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ROXX FY10上半期振り返り:良い会社から素晴らしい会社へ

ふと春夏秋冬となぜ春からはじめるのかというと疑問を持ったのですが、植物などの一生に合わせて、「春」の成り立ちである「日を浴びて芽が出てくる」、もしくは日本語の「はる」も草木の芽が「張る」季節からだとも言われているそうです。

日本の4月という季節のはじまりは、実は世界で見ても非常に少数であり、起源は年貢にあるという説もあるようです。

さて、ROXXにおいても3月に半期が終了し、エージェントの皆さま、また人事メンバーの尽力、そして部門長と連携した採用手法の確立もあって、なんと半期で年間採用目標を達成しました。査定も終わりまして、新たな人事制度も2週目が終わりました。そして、新卒も無事に迎えることができ、1ヶ月にもわたる研修をちょうど乗り越えてくれたタイミングでもあります。

人員数においては、ここ5年で、約12.1倍の194名(産休含む)となり、私が入社した当時からも2倍以上の大きさになっています。この後の見込も入れると、少なくとも6月には200名は超える想定で、いよいよまた新たなフェーズに入ります。

過去3年の採用実績をグラフ化

事業全体としてもYoYでメンバーの拡大よりも成長をしているので、一見すると順調。というところですが、課題はまだまだ山積みと思う今日この頃です。

とりわけ、今回は人事という立場で組織と採用を行ったり来たりした話をします。もしかしたら、人事責任者やマネージャーの方々に参考になるかもしれません。

上半期のポイントまとめ

簡単に上半期をサマリーにすると、3つがポイントだったと考えています。

  1. 上半期で90名の採用が決定、離職率はYoYで半減

  2. 新たに役職者に昇格した方は15人(新規採用除く)

  3. ROXX Cafe※は最高で62名の参加

※ ちなみに、ROXX Cafeとは下記をご参照ください。

一方で、「良い会社」にはなったが「素晴らしい会社か?」と言われるとまだまだやらなくてはならないことがあると理解しています。
この問いは、この後に続く上半期の葛藤もお伝えしながら、下半期でどう取り組んでいこうと考えているか、その試行錯誤をできる限り「そのままの言葉」でお伝えできるようにしますので、お見苦しい文章ではありますがご覧くださいますと幸いです。

組織の最適化は一度きりではなかったこと

そういえば、私のキャリアの始まりは「デザイナー」でした。今では誰も信じてくれないという哀しい気持ちもあるのですが、サービスを創ることは今でも好きですし、お客さまと対峙しているときが一番好きな時間だな。と改めて感じています。

その中で、PMF※なんて一生しない。なんていう言葉を皆さんも聞いたことがあると思います。組織の設計や制度、採用においても最適化という話は実は一生ないと思っていて、改めて日々どれだけ細かくチューニングしていくかが重要です。

※ 「プロダクトマーケットフィット(Product Market Fit)」の頭文字を取った略語。「プロダクトやサービスが顧客を満足させるもので、特定のマーケットに適合している状態」のことを指します。

何を言いたいのかというと、PMFは一度や二度だけではなく、何度も訪れるイベントであり、組織においても100人、200人、300人…と拡大していくに当たって何度も最適化を繰り返すものと認識しています。

そしておおよそ、一度目で有効だったPMFにおける施策は、大抵は二度目にはまったく使えないことが多いように思います。ということは、組織においても同様で、「次のフェーズに行きたいなら、今の常識を疑え」を常に念頭に置いておく必要があるように思えます。

毎月のオンボーディングでもお伝えしているテーマ

「適材適所」から「適所適材」にシフト

今では納得感持って話を聞いてくれたりしているのですが、当時はまったく理解されなかった「適所適材」の考え方です。取り組んだことは、まず各組織の状況をとにかく俯瞰してみました。何度も何度も頭の中でシミュレーションを行い、元々事業サイドを知っているというアドバンテージを活かして「仮説」を元に動くことにしました。

当時「組織設計」を見直したときにプレゼンした資料 その1

それを地道に役員陣、部門責任者へ説明を繰り返して実施しました。結果「組織設計ってなんやねん。そこまで言うならやってみれば。」がもしかしたら落とし所だったのかもしれません。

