TITANE / チタン(2022年4月1日劇場公開)
ジュリア・デュクルノー監督作品。前作の『RAW 少女のめざめ』も凄かったですが、本作は更にぶっ飛んでます。第74回カンヌ映画祭のグランプリ作品。
設定にちょっとだけ近未来要素があります。それにより生理物理学的に説明がつかないところをすんなりと受け入れることができるのです。
アレクシア(アガーテ・ルーゼル)がその肉体表現で観客の痛覚を刺激しまくりです。女性から男性そして女性へというジェンダーの変遷をたどりながら、愛の物語に帰着する大変スリリングな本作。
炎も大切な構成要素。タイトルのチタンは彼女の頭に埋め込まれている金属です。
カー&ガールで思いっきり挑発されます。これはアメリカ映画への目配せですね。
続いて立ち上がってくるのが父性です。これもアメリカ映画の普遍的なテーマ。
つまりアメリカ映画がエクスプロイトしてきた表層を配しながら、実は全く違った物語へ転換させるために使用した触媒がチタンということです。
劇中の挿入歌のセレクションも驚くほどセンスがいいです。
(追記)日本公開が決まりました。ポスターも解禁。
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