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【待ってた】「ワンダヴィジョン」第1・2話最速レビュー 2年ぶりのMCUに大興奮!

 「ワンダヴィジョン」は、「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019)の1年半後の世界を舞台に、スカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)とヴィジョン(ポール・ベタニー)の姿を描くドラマシリーズ。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ4の幕開けを飾る本作では、コメディ作品の幸福に満ちた雰囲気から徐々にホラー映画のような不穏な空気が漂い始めるという、マーベル・スタジオらしい衝撃的&壮大な展開が待ち受ける。

 映画.comでは、「三度の飯よりマーベルが好き」な編集部員の尾崎秋彦とクチナシ、広告担当の蛯谷朋実が、毎週「ワンダヴィジョン」を配信開始と同時に鑑賞&オンライン座談会を実施。リアタイするガチ勢の皆さまはもちろん、ちょっと興味あるな……という皆さまも、ぜひお立ち寄りください。

今回は、1月15日午後5時に配信された、第1話と第2話について語っています。


<第1話あらすじ>
とある郊外の街に引っ越してきたのは、長い恋愛の末、晴れて結婚したスカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフとヴィジョン。1960年代のアメリカを想起させるポップでお洒落な洋服に身を包んだふたりは、夢にまでみた結婚生活を手に入れ、幸せな日々を送っていた。

<第2話あらすじ>
死んだはずのヴィジョンがなぜ? 幸せな生活の裏に隠された“闇深い謎”とは――。「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」(2018)で死んだはずのヴィジョンだが、「アベンジャーズ エンドゲーム」(19)後の世界でワンダと共に幸せに暮らしている。ふたりは徐々に自分たちの目に見えているすべてが“真実ではない”のではと疑い始める。

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※第1話の感想からスタート

蛯谷 とりあえず、おかえりMCU!!!! 待ってました! という感じですね。オープニングムービーで涙出そうでした。

尾崎 よく考えたら2年ぶりですもんね、MCUの新作

クチナシ いや本当に!! 待ってた!! ふたりの登場シーンで、ワンダの全開の笑顔が見れらてシンプルに嬉しかったです。「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」でヴィジョンを失ったときも、「アベンジャーズ エンドゲーム」でサノスに怒りをぶつけたときも、ワンダは怒りと悲しみで目を真っ赤にしていて……笑顔が見られただけでこっちが泣くかと思いました。

蛯谷 確かに……エンドゲームの最後も切ない表情だけでしたしね……。

クチナシ そうなんですよ……あれはつらかったなあ……。

蛯谷 2年ぶりのMCUがワンダの笑顔から始まる! 幸せ!

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尾崎 ヴィジョンがワンダをお姫様抱っこしながら家に入ろうとしますが、自分だけすり抜けちゃって、ワンダを落っことしちゃうところとか笑えましたね。

蛯谷 確かに笑えるし、「そうそうヴィジョンの能力それだわ!」って再確認できました。

クチナシ 本当にそう! ちょいちょい出てくるヴィジョンの機械人間ジョークも可愛いかったです。

蛯谷 あとオープニングの音楽がすごいディズニー感ありました!

尾崎 「アナ雪」の作曲家が音楽手掛けてるんですよね、監督と学生時代からの友人だそうです。

クチナシ 音楽でシットコム感が演出されていてよかったです! 学生時代の友人とこんなことができるなんてディズニー夢あるな……。

蛯谷 おおお! 音楽はずっと素敵でしたね

クチナシ あと劇中にスターク・インダストリーズ製のトースターのCMが挟まれていたのが嬉しかったです。
※【スターク・インダストリーズ】「アイアンマン」ことトニー・スタークが最高経営責任者を務めていた巨大軍事企業。

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「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」

蛯谷 スターク・インダストリーズのCMね! CMの終わりのセリフがちょっと気になりました。「過去は忘れましょう、これが未来です」っていう。

クチナシ 気になりました!! トースターのCMなのに非常に不穏、非常に意味深。

尾崎 CMは不穏ですよね、これ絶対に本筋に絡んでくるやつじゃん。

蛯谷 終始、どういうこと??? って頭に「?」浮かび続けますよね。そもそもなぜヴィジョンが生きてるの? ワンダとヴィジョンは誰に向けて演技してるの? などなど……。