当時「組織設計」を見直したときにプレゼンした資料 その2

なぜ今大きな採用ができるようになったのか、このヒントは上記の考え方を実行した(もちろん私が事業サイドの経験があり、どのような採用が必要なのか、感覚的に分かる。というアドバンテージもありそうではあるものの、ほとんどはこの考え方に忠実に従った)だけであり、立場の近い方々もきっと最初は「こいつ、何言っているのかわからん」だったと思います。

紆余曲折はあったもののおかげさまで、このnoteを書いている今現在、多くの方々が知っているような企業で幹部を務められていた「こんな方が入社するのか!」というサプライズも含めた素晴らしい方々が入社いただくことになりました。後ほど、少しご紹介できますと幸いです。

マネージャーという仕事への誤解

組織が拡大していくと、いわゆるリーダーやマネージャー職(以下、明確な役割は違いますが「マネージャー」に統一)をつくっていくわけです。ここに対して例えば「そもそも、なぜマネージャーが必要なのか」「どういう人がマネージャーなんだろう」「どう評価するべきなのか」は意外とちゃんと考えている会社は少ない印象があります。

  1. 仕事が出来る人がマネージャーになる

  2. 年齢が上になっていくとマネージャーになる

  3. 人数が増えると管理できなくなるからマネージャーを置く

などなど、はじめてマネージャーを置こう。と思った時に一般的に考えられることとしては、おおよそこんなところでしょうか。一見、正解のように思えますが、実のところ最近まで改めてこれで良いのだろうか。ともやもやしていました。この機会に「役職に特化したグレード制度」を創ってみよう。と自分が過去問われたことや経験して感じたことの言語化、そして整理をしながら気付くことがあって、上を目指してほしい気持ちもあり、制度化することにしました。

一方で、その前提として、マネージャーといっても個としての能力を失ったわけではないことは結構見落としがちであることをまず考えるべきであり、次に、役職というキャリアはプレイヤーとはまったく別モノであるということについて、よく語られていることをベースとしつつも、「役職が欲しい人」に対してもどういう説明をすべきか、その基準値を明確にすべきでもあります。

ROXXでは全社向けに人材開発のガイドブックも策定しています

その中で、「マネージャーの仕事は質の高い仕事をするではなく、仕事の量が増えても仕事の質を維持ないしはそれ以上に向上させるチームを創る、創り続けること」という解に行き着き、当たり前ですがマネージャー職以外の個としてのバリュー評価も合わせて実施する。という複合的な側面があるという結論に至りました。

つまり、とてもシンプルに管理をしましょうね。みたいなお仕事はあくまでもその一部に過ぎず、マネージャーとはチームを創ることにあり、経営としての数字、人材ごとのパフォーマンス等々、総称してコンディションをマネージをしていくことが役割であると再認識したためです。ついつい自分でやっちゃう。みたいなことが私自身にもある中でいうと、まだまだ出来ていないことが多過ぎる。と反省しています。まとめると、仕事を簡単にすることも一つの求められている役割かもしれません。

グレード制度の全体像(GW明けに説明会を開催予定)

これがROXXの人事制度で、通常のPerformanceとTuningのバリュー評価とは切り離して、役職者は役職という役割で別途評価されうる、「マネージャーになると、キャリアが変わる。」という表現をしていることの所以です。

大きな石から入れる、という話

話は変わりまして、「バケツには小さな石からではなく、大きな石を先に入れましょう。先に小さな石から入れてしまうと、後で大きな石が入らなりますよ」という有名な話を挙げて、最近ふと相談があったことを回帰してみたいと思います。

チームで、もっと大きな仕事をできるようにしたいのですが、どうすれば良いでしょうか?

