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肝串爆発事変

大爆発 レンジの中で 肝串が(字余り)

電子レンジは、とても便利だ。食生活において、欠かせない存在。たくさんのお願いを聞いてくれる。おかずをあっためる、牛乳をあっためる、冷凍食品を解凍するなど。
しかし、お願い事項(ワットと加熱時間の設定)を雑にすると、とんでもないことになる。

夫が、晩御飯の足しにと肝串を買ってきた。肝は私も大好きなので意気揚々とレンジにかける。2本、600ワット、1分。

リスク管理が甘かった。

レンジを背に晩御飯の支度を続けていると、不穏な破裂音が背後から聞こえてきて思わず手を止めた。シャンパンを開栓する音に濁点をつけたような、あの、不穏な音が。

やっちまったか、と内心舌打ちをしても時すでに遅し。恐る恐るレンジの扉を開けると、その箱の中は悲惨なことになっていた。箱の内側6面すべてに、爆発した肝が無惨に飛び散っていた。ああああああああああ。
カケラの一つひとつが大きければ掃除も楽だけれど、シーチキンかそれ以下のサイズで散り散りにこびり付いているから大変なのだ…
肝串を買ってきた夫を逆恨みしながら。箱の上面を下から覗き込みながら。右手に布巾、左手にビニル袋を持って原上復帰にいそしんだ。

年一回ぐらいでやらかしてしまう、この爆発案件。
直後しばらくは爆発の恐怖で、何を加熱するにしても細切れにチンする。今日も大根の作り置きおかずを10秒ずつピッピピッピあっためた。

しかし、まさに「喉元過ぎれば熱さを忘れる」。そのうち今回の惨事も忘却の彼方に押しやられ、またやっちまうのだ。

「忘却」は、人間に備わっている大切な能力らしい。全てを記憶の貯蔵庫に入れておくと、とんでもない要領になって脳みそがパンクするとか何とか。と、どこかで読んだ気がする。

いや、でも!!レンジ爆発はやっちまうと本当〜にゲンナリするので、この件は記憶の貯蔵庫の入り口付近に置いといて私。

ああ、レンジに「爆発前オート停止機能」つけてくれないかな。切実。
お願い偉い人!何卒よろしくお願いいたします……


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