インターネット時代の映画 ITは映画をどう変えたか 1990年代〜現代

Windows 95 ビデオ・オン・デマンド iPod 音楽産業の場合 HD24P

日本映画の再生 ジャパニメーションとJホラー 1990年代〜現代

北野武 宮崎駿 一瀬隆重
岩井俊二 Jホラー 三池崇史 中田秀夫 黒沢清 清水崇/観客動員数 シネコン

まとめ 映画の今

映画の歴史と映画の未来 現代〜未来

総まとめ 映画の歴史を振り返る

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