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ナマケモノから障害持ちに変わった話


私はナルコレプシーという睡眠障害を持っていることを人生22年目で知りました。

簡単に言うと「過眠症」の1種です。
脳内物質の一種であるオレキシンの欠乏による症状だと考えられているそうです。

こういう人も世の中にはいる、と頭の片隅に入れてもらえたら嬉しい気持ちと、似たような症状の方の参考(?)になれば、の気持ちで書きました。稚拙な文章ですが読んでいただければ幸いです。

そんな私の体験記です。
(ここから長いです)

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睡眠障害というと、眠ることが出来ない、継続的なしっかりした睡眠が出来ない「不眠症」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、睡眠時間等に関係なく過度な眠気に困ったり過度な睡眠をしてしまったりする「過眠症」という物もあります。

私は専門家ではないので、ここではざっくりの説明で済ませますが、詳しく知りたい方はGoogle先生に聞くか本を読んで頂くのが良いかと思います。

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中高生頃から『話を聞いていたはずなのに気づいたら寝ていて時間が過ぎている』『1週間以上、日あたり12時間以上の睡眠が続く』『出勤(登校)準備をしていたら気づいたら倒れて寝ていた』『寝ても寝ても眠い』等の症状はありましたが、親や教師には「夜更かししているから」「気合いが足りない、なぜ起きられない」等言われており、そんなナマケモノ脆弱な自分に嫌気がさしていました。

眠気対策としてカフェイン摂取やツボ押し、痛覚による刺激、ご飯の調整等思いつく限りをしていましたが気づいた時にはもう寝ているのです。

こうなってしまうのはすべて自分が軟弱だから、ナマケモノだからだと周りに言われる通りに思っていました。

だってみんな当たり前に起きてられるんだもの。起きてられないなんておかしい。

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普通に布団に入って眠りにつこうという時も、人が布団まわりをフラフラ歩いていたり、天井の目に見つめられていたり、生首が本棚の上に飾ってあったり。ファンタジーなもの達もチラチラわいわいしていて。目を瞑っても騒がしい、開いても騒がしいを繰り返して気づいたら長い眠りにつく毎日でした。

全て幻覚でしたけど。

(入眠時幻覚と言うそうです。)

やっと寝付けてもすぐ目が覚める。悪夢で起こされることもありました。


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入眠時幻覚や眠気の頻度、夢見の悪さや睡眠時間の長さがさらに悪化し、鬱的な症状も相まって仕事はおろか1人での外出や家事、食事やシャワー等日常生活すべてがままならなくなったことで心療内科に受診しました。

カウンセリングや投薬もろもろでメンタル面はましになって行く一方、睡眠に関しては原因不明、睡眠の乱れを整える薬を飲んでみたりもしましたが、一向によくならず。寝まくっているはずなのに目の下はクマで真っ黒の状況。
ついに睡眠外来がある病院を紹介してもらうことになります。

もうここまでくると自分でもナルコレプシーや突発性過眠症を疑っていましたが、現状の入眠時幻覚や過眠、悪夢についてを相談すると『金縛りの有無』『※1情動脱力発作の有無』『※2 むずむず脚の有無』について問われました。私は脱力発作とむずむず脚はありますが、金縛りは経験がありません。自覚してない可能性はあるけれども。

※1 気持ちの大きなたかぶり(喜怒哀楽等)の際、筋肉の力が抜けてしまい崩れ落ちたり物を落としたりしてしまう発作。ろれつが回らなくなる等。

※2 じっと座ったり寝たりすると脚等がむずむず、ぴりぴり、かゆくなる、痛くなるなど不快な症状が出るもの。

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ナルコレプシーの代表的な症状は
・通常考えられない場面での突発的な睡眠発作
・情動脱力発作
・入眠幻覚
・睡眠麻痺(金縛りや悪夢)

等が上げられますが、突発性過眠症の場合脱力発作が認められないという基準もあるとか。ナルコレプシーでもすべて当てはまる訳ではない方もいらっしゃいます。

私の場合脱力発作他症状もあったので検査での入眠までの時間が診断基準の中心になると言われました。

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1泊2日の入院で終夜睡眠ポリグラフとMSLTという検査を受けることになります。