あるマネージャーからの相談事項

この方は実は社歴も長く、ご自身の試行錯誤により、マネージャーに就任した方で、常に目標も達成していて、誰からどうみても「優秀」な方でした。

どういうフィードバックが良いのか、と思案もしたのですが、この時の大前提を「1日24時間は、誰に対しても等しい」ということをお伝えしたこともあり、今回はその話を少ししてみます。つまり、ポイントは時間をどこに投資するか、これが最も重要です。

例えば、1週間の時間をバケツに見立てた時に、さまざまな出来事や行動、予定を石に例え、その石の大きさはその予定の重要度を表すとした時に、あなたは「どの石を、どの順番で、バケツに入れていきますか?」という問いです。

後から大きなものに向き合おうとしても、
小さなもので埋め尽くされてしまっているのイメージ

もちろん小さな成果をキチッと積み上げていくのは、仕事をしていく中ではとても大事なことです。一方で、本当に大事なことを身につけたり、取り組んだりする暇がなくなってしまうのは意外によくある事態です。
この方が悩んでいる本質的な問いは実はここにあったのです。

ここで大事なことは、課題(未来に起こりうること)と問題(目の前で起こっていること)を切り分けることにあり、その石の大きさをできる限り俯瞰して見てみて、構造的に分解し、インパクトの大きい順番にやり遂げること。にあるように思えます。

もちろん「物事を構造的に考えインプットすること」と「それを相手が受け止めやすい言葉に分解して、伝えること」さらには「相手が動くこと」はそれぞれ別々のスキルが必要であり、それをどれだけ真剣に考えきれているかはチームを動かすときに気をつけたいこと、と自戒を込めて内省する必要もあります。

兎にも角にも、結論としては「大きな仕事から優先して取り掛かり、小さな仕事は優先度を下げること」に行き着くのですが、その際にそれを捉えるための情報が不足していると、人間は「最悪の思いつき」で進めてしまうこともあることに要注意です。

なので、どのようなシーンでも、一次情報を必ず「取りにいく」そしてそれが「本当に今回の問題や課題を解決することなのか?」を問い続けることが大事です。

情報群の種類イメージ

では、「なぜ小さな石から先に入れてしまうのか?」は結構謎です。おおよそですが、下記のような現象かと思われます。

偽りの達成感

「試験前、テスト前で勉強をしなければいけないのに、掃除をしてしまう」という現象です。仕事に置き換えると「本当はこれをやらなくちゃいけないけど、こっちのが出来そう」という本来得たい結果から考えずに、小さな結果を得られることをやり、満足をすることで達成感を得てしまうことです。

やったほうが早い病

小さな仕事は着手がしやすく、タスクを誰よりも早く終わらせた、という快感を得られやすいため、ついつい手や口を出して周りから仕事を奪ってしまうことです。気づいたら、それだけで毎日の貴重な時間が埋まってしまうことがあります。

出ない杭は打たれない

大きな仕事には失敗は付き物で、自分を少し背伸びして未知の不安や不満に向き合わなければなりません。その際のある種の自己防衛として、例えば「私はそんな器じゃないから」などの稀有な見られ方をされたくないがゆえ、大きな仕事と成果に向き合わないための理由づくりをすることです。「あの人、失敗した人だ」と思われてしまう恐怖というのもあるかもしれません。

仕事も人生の一部とした際に、私自身もせっかく働いているのですから「何を成し遂げたいか」「何を成し遂げるべきか」を常に考え、「大きな石から先に入れる」ことを意識していきたいと思います。

「OR」ではなく、「AND」を実現した話

今回の上半期でいうと、正直に言って「組織」のうち「人材開発」という要素は、ほったらかしてしまった。と言っても過言ではないと思います。例えば、部門長と話す週次人事定例(各部門のトップとの人事定例会議)は正直現場にすべて任せてしまっていた。という反省がありました。
※ 任せているのか、ほったらかしにしていたのかはニュアンスもあり、皆さまにはご迷惑をお掛けした自覚があります。ごめんなさい。。

組織の現状が整理できたので、「採用」にすべての頭を振り切りました。部門長の方々、そして何よりも人事のメンバー、そして取引先のエージェント様皆さまのおかげで、「会社の組織フェーズを変える採用は実現」できました。つまり、結果として「組織」も「採用」もやりたいことが実現できたわけです。

少しだけ、ご紹介させていただけますと幸いです。

2022年11月
「エンジニアリングマネージャーで日本で4本の指には入る」と評価のある素晴らしい方の入社を実現できました。
agent bank EM / CTO室 VPoE 宮竹暁

