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OCCHIALI NERI / ダークグラス(2023年4月7日劇場公開)

こうやって撮るんだよ、恐怖映画は。ダリオ・アルジェント81歳の監督最新作。

冒頭から赤色を画面に登場させて、この物語が血だらけの惨劇なんだということを悟らせる。さすがです。

主人公ディアナ(イレニア・パストレッリ)は交通事故に遭い、視力を失います。そのことも映画の冒頭で暗示されます。

歩行訓練士リタを演じるのはダリオの娘、アーシア・アルジェント。主人公を助けるキャラの入場と退場のタイミングがばっちし。ストーリーに寄与する加減が上手いなと思います。

中国人のチン少年(アンドレア・ツァン)も視覚障害の主人公のリアリティラインを保つのに大切な役割。

ディアナの職業が一発でわかるフレームの撮り方、大胆な省略など物語の進め方に本当に無駄がありません。

映画業界で確立している、ダリオ・アルジェントの評判を最大限に活用しながら大いなるミスリードの方向性で宣伝物も企画されているのがわかります。

日本の配給会社もそれはわかっていて、「10年ぶりの約束です!決してひとりでは見ないでください」と上手に宣伝しています。今作はいわゆるジャーロ映画です。そのフォーマットに現代性を加味したクレバーな仕上がり。


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