簡単に言うと脳派等を測る機械をベタベタくっつけて夜寝る(終夜睡眠ポリグラフ)、起きたら日中に脳波等(以下略)をベタベタくっつけて定時に睡眠室に移動し数時間おきの決められた時間にお昼寝をする(MSLT)検査です。


夜寝る時から夕方までネットで頭固定したからめっちゃ浮腫んだ。ウケる。

検査で寝る時は監視カメラやマイク、放送設備がばっちりそろった睡眠室で寝るのですが、それ以外は病室待機でした。

設備ばっちりでもガッツリ寝れた。ここまではよかった。

この検査、

決められた寝る時間(検査)以外の睡眠が禁止なんです

いちばんキツかった。日中は2時間ごとにお昼寝をして検査なのですが、眠い。とにかく眠い。
夜の検査もバッチリ寝ているのに眠すぎる。
検査に影響が出るので、コーヒー等カフェインが入っている物は禁止。病室で顔を洗ったり自分を抓ったり、カーテン内をグルグル歩いたりしか出来ない。私は喫煙者なのですが、当たり前に院内は禁煙。過眠でこの検査を受ける人にとっては1番の鬼門かもしれないです。受ける人がんばって。

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そんな検査が終わり暫くして結果を聞きに行くとMSLTでの入眠時間最短は

「7秒」

どんだけ眠かったんだ。
お布団気持ちよかったしね。

他数回の結果も1桁分内だったのもあり、睡眠時の傾向的には突発性過眠症の範囲内だけれど脱力発作等もあることから、ナルコレプシーの診断を貰うことが出来ました。

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ここからが大事なのですが、
ナルコレプシーの診断を貰えると、ナルコレプシーに適応している薬の処方をして貰えます。

治療方法は無いので対処療法です。

治りません。

ぴえん🥺

日中起きて行動できるようにする為の覚醒のお薬をもらい飲んで眠気を誤魔化します。


薬の選択肢は3つ。
『モディオダール』
『リタリン』
『ベタナミン』


この3つのお薬で合うものを飲んで過ごします。私は最初はモディオダールの処方でしたが、副作用の頭痛がひどくてリタリンの服用に落ち着きました。

モディオダールもでしたが、薬を飲むようになって、いままでずっと悩まされていた『あの』悪魔のような眠気がやって来ない。すごい。生活ができる。
いつあの強烈な眠気が襲ってくるか、寝てしまわないかビクビクしながら過ごさなくてもいい。

現代医療バンザーイ!!!!

リタリンは薬の切れ目には眠気が出てきたりしますが、きちんと服用していれば恐れることはありません。
初めて二足歩行をした人類の気持ちってこんな感じなんだろうか。

むずむず脚に関しては鉄分のうちの成分が不足している事が原因なので、それを薬で補い何とかしています。

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リタリンという薬は認可されている医師からしか処方できない上、認可されている薬局でしか処方ができず、処方量の上限もあるため現在は月いちで通院をしてお薬をもらっています。

発達障害も持っているため、ADHDの適応薬であるコンサータと同成分のリタリンは眠気と同時にそちらにも良い作用をしてくれている実感があります。

良い薬に巡り会えてよかったとおもっていますが、それはまた別のお話。どこかで書けたらいいな。

現状は入眠時幻覚等でうまく夜寝つけないことが悩みですがそこは対処法を模索中です。

一生のお付き合いなので気長に頑張ろうと思います。

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メンタルの不調等で突発性過眠症になる方もいらっしゃいます。
生活に支障が出ていたりあまりにも困っている方は睡眠外来がある病院にいってみると少し生きやすくなるかもしれませんね。心療内科や精神科で相談してみるのもいいかもしれないです。

当てはまらない方も、身の回りにそういう方がいたら気合いが~ナマケモノ~など言わず1度様子をみてもらえるととても助かります。風邪ひいたら咳でるくらい自然な現象ですからね。

以上でナマケモノと呼ばれていた私のナルコレプシー診断から現状までのお話はおしまいです。
長々とお付き合いありがとうございいました。

えい(@ei_614)