私を変えたもの
高校2年生は何事も転換期を迎えることだと思う。
今回は、そのことについて書きたい。
クラス替えという転換期
私の学校では2年生になると、クラス替えが行われる。
私の学校は実業高校なので、コースごとでしかクラス替えは行われない。
3コースあり、各コースで2クラスあるので、2クラスの中でクラス替えが行われる。
私は、A組からA組になった。
A組からA組になっても変わることはたくさんある。
1つ目は、教室。
当然のことながら、教室は変わってしまう。
4階に住んでいたが、2年生になり、3階の住人になった。
3階の住人になって変わったこと。
それは、図書室が近くなったこと、職員室が1階階段を下りるだけになったこと。それくらいだ。
そもそも、私は図書室を利用しない。
図書室のあの本のにおいが少し苦手なのだ。
職員室は定期的に訪問するので、近くなったのには少しメリットを感じた。
しかし、職員室が近くなると起きる問題がある。
それは、先生がすぐに来てしまうことだ。
私の学校の先生は、始業のチャイムが鳴ってから職員室を出発し、階段を上ってくる先生がいる。
その先生の授業が、少し伸びてしまうのだ。
それは、少しデメリットのように感じる。
2つ目は、メンバーだ。
A組とB組合わせて2クラスでのクラス替えということは、単純計算をすると、半分半分の割合で交換されるということになる。
つまり、半分は消え、半分は新たに迎えるということになる。幸い、私の嫌いだった人たちは全員他のクラスに転送されていったので、うれしかった。メンバーが変わるとある問題が発生する。
特にそれは、女子に多いのだが、派閥の問題。
女子というのは極めて集団行動が好きな存在であり、トイレが個室なのにも関わらず、一緒にトイレに行ったりしている。
中で何をしているのかはよくわからないが。
派閥での重要ポストの人間のクラスが離れてしまうと起きること。それは、組織構図の変化だ。
現に、私のクラスでも元A組の派閥の上層部の方がB組に移動になった。
B組にも派閥があり、その派閥になかなかなじめずに、夏休みが終わるくらいまでは、昼食時にはA組に来ていた。
B組の派閥の上層部もA組に来た。A組にB組の女子が入ってきた。
それくらいのことだろうか。
派閥争いなんてなくなればいいのになんていう、男子生徒の文句は言わないことにする。
恋愛の転換期
学年が変わると起きること。
その中には、恋愛の転換期というものもあるだろう。
恋愛は新しい人が入ってくると変わってしまうという新陳代謝がある。
3月に卒業した3年生に代わり、4月には新たな1年生が入ってくる。
また、新たな恋愛対象として1年生を見る人や最高学年になった3年生を見る人、新しく同じクラスになった人を見る人など、さまざまだ。
私には恋愛をする権利は与えられない。
それは、スクールカースト3軍下位だからだ。
利用されるときは、十二分に利用され、要件が済めばすぐに捨てられる。
いわゆる替え玉のきくポジションの人間だからだ。
1軍と付き合うのは1軍。
1軍の男子が2軍の女子に惚れることはあっても、自ら行く事はない。
2軍の女子が1軍の男子に告白をすれば、彼女は1軍に昇格する。
私にとっては、夢のまた夢。
私のような3軍下位はモテることはないが、そのような恋愛の情報は数多く入荷する。
その情報が入ってくるのは、2年生の夏休みまでだ。
○○と○○が付き合っただの。
○○は○○が好きだだの。
クラスで1軍たちの恋愛会議の情報は声も大きいので、すぐに入ってくる。
結局、私を変えたものとは
私を変えたのは、クラス替えでも、恋愛でもない。
それは、ただ単に歳をとったというだけだ。
一般の高校生は、クラス替えをすると、空気が変わるとかいうが、そのようなことが発生するのは1軍だけ。
スマホの中にゲームの一つも入っていない私のような人間には1軍の人が寄ってくることなんてまずありえない。
寄ってきたとしても、それは、彼ら・彼女らにとってメリットのある場合のみ。文化祭の店番や注文係など、面倒な仕事はカースト3軍に押し付けて、おいしいところは、1軍が持っていく。
それが、組織というものだ。
組織の根底はそう簡単に揺らぐことはない。
人は変わっても組織は変わらない。
なぜなら、その組織のDNAは受け継がれているからだ。
必要な時があれば、すりより、不要となれば、すぐに切り捨てられる。
それが、人間だ。
今は、楽しい人生を送っている人でも、すぐに失脚することもあり得るはずだ。
なぜなら、人生とは長い山登りのようなものだからだ。
よって、その山登りに失敗してしまえば、どこまでも墜落してしまう。
それは、8合目から5合目に下がるかもしれないし、麓まで下がるかもしれない。
スクールカーストでの出世もそのような感じだ。
出世をするのは、山登りに失敗することなく、ただひたすらにホームランを打ち続けた者のみ。
3軍が出世するには時間がかかりそうだ。いや、無理なことかもしれない。
私は、3軍という部屋の中で3年間を終えるかもしれない。
たとえ、高校で出世できなくても、社会に出たら出世できるかもしれない。
新たな未来を歩むみなさんは、自分の立ち位置を理解して生きた方がいいと思う。
私はこれからも、スクールカースト3軍下位の人として、生きていこうと思う。
場所で人が変わるのではない。
環境で人が変わるわけでもない。
人は、自分が変わろうと思った時と周りがそれを許してくれる環境で変わることができる。
内部環境と外部環境の両方が必要なのだ。