クチナシ ふたりとも自分たちの詳細が分からないのも不穏でしたし、ふたりの家にやってきたヴィジョンの上司の奥さんもかなり不穏でした。

蛯谷 奥さんが笑いながら繰り返す「やめて」っていうセリフは、ワンダに向けて言っているようでもありましたよね。

クチナシ 目が笑ってなくてめちゃめちゃ怖かったです。

尾崎 あの奥さんの「やめて(Stop it)」連呼はめちゃ怖かった。個人的に「ストップ・イット・ばあさん(SIB)」と呼ぶことにしました。

クチナシ 「ストップ・イット・ばあさん(SIB)」はパワーワード……。


※ネタバレ注意!

クチナシ からの、最後のあれなに! メモ取ってたの誰ですか!! この世界は誰が作ってるんですかー!! もう叫ぶところでしたよ。

※ネタバレここまで


蛯谷 あと、エンドロールのプロデューサー名とか気になった! 実際の「ワンダヴィジョン」のエンドロールとは別にあったじゃないですか。

クチナシ 思いました! 劇中劇のエンドロール、絶対なにか隠されてるでしょ……っていう目で見ちゃいました。

尾崎 CMしかり、劇中劇のエンドロールしかり、小ネタが散りばめられまくってるので、見逃すまいと画面の隅々まで見ちゃうんですよね、これ。

蛯谷 ポスターとかあると一生懸命目で追っちゃいますよね。

クチナシ 出てくるあらゆる数字と名前とビジュアルが気になっちゃう。

尾崎 気になるでいうと、隣人のアグネス

クチナシ アグネスは100%キーパーソンですよね。キャラ強い&不穏。予告でも決定的なセリフ言ってましたよね、アグネス。

尾崎 そう、予告でめちゃくちゃ重要なセリフ吐いてます。後半に絶対なんかある。

尾崎 MCUファンのなかでも、アグネスについてはすでに考察合戦が展開されていて、その辺のぞいてみるのも面白いんですよね。

※ここから第2話の話題に

クチナシ 第1話はワックワクな助走(全力疾走)でしたね。からの第2話が!

蛯谷 第2話はオープニングのアニメーションが「奥様は魔女」感を増していて好きです!

尾崎 オープニングアニメのなかに、キャプテン・アメリカっぽいトロフィーがあるの気付きました?

クチナシ え! 気が付かなかった! もう1回見る!

蛯谷 第2話で気になったのが、ヴィジョンの性格が全然違ってないかな? というところ。第1話のときは、同僚とうまく会話できなくても、まあ機械だしと思ったんですが、第2話で怖がりな性格が見えて、なんで? ってなりました。

クチナシ わかります! やたら人間っぽいですよね。映画のときはなんというか…感情はあるけれど「ヒューマンモード」みたいな感じだったのに、本作ではリアルに人間としての経験がある人間というか……。それが虚構っぽさを強調しているようで、悲しくもありました。

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「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」

尾崎 ヴィジョンが機械ではなくすごく人間臭いのが、シットコムという虚構のなかだからなのか、それともまた別の理由からなのか……いずれにしろ、とてつもなくメタフィクションな構造になっていてエッジが効きまくった作品だなという印象です。

蛯谷 この幸せは嘘なのかも……というのが切なくなりますね……。

クチナシ そうなんですよ……。第1話の最後に「ワンダ、誰に指示されてるんだ」っていうセリフが聞こえてきたじゃないですか。

蛯谷 誰にってなんなの? ってなりますよね。第2話ではがっつりラジオから「ワンダ」って呼びかけられちゃうし……。

クチナシ この物語は、すべてワンダが作り上げているのかもしれないと思うとより切ないです。

蛯谷 あと、(第1、2話は基本的にモノクロ映像にも関わらず)第2話はやはりカラーで出てくるものにドキドキしますよね。

クチナシ カラーのもの! あのモノクロの世界に突然カラーで登場したおもちゃのヘリコプターは何を表しているんでしょう? 側面に描かれていた57って数字これまでどこかで出てきたかな……。第2話でカラーなのはヘリコプターのおもちゃとドッティの血だけでしたよね。ドッティ怪しいわ。

蛯谷 ドッティの血! ほんとに怪しいですよね……。ドッティって名前は「エージェント・カーター」にも出てくるんですが、おそらく別人かな……? ヘリコプターのおもちゃを見てワンダが慌てているようにも見えたから、ワンダ自身は何かを分かってはいるんですかね?

