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はじめての電車

向かい側のプラットホームに電車が滑り込んできた。
その音に驚いて泣き出す息子。今日は電車デビューの日。
ファミリーサポート制度でマッチングした方のおうちへ向かう。

息子が電車の中でも泣き続けちゃったらどうしよう。
待っている間ソワソワしていたけれど、不要な心配だった。

電車が停車するときの音で少し泣いていたが、乗車時に泣き止んだ。
目をぱっちり開け口を富士山の形で閉じて、車内の様子を伺っていた。

はじめての電車、はじめての人。
今日は刺激の量が多かったのか、帰宅後は数時間ほどぐずっていた。

ファミサポの方といるときは楽しそうだったけれど、電車は怖かったのかな。巨大な体で爆音を放つ、得体の知れない怪物に見えたかもしれない。
車内もたくさん人がいて、わけがわからなかっただろう。

息子はいつもキラキラしたまっすぐな目で、何かをじっと見つめたり、きょろきょろと忙しく観察したりしている。雑念や煩悩を一ミリも感じさせない、こっちの心が洗われるような曇りのない目なんだよな。

そりゃそんな無垢で無防備な目で世界を知覚していたら、情報過多にもなる。目だけじゃない、耳でも鼻でも肌でも口でも、フルオープンで大量のことを吸収している。

赤ちゃんって神秘的だな。同じ人間と思えない。いつ頃から「人間」になるんだろうか。

これからも「はじめまして」がずっと続いていく。
そのときしか見ることができない息子のリアクションを、頭に焼きつけていきたいな。日々世界を全身で感じて楽しんで、よく食べよく寝て大きくなってくださいな。


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