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藁にもすがる獣たち

同名の韓国映画が余りに面白かったので、普段は滅多にしないのですが、原作を読みました。

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登場人物が多いわりに、ストーリーの展開が早く、筆捌きに無駄がないので一気に読ませる作品。

映画を先に観ているので、当然登場人物の姿形は映画のまま。同じ曲なのにアレンジが違うカヴァーヴァージョンを聴いているような心地よさがありました。

映画では主人公の家業は元焼肉屋でしたが、原作では元床屋。その他主な8人の登場人物は映画・原作とも一緒です。

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ラストの展開は映画の方が数倍、猟奇的。その結果原作にはないパワフルさが遺憾なく発揮された良い改変でした。

逆に原作では主人公の絶望感が増すように家族の問題が大きくクローズアップされていました。ただ映画の尺の問題とスピード感を持たせるためにその辺の家族問題はカットされていて正解だったと思います。

映画に原作がある場合、このように映画に相応しい改変を行うことには賛成です。それがシネマティック・ディスタンスの取れた原作と映画の良い関係だと思います。

最後に映画ではルイ・ヴィトンのボストンバッグでしたが、原作はグッチでした。



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