クチナシ どうなんでしょう。ワンダは潜在意識でやってる感ありません? 誰かに強制されていて、自分の理想の世界を作ってるのかなって。もしそうだったらせつな過ぎるな。

尾崎 潜在意識についてはめちゃくちゃ同意見です。

蛯谷 それか潜在意識のなかでヴィジョンからなにか情報を引き出したいとか。

クチナシ そこで時計のCMですよ!!! 見ました!?

尾崎 第2話のCMは時計の広告でしたが、その商品名がストラッカーなんですよね。

クチナシ そう!!  文字盤に「Hydra(ヒドラ)」の文字とマークが!

尾崎 ストラッカーは、ワンダとピエトロに人体実験を施したヒドラの科学者ですよね。

クチナシ これは伏線すぎる。

蛯谷 第1話のCMはスターク・インダストリーズで「過去は忘れましょう、これが未来です」というメッセージ、第2話のCMはストラッカー……。第3話目以降もCMが気になりますね。そういえば、(虚構シットコム内で)ヴィジョンとの関係は不確かだけど、ワンダが「ソコヴィア」出身であることは記憶していましたよね。

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「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」

クチナシ そうそう、そこで基本設定は本人なんだなって思いました。

尾崎 でも、いつ結婚したのか、どこから来たのかはふたりとも答えられない。


※ここからネタバレ注意!

クチナシ そう、そして最後のワンダの「嫌」というセリフ。マンホールから出てきたハチだらけの人誰だったんだろう……。

蛯谷 ワンダはハチだらけの人があの虚構シットコムに登場することを拒否しましたもんね。

尾崎 ハチだらけのマンホールさんの、ワンダと遭遇直後の展開は謎ですね。ワンダの「嫌」のひと言で時間が巻き戻って、ヴィジョンのキスからやり直した。

クチナシ そしたら世界がカラーになった! なんで(涙)? 次回はカラーテレビの時代にちょっと進むのか……?

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蛯谷 カラーになってからのファッションも気になるー! モノクロでもお家かわいいなと思っていたので。

クチナシ わかります。ワンダが下着のシルエットまで60年代風にしていて、気合い入ってんなって思いました。ヴィジョンが着ていたカーディガンが思いのほかカラフルだったのも可愛かったです。

蛯谷 話変わるんですが、「すべては子どもたちのため」っていうセリフすごく気になりました。そのセリフをふたりでつぶやいたら妊娠……!という。子どもと見てたら、「こうやって子どもはできるんだよー」とか言ってしまいたくなるくらいの突然の妊娠。

クチナシ 突然の妊娠、からの突然のほぼ臨月! 「すべては子どもたちのため」は、ワンダが参加した奥様集会でも連呼されていて怖かったです。

蛯谷 そうなんですよ!

尾崎 なのに劇中に子どもがまだひとりも出てきていないことも怖い。

蛯谷 もしや目的はワンダの子ども???

クチナシ あり得る……!! 能力者の子ども。

蛯谷 カラーになってから劇中劇のエンドロールがなかったので、3話以降はオープニングやエンディングも変わりそうで楽しみですね。

※ネタバレここまで


クチナシ 第1、2話見る限り、オープニング毎回変えてきそうですね! 注目するところが多すぎる……!!

蛯谷 これほかのドラマのオマージュとか出てくるのかな?

