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予想外だった新作映画と、石井裕也監督作と、大人もハマった「シナぷしゅ」。 編集部の「買ってよかった」「見てよかった」

 こんにちは、映画.com編集部です。

 木曜日は、編集部メンバーのQOLが上がった、「買ってよかったなあ」「見てよかったなあ」「行ってよかったなあ」と思うもの・ことをざっくばらんに紹介します。

 映画に限らず何でも自由に、という感じ。それではいってみましょう。

 それではいってみましょう。

◆「グリーンランド 地球最後の2日間」(6月4日公開)

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(C)2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 6月4日公開の新作ディザスター映画。ジェラルド・バトラー主演、隕石衝突によって地球崩壊のパニックを描くとくれば、もうなんか大体の筋は見えるし、あれだろ、ジェラルド・バトラーが腕力で地球崩壊をなんとかしてド派手にクライマックスだろ、“実家のような安心感”がある一作だ……そう思っていた。鑑賞して15分が経つまでは。

 バトラー演じる主人公が、少しばかり折り合いが悪い妻と息子とともに週末のパーティーを開く。そんなどこにでもあるアメリカの日常は、突如として破られる。空には数え切れぬほどの戦闘機が飛び交い、「最終兵器彼女」のような光景が異常事態であることを何よりも雄弁に伝える。

 そして気心の知れた友人たちが集まるリビングで、状況はさらに一転。テレビには「主人公一家のみが“緊急避難者”に選ばれた」「これは政府による通知であり、選ばれた者にしか届いていない」「訓練ではない」と告げる無機質な文言が表示されていた――。

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(C)2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 このあたりの緊迫感が驚天動地の素晴らしさだし、これを開始15分くらいで見せつけてくる物語運びが天衣無縫にえげつない。一発で普通の映画ではないことがわかるが、さらにこの先の展開が他のディザスター映画とは一線を画すからのめり込んで観てしまう。

 喩えるならば、「ディープ・インパクト」の宇宙パートを全部削り、イライジャ・ウッドのパートをずっと描く感じ。“地球滅亡の危機に立ち向かうヒーロー”ではなく、“危機に徹頭徹尾振り回される普通の家族(主人公)”の物語なのである。しかもそのアプローチは現実主義。実際に起きたら普通の人々=我々には何が降りかかるのか?が究極のリアリティを以て映し出されていく。

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(C)2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 登場人物たちのなかには明確な悪人は存在せず、行動の原理はあくまでも「自分や大切な人が生き残るため」。その結果、人は人を平気で蹴落とし、巧まずして外道に堕ちるのである……人間の嫌な部分をこれでもかと見せつけてくるようで、「実家のような安心感」とか思っていたのを反省させられるほど“食らってしまう”2時間だった。とてもおすすめです。

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◆「アジアの天使」(7月2日公開)

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(C)2021 The Asian Angel Film Partners

 今回も石井裕也監督作のご紹介となります。石井監督が全幅の信頼を置く池松壮亮を主演に、新型コロナウイルスの脅威が迫りくる2020年2~3月に韓国でオールロケを行った意欲作「アジアの天使」です。

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(C)2021 The Asian Angel Film Partners

 非常に不思議な映画で、日本映画とも、韓国映画とも分類することができないのです。ただ、尾野真千子主演作「茜色に焼かれる」と同様に、得も言われぬ温もりとでも申しましょうか、優しさに満ち溢れた作品で、これもまた劇場で他者と時間を共有しながら観て欲しい映画だと強く感じました。先日、石井監督と池松氏をがっつり取材してきましたので、楽しみにしていてください。

 そのインタビュー時、爆笑し合った時間もあったのですが、なんだか予想外にホロリとする一幕もあり、かけがえのない取材機会となりました。改めて強く感じたのは、石井裕也という映画作家は唯一無二の存在であるということ。ぜひ、皆様も体感されてみてください。

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◆最近、印象的だったニュース

 先週から今週にかけては映画などを見ることができなかったので、特に気になったニュースをふたつご紹介します。

(1)星野源さんと新垣結衣さんのご結婚

 暗いニュースが多い昨今ですが、明るいニュースはやっぱりいいものですね。新垣さんロスで、Twitterが大喜利祭り状態になっていたのにも和みました。

(2)映連が発表した声明文「『映画館』再開の要望について」

 先日、全国興行生活衛生同業組合連合会(通称全興連)が同種の声明を発表していましたが、これまでクラスターを一度も発生させていない映画館が根拠のない休業要請を出され続けていることに対して、興行、製作と三位一体の関係にある配給サイドが、ようやく重い腰を上げました。おかしいことに対しては、おかしいと声を上げてほしかったので、この動きは支持したいと思います。

 なお、あの映画泥棒も、ちゃっかり「私も商売あがったりでございます」と映画ファンに支援を訴えていました。

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◆「シナぷしゅ」大人もハマった歌5選

 我が家には生後10カ月の娘がいるため、テレビ東京系「シナぷしゅ」を毎日視聴しております。同番組のコンセプトは「赤ちゃんの世界が『ぷしゅっ』と広がり、パパママの肩の力が『ぷしゅ~』と抜ける」というもの。

 「民放初の赤ちゃん向け番組」ですが、同番組で流れる楽曲は、大人も口ずさんでしまうものばかりなんです。気づけば歌っている。中毒性高し。特に好きな5曲を紹介しますね。

(1)「上々-jyou jyou-」

 曲が流れた瞬間に気分上々、情報処理の速度がノリノリで急上昇します。疲れた時は「ジョウジョウ」言いながら、娘の周りを歩き回っています。

(2)「そらのライオン」

 「うた:KEMURI」なんですよ!!!! たまらん人にはたまらん曲……。

(3)「ひーたんみーたんのマーチ」

 ひーたん&みーたんが身の回りの「連結(くっつくもの、つながるもの)」を、「がっしゃん」という言葉で見せるコーナーのテーマ曲。初っ端、こんな歌詞が登場します。「ひだりてのひーたん みぎてのみーたん」。名前の由来は、左手&右手。この事実がわりと衝撃的で、色々考え込んでしまいました。

(4)「これからもヨロレイヒ」

 ピッコピコリズムのヨーデル系ソング。一度聞くと、数日は脳内を支配されるでしょう。歌詞も超ユニーク。ヨロレイヒ、ヨロレイヒ、ヨロレイヒ……。

(5)「タベタイ」

 一番大好きな曲です。作詞・作曲・歌唱は坂本美雨さん。子どもは泣き止むかもしれませんが、大人はちょっとホロっときちゃう。先日、ペリカンの食パンをゲットして、娘に食べさせてあげました。これからも色々な「食べたい」という思いに応えていきたいです。

【番外編】

 5月25日にオリジナルソングを集めたスペシャル番組「ウタぷしゅ」が放送されました。紹介しきれなかったものを含め、数々の名曲がまとまっています。是非視聴してみてください!

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