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THE NORTHMAN / ノースマン 導かれし復讐者(2023年1月20日劇場公開)
ロバート・エガース監督が満を持して放つ北欧を舞台にした一大叙事詩。
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前作『ライトハウス』が灯台守の限定的な世界を深く掘り下げた作品だったので、大作となるとその手腕がどのように発揮されるかと世界中が期待していましたが、蓋を開けてみると堂々の仕上がり。しかも支配と被支配というテーマを更に深化させており大作でありながら大味にはなっていません。
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9世紀のスカンジナビア地域の時代考証も抜かりなく行い、全て手作りで小道具を製作するという力の入れよう。その結果リアリティのある映像が生まれ物語の説得力が増しています。
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前半は重苦しい色調によってストーリーが語られます。パートカラーで物語のポイントを強調する手法はよくありますが、本作ではパートモノクロという革命的な手法で呪術的な場面をより禍々しく描くことに成功しています。
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日本における宣伝もキャラクターポスターを6種製作して登場人物の属性を的確に説明しています。主役のアレクサンダー・スカルスガルドはついに代表作と呼べる作品に出演出来ました。
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主人公の全ての行動動機のきっかけを担う父親にはイーサン・ホーク。ただ出番は限定的。
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圧倒的な存在感を見せるのが母親役のニコール・キッドマン。物語の起伏の醸成に大きく貢献しています。
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そして本作で最も美しく輝いているのがアニャ・テイラー=ジョイ。彼女のキャリアの中でもターニングポイントになるような役を演じています。
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わずかワンシーンの登場ながら、その印象を深く刻んでいるのがビョークが演じた預言者。アイスランドを舞台にした本作での彼女の抜擢は意義深いです。
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公式には登場人物の相関図もあるので、鑑賞前に頭に入れておくと物語をより深く理解できるはずです。
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本作によっていわゆるコスチューム劇のハードルがかなり上がりました。徹底的なディテールへのこだわりと大きな物語との親和性を北欧を舞台に圧倒的な映像美で描き出したロバート・エガース監督の演出力があれば今後どんな大作映画も任せられると思います。
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