尾崎 確実に出てくるでしょうね、もう予告でその片鱗がバリバリ出てます。

蛯谷 「フルハウス」だと萌えますね。オルセンさんが妹で返り咲き。

クチナシ 「ワンダヴィジョン」の舞台になる各年代の名作ドラマのオマージュに期待ですね。

尾崎 あと個人的に気になったこと言っていいですか。

クチナシ どうぞ。

尾崎 ストップ・イット・ばあさん(SIB)が第2話も出てきてて嬉しかったです。

蛯谷・クチナシ (笑)

蛯谷 あの人は絶対レギュラーでしょ(笑)

クチナシ 近所の集いのときですよね。え、ご近所さんなの? って思いました。

尾崎 これで、この作品がスターシステムであることはわかりました。

蛯谷 あのシーンでもう少し気になるのが、アグネスの夫として名前だけが出てくるラルフがいないってことでした。本当にアグネスに家族はいるのか……。

クチナシ アグネスの背景気になる……。

蛯谷 予告編の「あなた死んでるから」って高笑いは本当に悪役!

クチナシ ワンダが潜在意識のなかで現実と虚構のあいだで闘ってるんですかね……? とりあえずワンダ幸せになってほしい……!!

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「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」

尾崎 この「ワンダヴィジョン」、めちゃくちゃ面白くもあり、めちゃくちゃ残酷ですよね。「アベンジャーズ エンドゲーム」のキャプテン・アメリカの結末は、己の人間性を圧殺して世界を救っているヒーローが、それでも個人の幸福を求めたっていいじゃないか、ということを描いていたように思います。それを考えると、この「ワンダヴィジョン」は非常に残酷なように見えてくる。だって、人間と機械という壁を乗り越え、本来は1番幸福になるべきワンダとヴィジョンが、シットコムという虚構のなかでしか個人的な幸福を味わうことができない。しかも彼らの幸福を、観客が笑うという構造にすらなっている。

クチナシ いや本当同感です。頷きすぎて首もげるかと思いました。

尾崎 この段階ではまだハッピーエンド、バッドエンドどちらの可能性も等しくありますが、もしもバッドエンドならばこんなに残酷な物語はない。そんなわけで、それでも描くべき物語を描くんだ、みたいなマーベル・スタジオの覚悟のようなものが見え隠れしてくる。もう本当に、どうなるか目が離せない……。

クチナシ 「アベンジャーズ エンドゲーム」のトニー・スタークと父親の会話で、「自分の幸せを捨てなくたっていい」みたいなのありましたよね。でもワンダとヴィジョンは、「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で自分たちを犠牲にしてマインド・ストーンを破壊する=ワンダがヴィジョンを殺す(最終的には殺したのはサノスですが)という選択をするじゃないですか。そのふたりに、もしくはワンダに、この仕打ち……つらい……けれど、どうなるのか見届けなきゃです。

蛯谷 この虚構シットコムの笑いが、時々なぜいま笑ったの?っていうタイミングでくるのもつらくなる。

クチナシ わかります! そしてワンダが毎回そのタイミングで笑ってない。

蛯谷 そうなんですよね。観客の笑いに反してワンダの苦い顔がつらい。

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クチナシ きっとそこが本作の“歪み”ポイントですよね。

尾崎 ワンダが今度こそ幸せになれるように、製作陣には一層の心遣いをいただきたい。「ワンダヴィジョン」、MCUフェーズ4の幕開けになったわけですが、複数の作品とのリンクが噂、あるいは明言されています。なかでも注目したいのは、マーベル・スタジオ社長ケビン・ファイギのコメントです。本作に対し、「これまでのMCU映画23本を見て、フェーズ4までを追いかけてきた観客には、たくさんの“報酬”が待っています」と語っているんです。報酬ってなんなんだ! 早く欲しいぞ!!!

蛯谷 報酬!!!!! とりあえずまた23本マラソンしとこうかな……。

クチナシ その“報酬”、実はもう受け取ってるのに気が付いていない可能性めちゃめちゃありますよね。

蛯谷 気づけてない気がめっちゃします! あー、これから来週までにあと何回見ようかな。

クチナシ すでに“報酬”に気が付いた方がいらっしゃったら、ぜひコメント欄で教えていただきたいです。これはみんなで山分けしましょう(笑)! 


PRESENTED BY ディズニープラス

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