2023年1月
back checkだけではなく、全社的にも会社のフェーズを大きく変える採用が実現できました。
back check COO 須藤 芳紀

2023年1月
今後noteも紹介させていただきますが、有限責任監査法人トーマツご出身、事業会社のご経験もあり、待望の経営管理部長が入社となりました。
経営管理 ジェネラルマネージャー 野澤 真太郎

2023年3月
彼も今後noteも紹介させていただきますが、「投資銀行×事業会社」のご経験のあるCFOも入社となりました。
経営企画 CFO 吉本 ジョージ

2023年3月
そして、彼も今後noteも紹介させていただきますが、事業会社で取締役や執行役員のご経験もある、営業マネージャーも入社となりました。
agent bank エンタープライズチーム マネージャー 貫井 聡史 

上半期では、上記のような方々に続々とジョインいただき、4月以降もご紹介が間に合わないぐらい、実はたくさんの方にご入社いただく予定です。

  • 2023年4月:創業期のsansan社を支え、複数のベンチャー企業でカスタマーサクセスのトップを歴任した方

  • 2023年6月:10年以上、セキュリティ領域に携わり、直近は人材系でも有数のベンチャー企業にてセキュリティリードを担当したCISO候補の方

  • 2023年6月:某有名外資企業のマーケティングリードで、グローバルでみても上位5%の信頼を得られていると評価のあるマーケティングマネージャーの方

  • 2023年7月:エンプラ、SMB、パートナーセールス等、ソフトウエアサービスにおけるあらゆる営業チャネルを統括できる、ビジネスチャットの営業部門のトップを務められている方

  • 2023年8月:スタートアップを自身で創業して、取締役として会社を数億から数十億まで成長実現させ、ビジネスパーソンとして上位1%の信頼があると評価されている方

  • 2023年8月:複数のスタートアップ企業にてマーケティングをリードされ、部長職として圧倒的な成果はもちろんのこと、これまでの社会人経験のうちで最も信頼できる人と評価まである方

全員をご紹介できないのが悔やまれるぐらい、多くの素晴らしい方々にジョインいただく予定です。

良い会社から、素晴らしい会社へ

上半期は総じて、良い会社を創ることに専念できたように思えます。ひとえに、部門長やマネージャーの皆さま、そして何よりも人事のメンバーに支えられて何とかここまでやれています。感謝しても感謝し尽くせないぐらいです。一方で、まだまだROXXはたかだか200名規模。こうした採用が決まっただけでは、何も実現はできていません。すべてのチャレンジはまだまだ始まったばかりとも言えます。

そして、もしかしたらROXXは「良い会社」になってきたかもしれません。その一方で、時代の転換点を創るためには、もっと多くの方々に知ってもらい、そして使ってもらえる、満足してもらえるサービスを提供しなければなりません。まだまだヒリヒリするような場面も多分にありますが、そこも含めて楽しみながら、一緒に解決し、より大きな事業を創る仲間を募集していますし、社内からもそうした方がたくさん生まれてくる仕組みを創っていきたいと思います。

よって、人に社会に真面目で「良い会社から、素晴らしい会社へ」が下半期のテーマです。

引き続き、多くの方にご面倒お掛けすることもあると思いますが、「自分の力で変えることができない」 ことについて悩むのは、無駄なことだと思い、私はじめ、人事メンバー一同とともに、社内外問わず多分に頼らせていただけますと幸いです。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、そういえば先日誕生日を迎えました。この年になっても、昔からお世話になっている方々含めてお祝いメッセージをいただけるのは本当に嬉しく思います。下半期も「祈ったら負け」だと思い、全力を尽くしていきます。ちなみに、上と下に兄弟がいるのですが、全員同じ誕生日です。と、また文章が長くなりそうなので、本日はこのあたりで。


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振り返りnote

デザイナーからキャリアスタート。10カ国11拠点のBrand Mgr、IRを経て、金融系ベンチャー企業にてマーケ、BizDev等に関わる。外資系コンサルティング企業、M&Aアドバイザリー企業にて社長室を担当。インサイドセールスの立上げ、管理本部などを歴任。3人兄弟同じ誕生日。